日本男道記

ある日本男子の生き様

塩狩峠 (新潮文庫)

2008年04月05日 | 読書日記
塩狩峠 (新潮文庫)
三浦 綾子
新潮社

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【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
結納のため札幌に向った鉄道職員永野信夫の乗った列車が、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れ、暴走し始めた。
声もなく恐怖に怯える乗客。
信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた…。
明治末年、北海道旭川の塩狩峠で、自らの命を犠牲にして大勢の乗客の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を描き、人間存在の意味を問う長編小説。

◆著者◆
1922‐1999。旭川生れ。17歳で小学校教員となったが、敗戦後に退職。
間もなく肺結核と脊椎カリエスを併発して13年間の闘病生活。
病床でキリスト教に目覚め、1952(昭和27)年受洗。’64年、朝日新聞の一千万円懸賞小説に『氷点』が入選、以後、旭川を拠点に作家活動。
’98(平成10)年、旭川に三浦綾子記念文学館が開館

【読んだ理由】
ある人のブログを読んで。

【印象に残った一行】
「しかしねえ、目に見えた不具者を笑うことはやさしいが、自分たち人間の心がどんなに不自由で身動きのとれない不具者かということには、なかなか気付かないものだよ」

「うん、そうだろうな。この世の中に、何らの意義も見出せないとする考え方もあるかもしれん。人間も犬も猫も、単なる動物にすぎない。そして、死んでしまえばいっさいが無になる、という考え方もあるだろう。だが見るもの聞くものすべてに、自分の人格と深いかかわりを感じとって生きていく生き方も、あるわけだからね」

「聖書のエペソ第五章には、次の言葉があった。
『妻たる者よ、主に服(したが)うごとく己の夫に服え。夫はその妻を己の体のごとく愛すべ』」

「『一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん』その聖書の言葉が吉川の胸に浮かんだ」

【コメント】
「犠牲」とは、「ほんとうの愛」を実行することであり、友のために命を捨てるまでほんとうの愛を生きることの真実が描かれており、実話を基にした主人公のキリスト教信仰に裏打ちされた生き様に心打たれる。
一読をお勧めしたい。
氷点が代表作の著者であるが、今回初めて三浦作品を読んだ、氷点など他の作品も読んでみたい。

 



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
子供の時に.. (地理佐渡..)
2008-04-05 18:30:10
こんばんは。

この小説は映画化されていましたね。
子供の頃、学校で見た覚えがあります。
小学校の頃ですからもうずいぶん前です。
主人公が我が身を犠牲にする場面をよく
覚えています。
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Re:子供の時に.. (日本男道記)
2008-04-06 07:46:46
おはようございます。

教育映画だったのでしょうか?

(教育映画という言葉も古いですが。)

私には残念ながら記憶が全くありません。

かなりインパクトも強かったようですね。
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