阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

アメリカでは一人で通学しないって本当?|大阪と東京の違いは?|アメリカ人から見た感想|ネイティブ同士の会話 |から

2024年06月12日 | SNS・既存メディアからの引用記事

アメリカでは一人で通学しないって本当?|ネイティブ同士の英会話 #リスニング

大阪と東京の違いは?アメリカ人から見た感想をお届けします |英会話リスニング用 - ネイティブ同士の会話 |

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

下総の国の住人Kさん夫妻の韓国ソウルの旅  その2/全4回     鉄原DMZ(非武装地帯ーDe-Militarized Zone)ツアー

2024年06月11日 | 下総の国の住人Kさんの寄稿アルバム集

          ☝北朝鮮の山並みと村

1966年4月に伊予の国新居浜の工場独身寮で初めて顔を合わせて以来の長い付き合いになる友人Kさんからソウル旅行の多彩な写真付きメールが届きました。

 Kさんは千葉県印旛郡栄町で生まれ育った生粋の下総人です。

Kさんは長く新居浜勤務でしたが、新居浜勤務を経て大阪勤務だった阿智胡地亭と東京の神田事務所にそれぞれが転勤になりまた顔を合わせるようになりました。

Kさんのメール⇒

北緯3815分に位置する鉄原は京城と元山を結ぶ京元線の中間地点で開発が進み、1920年代には人口10万人規模の経済圏の中心で、

観光地金剛山へ向かう鉄道の始発駅でもあった。

第二次世界大戦末期に38度線で分断され鉄原は北側に属し、1946年には住民統制、思想教育のために朝鮮労働党鉄原庁舎建てられた。

 工事前の労働党庁舎(Webより)

