阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

〈総裁選前に初公開〉国民が政治家を見極めるための「“真正保守”政治家10カ条」《保阪正康氏が考案》

2024年09月24日 | SNS・既存メディアからの引用記事

(1)は、国外のウクライナ戦争にせよ、ガザ戦争にせよ、アメリカ大統領選にせよ、国内の裏金事件にせよ、時代がどう動くかについて、

歴史と同時代史を組み合わせ、過去、現在、未来を読み抜く目を持て、との意味になる。

(2)は、誰を理想の政治家と見て、そこから何を学ぶのかという問いでもある。原敬の政治力と、歴史に自らを刻む意志。

田中角栄の庶民性と、対米従属から脱却する志向。浅沼稲次郎の労働者性と、質素な生活。……直接の師でも、歴史上の存在でもいいが、

自分が目標とする政治家とその方向性を、自らの政治の一つの模範として持つべきであろう。

(3)は、甘い褒め言葉、巧みな誘導術などの話法を遠ざけ、誠実な語り口を身につけるべきということだ。

甘言、巧言は、結局のところ有権者からの信頼を失うし、汚職にもつながっていくものだ。

(4)であるが、誤りを教訓とする思考、行動は政治家の必須条件である。過去の戦争に始まり、政治の誤りを徹底して分析することが大切であろう。

かつて日本の政治はなぜ戦争を選択したのか? 軍の暴走とは何か? それを学ぼうとしない政治家は、政治家である資格がない。

池田政権における伊藤昌哉

(5)は、政治家の不安に寄り添い、有効な助言をするブレーンをいかに周囲に置けるかということになる。

  たとえば伊藤昌哉である。かつて伊藤は宏池会の舞台裏の立役者と言うべき人物だった。池田勇人首相の首席秘書官を務め、

池田の政敵である浅沼稲次郎社会党委員長が暗殺されたとき、語り草となるような追悼演説の原稿を書いて、それを読み上げた池田の存在感を大きくした。

その後、伊藤は大平正芳首相のブレーンにもなり、その権力者の孤独を全面的に受け止めて、大平は折に触れて伊藤の判断を仰いだ。

後藤田を師とした村山富市

 意外なケースでは、村山富市首相にとっての後藤田正晴がいる。村山は後藤田について、「所属する政党は違っても私にとって後藤田さんは、単に先輩というより、

師として仰ぐ大変心強い存在でした」(『私の後藤田正晴』、中曽根康弘/村山富市/岡本行夫ほか、講談社、2007年)と語っている。

阪神・淡路大震災の翌日、後藤田は村山に「地震は天災だが、これからは人災になる。しっかりやってくれ」と言い、村山はそれで災害対応へと性根を据えた。

憲法、日米安保、海外派兵などについても、後藤田は様々なアドバイスをしている。ブレーンは、必ずしもイデオロギー的立場を同じくする必要はないのである。

(6)は、周辺が身ぎれいか、政治資金の台帳は正確に記されているか、生活の幅にブレはないかなどを常に点検しなければならないということだ。

いまや政治家は、企業・個人からの政治資金と使途、秘書給与、事務所維持費、選挙経費など、政治活動にどれだけ金がかかるかを一人ひとり明確にすべきである。

それは私たちが政治家を見るときの重要な判断材料になるだろう。

(7)は、テレビの討論番組に出るべきだというような話ではない。有権者からの問いに誠実に答え、何度でも丹念に説明をすべきだ。

これは政治家の初歩的条件とも言える。

(8)は、「真正保守」には必ず求められる態度である。漸次の改革を行うためには、その前提として、伝統への敬意が必要なのだ。

そこから、もし捨てるべきものがあれば捨て、保守すべきは保守する政治が始まる。典故、先例を深く知ることは、庶民の暮らしに分け入り、その哀歓に触れることでもある。

(9)についてだが、本を読まない人には、いくつか特徴がある。話のなかで形容詞を多用する。物事を断定して、その理由や思考のプロセスを説明しない。

耳学問だから見識に深みがない。読書をしない人間は、「真正保守」の政治家にはなれないと言い切っていいであろう。

(10)であるが、氷山は9分の1だけが海面上に姿を出し、9分の8は海面下にある。身につけた知性、感性、人格の奥行きが、表に現れることを忘れてはならない。

 この十カ条を私に書かせたのは、歴史の教訓を政治の現場に伝えなければならないという危機感であるとも言える。

私たちが近現代史から学んだ教訓と知恵が失われていくことになっては、先達に申し訳が立たないと思うのである。

  引用元  こちら

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