東京江戸川区の平井に諏訪神社があります。今年は享保年間に信州諏訪大社からこの地に祭神を勧請して三百年とのことで、盛大なお祭がありました。
二年前の祭のサイトにこうありました。
「下町ならではのイベントとして親しまれているこのお祭りは、町をあげての神輿の練り歩きがメイン。
10時に本社神輿の宮出しが行われると、昼過ぎにかけて平井駅周辺を重さ1トンを超える神輿が練り歩く。
さらに夕方16時には連合神輿6基、子ども神輿1基が平井駅の商店街に登場。夜20時30分ころまで駅周辺を盛大に練り歩き、町をお祭りムード一色に染め上げる。
駅周辺の商店街には露店なども出て雰囲気は最高。」駅を降りるとちょうど神輿が動き始めたところでした。
宮神輿は大正15年の建造で台座は三尺五寸(107cm) 五段の桝組みや木彫が素晴らしい勾欄造りの神輿です。駅から町内をこうして練り歩きます。
この下町で三百年もこうして祭が継続し、町の人が心を合わせて、それぞれお互いの役割を担って参加している様を目の当たりにして感激しました。
ああ、これが町方が伝えてきた日本の一つの伝統なんだと。
獅子頭の神輿は出番を終わって拝殿の横に置かれていました。
「木遣り保存会」と染め抜いた半被を着ている方々がいたので、声をかけたら下諏訪から4年に一回この祭に招待されて来ているという「諏訪御柱祭」の「木遣り隊」の6人でした。
「長持ち隊」20人と共に朝5時半に下諏訪を立って当地に来られたのだそうです。
自分は今は神戸に住んでいるが、諏訪に縁がある人間ですと話したら、「来年は御柱の年だで、また来たらいいわね」と言ってもらって嬉しかったです。
木遣りを歌う時に手にする“オンベ”を見せてくれました。
日が暮れると駅の広場に飾られた提灯アーチに灯が入りました。
これが今身内が住んでいる町内の神輿です。借りる部屋を探して都内をあちこち歩き回った末、条件が合った部屋をみつけて平井に住み着いたのはたまたまですが、
その平井に、祖父母が生まれ育った諏訪の神様がおられるとは、祭があるまで思いもしなかったそうです。
まさか諏訪の神様が彼らを平井に呼んでくれたのではないとは思いますが・・。