1950年朝鮮戦争勃発によりここは激戦地となり、1953年の休戦協定で軍事境界線が確定して韓国側に位置している。

 軍事境界線からそれぞれ2KmDMZで双方で厳重な管理が行われている。

韓国はDMZから520Kmの範囲で民間人統制区域を設定して軍人、許可され住んでいる住民、許可され通う住民、DMZ ツアーの客以外は立ち入り禁止となっている。

  日本人相手のツアーに申し込んだが最初に現れたのが台湾人で英語はOKだが日本語は駄目ということでガイドは困った顔をしていた。

つぎに中国人女性が来て4人とガイドの5人で出発した。

この中国人は中学から日本語を勉強して日本の大学に4年間留学していたとのことで日本語はペラペラ、

ガイドが伝える重要事項は台湾人に中国語で通訳していた。これでガイドも一安心。我が夫婦以外の3人は30代半ばの若者だった。

  ソウルを出発して1時間半位経って鉄原の村に近づくと両サイドに巨大なコンクリートブロックが見えてくる。

北が侵入してきたらブロックを道路側に倒して阻止する施設だという、何箇所かあった。

最初は民間人統制区域外の白馬高地戦争慰霊の丘、18952年近くの白馬高地で韓国軍と中共軍が争奪戦を繰り広げ2週間で

双方で2万人の死者が出た戦いで韓国軍が勝利したが戦死者を慰霊する場となっている。

 この近くの北側に金日成高地呼ばれる山がある、白馬高地の戦いに敗れた金日成は3日間この山で泣いていたのが由来だとガイドが教えてくれた。

民間人統制区域、DMZ下の第2トンネルへ入るツアーを運営する組織で手続きをして出発。

といっても先頭車はこの組織の先導車、大型観光バス1台と普通車20台くらいが続き最後は迷彩色の軍の車。

ガイドから韓国側の統制区域、DMZ,そして軍人の写真は不可、軍人と目を合わせることも不可との注意を受ける。

 統制区域入口のゲートで各車の乗車人数が届け出とあっているか厳重なチェックを受けてから入門、

田植えが終わった田んぼが広がっている。少し行くと片面林の方には強固なフェンス、地雷注意の看板。

 北朝鮮は軍事境界線下に南に侵入のためのトンネルをほっていたが4本は韓国により発見されている。

この内第二、第三トンネルが公開されているが今日は第二トンネルへのツアーだ。

第二はトンネル内の写真撮影OK,第三は板門店の近くでもありカメラの持ち込みは禁止されているという。

 口で写真を撮った後韓国が調査のために掘った急なトンネルを降りていくとほぼ水平のトンネルに突き当たる。

時折頭をぶつけながら進んでいき軍事境界線300m手前で進入禁止となる。

帰り道北側から開けた削岩機の跡が残っているのが見える。

 トンネルを出て一休みしていたら監視員からガイドに不適切な方向にカメラを向けていた人がいたと注意を受けたという。

  ガイドがうまく処理してくれて画像チェックを受けずに済んだ。

 次は鉄原平和展望台へ、駐車場からモノレールに乗って高台の展望台へと進む。

民間人統制区域の田園、手つかずの森のDMZ,DMZのすぐ外の高台に建つ南北双方の監視小屋、北朝鮮の山並みと麓の村が一望できる。

鉄原でもらった日本語ガイドパンフレットには「平康高原と北朝鮮宣伝村が眺められる」と書いてあった。

  ジタルズーム付きの最新望遠鏡がありノートパソコンの画面サイズ位の液晶画面付き、北朝鮮の監視小屋の国旗がはっきりと見える。

 次はDMZ南端から道路1本隔てたところにある月井里駅舎、もとはDMZ内にあったが現在の位置に移設した。

駐車場のDMZ側には軍事施設があり多くの軍人がいた、また駐車場には監視の軍人がいる。

駅舎、プラットホーム、線路が2列、朝鮮戦争で破壊された車両が展示されている。

線路のどちらかの1列は当時のまま、1列は移設に伴い新たに敷設したとのこと。1911年の印のあるレールが使われている。

DMZと軍人を映さないように慎重にシャッターを押した、やはり緊張する。

田んぼの中を進み戦争でほぼ破壊された金融組合建物、氷倉庫、農産物検査所を横目に見て統制地域を出た。

するとすぐに労働党庁舎が見えるが、現在修復保存作業中で大きな幕でおおわれていた。

  遅めの昼食は海鮮うどんで麺、イカ・貝類の具とも二人前くらいのボリュームで私以外の3人は食べ残していた。ビールは旅行会社のサービスだった。

食後漢灘江渓谷の崖にオーバーハングし作られた歩道を散策してソウル市内へ戻った。

  市内に入るとガイドから市庁近辺でデモが行われているので注意するようにとのことだった。

ところが目的地近辺で下車したら向かい側の車道を警察に先導されたデモ隊が進んできた。

横断歩道を警察官と交差するような形でなんとか渡りきりデモ隊を眺めていた。

  ガイドによると同性愛者の団体、先頭は中型トラックに舞台を仮設してその上で数人の若者が踊っている。

その後ろに人が続く、この連隊が5つ、長さ1Kmくらいのデモ隊で大音量とともにソウル駅方向へ進んでいく。

警察官が前後、歩道側を固め歩道には大勢の見物客で騒然としていた。

  夕食は手長ダコ、エビ、モツの鍋で眼の前で手長ダコを切るパフォーマンスつき、シメは残った少しのスープにご飯とチーズを入れた炒飯。

夕食の動画 https://www.youtube.com/watch?v=Z3oZ5OtnrEw&ab_channel=masaokuzuu  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

06月10日に目に留まったSNS・メディアの記事

2024年06月11日 | SNS・既存メディアからの引用記事

いずれも画像をクリックすると本文全文に飛びます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東日本大震災が起こった翌年の [ 2012年05月11日(金)の阿智胡地亭の非日乗ブログ ] 再掲載。

2024年06月11日 | 東日本大震災ブログ
2012年05月11日(金)
 
日本の原発と政治:集団デモはないが大衆は意思表明している
 
(英エコノミスト誌 2012年5月5日号)

半世紀ぶりに日本の原子力発電がゼロになった。

一部引用・・

しかし今、日本は歴史的に重要な瞬間を迎えている。1950年代半ばに、広島と長崎の原爆投下がもたらした原子力への恐怖を克服した後、日本は熱烈な原子力支持国となった。震災までは、日本は2030年に電力の半分を原子力で供給しようと計画していた。全原発停止は、そうした情熱の消滅を告げている。

 世論調査を見る限り、一般国民が原発の再稼働に消極的なのは、政府の危機対応に対する無言の非難の表れと言える(日本はよく集団デモが行われる国ではない)。

 最近まで、日本人は2年連続で停電の脅威にさらされることを望まないとアナリストは予想していた。今でも、暑い夏を迎えれば反原発の勢いも弱まると見るアナリストは多い。

 全原発停止という事態が持つ象徴的意味はあまりにも大きいと考えた野田佳彦首相は、5月5日までに少なくとも2基の原子炉を再稼働して営業運転させようとした。だが、再稼働にはこぎ着けられなかった。そして今、首相の政敵がその失敗に乗じようとする可能性がある。


