日本男道記

ある日本男子の生き様

徒然草 第六十九段

2020年10月13日 | 徒然草を読む


【原文】  
書写の上人は、法華読誦の功積もりて、六根浄じやうにかなへる人なりけり。旅の仮屋に立ち入られけるに、豆の殻を焚きて豆を煮ける音のつぶつぶと鳴なるを聞き給ひければ、「疎からぬ己れらしも、恨めしく、我をば煮て、辛き目めを見するものかな」と言ひけり。焚るゝ豆殻のばらばらと鳴る音は、「我が心よりすることかは。焼かるゝはいかばかり堪へ難けれども、力なき事なり。かくな恨み給ひそ」とぞ聞えける。

【現代語訳】
  円教寺の性空上人は、法華教を毎日飽きずに唱えていたので、目と耳と鼻と舌と体と心が冴えてきた。旅先で仮寝の宿に入った時、豆の殻を燃やして豆を煮ているグツグツという音を「昔は一心同体の親友だった豆の殻が、どうしたことか恨めしく豆の僕を煮ている。豆の殻は、僕らを辛い目に遭わせる非道い奴だ」と言う声に聞こえたそうだ。一方、豆の殻がパチパチ鳴る音は「自ら進んでこんなことをするものか。焼かれて熱くて仕方がないのに、どうすることも出来ない。だから、そんなに怒らないでくださいな」と言う声に聞こえたらしい。 

◆鎌倉末期の随筆。吉田兼好著。上下2巻,244段からなる。1317年(文保1)から1331年(元弘1)の間に成立したか。その間,幾つかのまとまった段が少しずつ執筆され,それが編集されて現在見るような形態になったと考えられる。それらを通じて一貫した筋はなく,連歌的ともいうべき配列方法がとられている。形式は《枕草子》を模倣しているが,内容は,作者の見聞談,感想,実用知識,有職の心得など多彩であり,仏教の厭世思想を根底にもち,人生論的色彩を濃くしている。

Daily Vocabulary(2020/10/13)

2020年10月13日 | Daily Vocabulary
26091.dune(砂丘)a hill made of sand near the sea or in the desert SYN sand dune 
Sand dunes are formed wind.
26092.mirage(蜃気楼)an effect caused by hot air in a desert, which makes you think that you can see objects when they are not actually there 
I thought I saw a lake, but it was just a mirage.
26093.similarly(同じように)in a similar way OPP differently 
Smartphone prices are dropping. Similarly, computers are becoming cheaper and cheaper.. 
26094.Way to go!(よくやった、その調子) American English used to tell someone that they have done something very well or achieved something special 
I You passed your driver's test. Way to go!
26095.preface(前書き) an introduction at the beginning of a book or speech   
In the preface, the writer explained the background of the book. 

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