とうもろこしが美味い 2005年07月31日(日)の「阿智胡地亭の非日乗」から引用
昨日、ふかしたトウモロコシを美味しく食べました。トウモロコシは子供の頃夏休みに、その頃家族が住んでいた三重県四日市市から
母の里である信州八ヶ岳の麓の当時の諏訪郡玉川村(現茅野市玉川)に行くといつも、もぎたての物をふかしてくれるので、
トウモロコシの味はそういうものだと舌が覚えてしまい、家で買ったものは、まずくていつのまにか食べなくなっていました。
いつ畑からもいで、いつ八百屋の店に並んだかわからない時代が長かったのでしょうが、今は流通経路も短縮され、農家から直送のものが多くなったと味で実感しました。
買うと少し割高ですが、畑で熟したトマトと、輸送中に赤くなる日数を見込んで青い時にもがれるトマトも、トウモロコシと同じで名前はトマトであっても別の野菜です。
朝7時ごろ四日市の家を出て国鉄に乗り、名古屋駅で中央西線に乗換え、木曽福島駅や中津川駅のホームの蛇口の冷たい水で一息入れます。
昭和31年か32年当時の愛知岐阜三重の東海三県には紡績会社の大工場があちらこちらにあり 信州から沢山の女工さんが工場の寮で集団生活を送りながら働いていました。
特に名古屋駅からの中央西線の車中はその女工さんたちの盆休みの帰郷の集団で超満員でした。
我々三人は彼女たちの興味のまとになり 子供だけで旅行してどこに何しに行くのとか何歳だ?とか話しかけられて、そんなことに慣れていない三人は大汗をかきました。
そうこうするうちに汽車は乗り換えの塩尻駅に着き、ここで松本からきた中央東線の新宿行きの列車に乗換え、蒸気機関車の煙のススで真っ黒になって
家から7~8時間くらいかかってようやく茅野駅に着きました。
駅前のバス停から八ヶ岳農場行のバスは当時はまだ舗装されてない八ヶ岳へ向かう山道を、むき出しの石を避けながらゆっくりゆっくり登っていきました。
30分ほどそんなバスに乗り、玉川村の「穴山」のバス停で下りたとたん、三人はすぐ競争で駆け出して伯父の家の農家の裏庭から入り、井戸の手押しポンプに取り付き、
ベコベコのアルミコップで飲んだ井戸水ほど美味いものには、未だに巡り合いません。
たった一度ですが 小・中学生の兄弟三人でこのルートを移動した時 阿智胡地亭は引率責任者として道中ずっと緊張しっぱなしでした。
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そして今朝、千葉の栽培農家で取れたというトウモロコシが8本、宅急便で届きました。早速ふかして食べましたが、昔のものより品種改良も進んだのか、
一粒一粒の実も大きく、サイズも一定でおいしく食べました。やはり取れたては違います。
小学生の時に本当のトマトやトウモロコシやセロリの味を覚えた母の実家がある「穴山」は 、御柱祭の度にテレビや新聞に「穴山の大曲」click と地名が出るのを、
10年ほど前に知りましたが、あちこちの土地の流れ者である私の、沢山ある大切な郷里の中の一つです。
こちらから↓引用。