原発再稼働に対する国民の支持は得られていない〔AFPBB News〕

 いくつかの点で、現在の混乱を招いた責任は、野田首相と与党・民主党自身にある。

 野田首相は、再稼働させようとした原子炉が、2011年3月11日と同程度の地震や津波に対しても安全だと判断した。しかし、安全評価を監督してきたのは、原子力安全・保安院と原子力安全委員会という、昨年の事故でその評判が地に落ちた2つの組織だ。

 これらの組織に欠けていた透明性と独立性と専門的能力を備えた新しい監督機関の設立が予定されているが、その新機関がまだ発足していないこの段階で、政府は再稼働に向けて動き始めた。

全文はこちら
2012年5月11日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |   
  トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4810/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
長期的な原子力政策論議を捻じ曲げる電気事業連合会と内閣府官僚たち
 
<議案隠し>「原子力推進派意向で修正検討」事務局認める
毎日新聞 5月9日(水)2時31分配信

 長期的な原子力政策を論議する「新大綱策定会議」(議長・近藤駿介原子力委員長)の議案が原発再稼働の妨げになるとして隠蔽(いんぺい)された問題で、会議の事務局を務める内閣府幹部が毎日新聞の取材に「(内容を)相談するため事前に外部に提示した」と認めた。

提示先は電力各社で作る電気事業連合会など推進派に限られ、一部だけの意見を反映させ議案の修正を図っている実態が明らかになった。

策定会議の委員は反発しており、伴英幸・原子力資料情報室共同代表は9日の策定会議で事務局19人全員の解任を要求する方針だ。

 内閣府原子力政策担当室の中村雅人参事官によると、議案書「原子力利用の取り組みと国民・地域社会との共生に向けて」を4月19日夕、電事連、経済産業省・資源エネルギー庁側に提示した。「見てもらってブラッシュアップする(磨き上げる)ためだった」と意向次第で書き直す方針だったことを認めた。慎重派には提示しておらず偏った議事運営が裏付けられた。

 中村参事官は同24日の議案から外した理由を「出来が悪かったため」と強調した。しかし関係者によると、エネ庁側が「『地域』を今取り上げると、どの範囲を地域と呼ぶかが問題になり関西圏首長に理解を求める活動に影響する」と議案から外すよう要求したことが判明している。

 細野豪志原発事故担当相は8日の閣議後の記者会見で「いろんな当事者から話を聞かないと議論できない」と述べ、議案書を外部に示した内閣府の対応を擁護した。

 伴氏は「委員に配られていない議案が事業者や経産省に渡っているとは何ごとか。策定会議は出直すべきだ」と猛反発。

9日の会議に「事務局をすべて解任し、新たに策定会議の委員の中から選任して議事運営に当たるべきだ」とする意見書を提出する。委員の金子勝・慶応大教授も「電事連やエネ庁の望む通りに議論を進め近藤氏も少なくとも黙認している。信頼性を傷つける『事件』だ」と憤り近藤氏に説明を求める方針だ。【清水憲司、太田誠一、高島博之】
2012年5月11日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4811/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
プルトニュウム再利用は割高 米専門家が見解発表
 
“プルトニウム 地下埋設処分を”
5月10日 13時0分 NHKニュース

原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用することについて、アメリカの研究グループは、コストが割高なうえ、テロに利用されるおそれがあるとして、「プルトニウムはすべて地下に埋設して処分すべきだ」とする見解を、発表しました。

この見解は、アメリカのプリンストン大学などの専門家4人が、10日付けのイギリスの科学雑誌「ネイチャー」に発表したものです。

この中で研究グループは、原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用することについて、ほかの処分方法と比べて大幅に費用がかさむという試算を示し、「プルトニウムを再利用する方法は、コスト面で大きな課題がある」と指摘しています。

さらに、世界全体で民生用としてすでに250トン以上のプルトニウムが蓄積されており、核兵器にも転用できることからテロに利用されるおそれもあると懸念を表明しています。

そのうえで、イギリス政府が去年、プルトニウムを核燃料に加工する工場を新たに建設する方針を示したことについて現実的ではないと批判し、「すべてのプルトニウムを地下に埋設して処分する方法が最も安全でコストも少ない」と結論づけています。

日本もこれまでプルトニウムを再利用することを原子力政策の柱としてきましたが、東京電力福島第一原発の事故を受け、こうした政策を見直すかどうか、検討作業が行われています。
.
2012年5月11日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4816/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
沖縄県知事 「不平等 私も思う」と
 
