![]() | 人体 5億年の記憶: 解剖学者・三木成夫の世界 |
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海鳴社 |
◆内容紹介◆
「からだは1本の管である」
不世出の天才解剖学者、三木成夫の驚くべき「人間の見方」は、その弟子・布施の筆によって初めてその全体像が姿を現す。
「人間の心や体の成り立ち」に関する三木の深い洞察力によって、私たちの体の見方・心の見方が180度変わりますこと、請け合い。
私たち人間のからだは、魚であった時代の名残をたくさん抱えている。
たとえば、私たちの顔で表情をつくり、口を開いて声や言葉を発する筋肉も、魚だった時代の「えら」の筋肉が変化したものだ。
水中で生活する魚類では、顔面に味覚を感じる細胞が集中したが、上陸に伴い、ヒトでは乾燥を避けて口の中の舌でのみ味覚を味わうようになった。
東京大学の医学部の学生が特別講義を聞いた後に、感動の余り拍手をしたという伝説の解剖学者、三木成夫の話術は、保母さんたちを相手にした一般講演でも笑いが絶えなかったという。
そうした絶妙な語り口に、入学したばかりの大学生だった著者も強く惹かれていく。
養老孟司(解剖学者)推薦
「ヒトの心と体が、5億年の歳月を経て成立したことを忘れるな。
ヒトとは何か、それを知ったつもりでいる現代人の驕りへの警世の思想を三木成夫は持っていた。
その三木の世界を理解するための必読の書である。著者の解説が素晴らしい」
◆著者について)◆
布施/英利
解剖学者・美術批評家。1960年群馬県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。同大学院美術研究科博士課程修了(美術解剖学専攻)。東京大学医学部助手(解剖学)などを経て、現在に至る。
大学院生のとき、恩師・三木成夫の紹介で養老孟司と出会い、27歳のとき養老との共著『解剖の時間』を出版、28歳で単著『脳の中の美術館』を出版。
大学院生のときに出版したこの二冊を皮切りに、現在まで約50冊の著書を出す。主な著書に『脳の中の美術館』『体の中の美術館』『絵筆のいらない絵画教室』『自然の中の絵画教室』『「進撃の巨人」と解剖学』など。
また美術批評の著作も多く、『「モナリザ」の微笑み』『構図がわかれば絵画がわかる』『遠近法がわかれば絵画がわかる』など。
解剖学をベースに芸術と科学の交差する美の世界を探求している。
【読んだ理由】
新聞の書評を読んで
【印象に残った一行】
つまり、血液とは、進化の過程で、上陸して海から離れて暮らすようになった生き物が、それまで体の中にあって、体を包み込んでいた海の水を体の中に取り込んだ、生命進化の名残なのだというわけだ。
つまり海の水は血液へと形を変え、しかも機能的に優れた物質として体の中で、いまだ活用されている、そういうものだといううことになる。
胎児は、受胎の日から指折り数えて30日を過ぎてから僅か一週間で、あの一億年を費やした脊椎動物の上陸誌を夢のごとく再現する。
【コメント】
私のあなたの身体に人体5億年の記憶がつまっています。
受胎後の胎児の顔の変化、下の絵は手。魚の魚影⇒両性類カエルの面影⇒爬虫類の面影⇒哺乳類の面影
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