![]() | 颶風の王 |
クリエーター情報なし | |
KADOKAWA/角川書店 |
【一口紹介】
◆内容紹介◆
馬も人も、生き続けている――。東北と北海道を舞台に、馬とかかわる数奇な運命を持つ家族の、明治から平成まで6世代の歩みを描いた感動巨編。
酪農家でもある新人がおくる北の大地の物語。三浦綾子文学賞受賞作。
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
力が及ばぬ厳しい自然の中で馬が、人が、懸命に生きている―。明治の世。
捨造は東北から新天地・北海道へ向かっていた。道中、捨造は童女のように生きる母からもらった紙切れを開く。
それはいつもの、幼子が書いたようなものではなかった。
雪崩で馬と遭難しながらも、その馬を食べて生き延び、腹の中の捨造の命を守りきった、母の壮絶な人生の記録だった。
北海道の大地で羊を飼い、乳牛を育てながら小説を書き続ける、新人・河崎秋子が圧倒的なスケールでおくる三浦綾子文学賞受賞作。
◆著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)◆
河崎/秋子
羊飼い。1979年北海道別海町生まれ。北海学園大学経済学部卒。
大学卒業後、ニュージーランドにて緬羊飼育技術を1年間学んだ後、自宅で酪農従業員をしつつ緬羊を飼育・出荷。
2012年「東陬遺事」で北海道新聞文学賞(創作・評論部門)受賞。
14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞受賞。
【読んだ理由】
新聞の書評を読んで。
【印象に残った一行】
及ばぬ。
人の意志が願いが、及ばぬ。
光の脳裏に強い文言が蘇る。オヨバヌ。祖母が繰り返していた言葉だ。地も海も空も、人の計画に沿って動いてはくれない。祈りなど通じず時に手酷く裏切ったりもする。それは人がここで生き、山海から食物を得る上で、致し方ないことなのだと。
【コメント】
真面目な人が真面目に書いた小説だ。読後深い感動が押し寄せる。この本にめぐりあって良かった。一読をオススメする。
颶風(ぐふう)とは強く激しい風のこと。