「不平等 私も思う」 復帰40年で仲井真知事
2012年5月10日 琉球新報

 仲井真弘多知事は15日の本土復帰40年を控えた9日、県庁で報道各社のインタビューに答えた。琉球新報社・毎日新聞社合同世論調査で、在日米軍基地の7割が沖縄に集中していることについて県民の69%が「不平等だと思う」と答えたことについて、仲井真知事は「不平等だという気持ちは私もほぼ同じだ」と述べた。

 仲井真知事は不平等感の理由を「米軍専用施設の4分の3が沖縄にある」過重負担と地位協定の問題を挙げ、「(軍人・軍属は)日本の法律は守らなくていい、一種の治外法権。同盟国であってもひどいんじゃないかということを県民は40年以上、基地の横で味わってきた」とし、「これに持ちこたえてきた県民の怒りを考えてもらいたい」と述べた。

 普天間飛行場の名護市辺野古への移設に県民の9割が反対していることには、「率直な気持ちだろう。私も普天間は県外という公約の旗を降ろすつもりはない」と強調し、「政策に何らかの形でにじみ出るんじゃないか」とし、県民意思として重く受け止めたいとの姿勢を示した。
2012年5月11日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 日本社会の仕組み改良 / 世界と日本 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4823/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
別にアメリカは日本に指令をだしている訳ではない。
 
「忖度」する人たち


一部引用・・・

さて、そのような一般論に基づいて、沖縄基地問題についての私の仮説を申し上げる。

それは「日本のエスタブリッシュメントは、『アメリカの国家意思を忖度する』ことで、そのつどの政策を決定している」というものである。

別に珍しい話ではないが、この仮説のかんどころは「忖度」という動詞にある。

「日本はアメリカの属国である」ということは、必ずしも、アメリカのが「箸の上げ下ろし」についてまで、こうるさく干渉してくるという意味ではない。

ほとんどの場合、そうではない。
人が他人にこうるさく干渉してくるのは、相手の「反抗」や「自律」を恐れているからである。
アメリカは日本を恐れていない。
ぜんぜん。
悲しいけれど。

アメリカ政府が日本人の「反抗と自律」を恐れていた時期がなかったわけではない。
1950年までは日本人による進駐軍に対するテロやゼネストや、過度の抑圧が日本人民を「国際共産主義運動」に押しやる可能性をたしかにアメリカは恐れていた。

60年安保闘争のときにも、反米ナショナリズムのあまりの激しさにたじろいだ。

60年代末のベトナム反戦運動にもかなりナーバスになった。
でも、それが最後だった。

そのあと、日本人はアメリカを相手には、もう経済競争にしか興味を持たなくなったからである。

60年代まではそれでも「経済戦争でアメリカに勝って、先の敗戦の汚名を雪ぐ」というようなことを揚言するビジネスマンがちらほらといた。

だが、70年代に「明治生まれのビジネスマン」がフロントラインから消えると同時に、そのようなマインドセットも消えた。

それから後のビジネスマンは自社の利益(ひどい場合は自分の利益)だけ配慮して、日本の国益については「知ったことじゃない」という態度を取るようになった(だいたい株主も社長も外国人になってしまったし)。

だから、70年代から後、アメリカは日本人を恐れることを止めてしまった。

恐れていない以上「干渉」することもない。
でも、「命令する」ことを止めたわけではない。
用事があれば、「おい、お茶」くらいのことは言う。

日本人の一挙手一投足を監視して、反米的なふるまいを芽のうちに摘むというようなコストのかかる仕事はとっくに止めたが、それでも、もののはずみで「アメリカの虎の尾」を踏むと、物凄く怖い目を向けることを止めたわけではない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

小沢一郎の政治生命を断つ」というのは、別にアメリカが指示したことではない(と思う)。

私が国務省の小役人なら、「政治生命が絶たれた方が望ましいが、アメリカが間接的にではあれ介入するリスクに引き合うほどの政治的効果はない」とレポートするであろう。

たしかに、小沢一郎は在日米軍基地の縮減について語ったことがある。
だから、「アメリカ政府は西太平洋における軍略上のフリーハンドを確保するために、小沢一郎を邪魔に思っているのではないか」と「忖度」することは可能である。

現に、多くの人々がそう「忖度」した。
だから、それらの人々は、実際には相互に何の連携もないままに、まるで指揮者に従うオーケストラのように、整然と行動しているのである。

小沢一郎は野田首相にとっては党内反対派の最大勢力である。
自民党の谷垣総裁にとっては彼らを政権の座から叩き落とした不倶戴天の敵である。

検察にとってもマスメディアにとっても年来の天敵である。
彼らは「小沢一郎を排除することをアメリカは望んでいる」というかたちでおのれの欲望をアメリカに投影してみせた。
私はそう思っている。

彼らがあれほど執拗かつ非寛容になれるのは、彼らが「小沢排除」は自己利益のためではなく、アメリカの要請に応え、日本の国益を増大させるソリューションだと思っているからである。

自分のためにやっているんじゃない。
アメリカの、ひいては日本のためにやっているのである。
そう思っている人たちがこれほどたくさんいることに私はむしろ感動するのである。

でも、これほどに立場の違う人々が、同一の実践的結論を共有することを彼らは「変だ」とは思わなかったのだろうか?
ふつう、人間は自分は例外的に賢いと思っている。

いや、謙遜しなくてもよろしい。
誰でもそうなのであるから恥ずかしがることはない。
だから、「例外的に賢いはずの自分と同意見の人がたくさんいる」というときには、前段から後段にいたる論理的架橋が破綻しているということに気づいてよいはずである。

「私ほど賢い人間が、これほど多くの人と同じ意見であるはずがない」というふうに推論してよいはずである。
でもしない。

その理由はひとつしかないが、言うと角が立つので言わぬのである。

全文はこちら
 
2012年5月11日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
日本社会の仕組み改良 / 世界と日本 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4821/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
福井県小浜市議会・職員が福島県大熊町の実態調査へ
 
小浜市議会 福島の「教訓」視察へ
(2012年5月9日 読売新聞)

 小浜市議会の原子力発電所安全対策特別委員会(清水正信委員長、9人)などは13~16日、福島第一原発が立地する福島県大熊町と、同原発から20―30キロ圏内の同県広野町の現状をそれぞれ視察する。いずれも事故後に全町民が避難した地域だ。

現在も住民の帰還のめどが立たない大熊町と、少しずつ住民が戻り始めている広野町双方の諸課題を探り、大飯原発から半径20キロ圏にある小浜市の防災計画見直しなどに反映させたいという。(熱田純一)

 視察は、同委員会委員のほか、市議、市防災担当職員ら計19人。

 大熊町は住民約1万1400人。全域が警戒区域に指定されて一般の立ち入りが禁止され、福島県内に7割が避難、3割が全国に散り散りになった。視察のメンバーらは、同県会津若松市にある大熊町仮庁舎を訪れる予定で、役場や学校などをいわき市内などに移す「仮の町」構想など復興計画に関する説明を受ける。

 広野町は住民約5200人。いわき市などに移転していた役場は今年3月に広野町へ戻り、再開した。しかし町内に戻った住民は1割に満たないという。視察団は同町役場で担当者から今後の帰還計画などを聞くほか、広野町民が居住しているいわき市内の仮設住宅も訪ねる予定。

 清水委員長は「福島の町は原発事故で影響を受け、今も、大きな難題を抱えている。小浜市にとって決して人ごとではない。事故に対する市民の関心は非常に高い。現場の実情を直視して貴重な教訓を導き出したい」と話している。
2012年5月11日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4815/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
 
5月10日の河北新報から抜粋記事
 
解禁の海続く逆風 検出4魚種行き場なく 亘理・底引き網漁 こちら

福島県境農家、悩む作付け 基準値超え根強い不安 丸森 こちら

原発自殺も災害関連死 双葉町村会・南相馬市、異例の認定 こちら
 
2012年5月11日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4822/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
霞ヶ浦の「天然うなぎ」が出荷できない
 
原発事故の影響、霞ヶ浦の「天然うなぎ」出荷停止 漁師も消費者もショック!
J-CASTニュース 5月8日(火)20時2分配信

 ウナギが庶民の口に、ますます入らなくなりそうだ。政府は2012年5月7日、国の基準値(1キログラムあたり100ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したとして、茨城県霞ヶ浦などの湖沼や那珂川など一部の河川で捕れる天然ウナギなどを出荷停止にした。

 農林水産省によると、2010年の天然ウナギの漁獲量245トンのうち、霞ヶ浦や那珂川流域などの茨城産は40トンを占めて全国トップ。養殖ウナギも不漁のため、価格も値が吊り上がるが、「書き入れ時」を前に漁師らの生活をも脅かされている。

■「基準値が500ベクレルあるわけではないのに…」

 茨城県ではこれまで、海域はもちろん、霞ヶ浦水系や常陸利根川、那珂川といった流域で捕れる水産物についても原発事故の影響を検査してきた。4月17日には霞ヶ浦水系で捕れたアメリカナマズやギンブナ(それぞれ、養殖を除く)は国の基準値を超えたため、出荷制限を指示した。

 4月からは、国の基準値が1キログラムあたり500ベクレルから100ベクレルに引き下げられたこともあり、茨城県は霞ヶ浦北浦や那珂川などの流域の水産物についても出荷や販売を自粛するよう要請していたこともある。

 この中に、天然ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)と天然ウナギがあった。

 県漁政課によると、霞ヶ浦に流入する河川と支流を含む那珂川などを検査したところ、4月10日に霞ヶ浦の西浦で捕れたウナギから1キログラムあたり180ベクレルが、北浦で同117ベクレルが検出されていた。

 「検査では基準値(100ベクレル)以下のウナギもあった」が、結果的に4月23日に那珂川水系の涸沼で捕れたウナギが110ベクレルあったことで、出荷停止にせざるを得なくなったようだ。

 厚生労働省によると、ウナギの出荷停止は初めてで、現在市場には流通していないという。

 一方、霞ヶ浦漁業協同組合連合会によると、ウナギ漁を専門とする漁師は約70軒ある。「霞ヶ浦の天然ウナギは知名度が低いため、今年は力を入れて積極的にPRに乗り出そうとしていた矢先のこと」とショックを隠せない。

 「基準値が500ベクレルもあるものが捕れているわけではないのに」と、悔しさをにじませる。漁ができず、生活の糧がない状況に、漁師たちは困惑している。

■「1キロ1万円」最高値 今年の水揚げまだ2日

 日本のウナギ消費量は年間6万~8万トン程度。しかも、4万~5万トンを中国と台湾からの養殖ウナギが占めていて、天然ウナギは約250トンしかない。

 そうした中で、国産の天然ウナギの卸値は4月17日、東京・築地市場で史上最高値をつけた。この日入荷したのは2012年の「初もの」で、岡山産。前年に比べて50%アップの1キログラム1万円で取引された。

 消費の多くを占める養殖ウナギの稚魚が不漁で高騰していることが、天然ウナギの価格にも波及したとみられる。

 天然ウナギの漁期は4~11月ごろだが、「毎日揚がるものではない。築地では1日2000トンもの水産物が揚がるが、その中で天然ウナギは1、2匹あればいいほう」(市場関係者)という。5月に入ってからはまだ市場に出ておらず、4月17、18日の岡山産以来、取引はない。

 ただ、天然ウナギの消費は、「地産地消」が少なくないそうだ。

 ちなみに、取引相場は平年であれば約1キロ3518円~4353円。それが2011年は6000円~7000円程度だったから、値が上がっていることも間違いない。
2012年5月11日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4812/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
ツバメの放射能影響調査が始まる
 
原発事故、ツバメは大丈夫? 野鳥の会が全国調査 
2012年05月09日水曜日 河北新報

日本野鳥の会は9日、生息数の減少が指摘されているツバメに、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質の影響が出ていないかをみる全国調査を10日から始めると発表した。市民の参加を呼びかけている。

 旧ソ連のチェルノブイリ原発事故後、ツバメの尾の変形や体の色素の異常が多くなったほか、産卵数やふ化率の減少も目立つようになったとの報告がある。第1原発近くのツバメの巣から高濃度の放射性セシウムも検出されており、国内でも影響が出ていないか調べる。

調査は3年間の予定で、今年7~8月ごろに中間結果を公表する。
 調査は一般市民向けと鳥の観察経験者向けがある。
2012年5月11日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4814/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
 
国民年金基金の88%へお役人さまOBが天下り
 
国民年金基金で88%天下り
5月10日 4時13分 NHKニュース

 自営業者などが基礎年金に上乗せして年金を受け取るため任意で加入する国民年金基金について、全体の88%に当たる63の基金に、厚生労働省や旧社会保険庁のOBが天下りしていることが、厚生労働省の調査で分かりました。

国民年金基金は全国に72あり、自営業者や医師、弁護士などおよそ55万人が加入しており、厚生労働省が国民年金基金への天下りの状況を調査したところ、ことし3月現在、88%に当たる63の基金に、厚生労働省や旧社会保険庁のOB、合わせて159人が再就職していることが分かりました。

厚生労働省は、おととし9月、基金の役員や職員を公募で選ぶよう要請しましたが、それ以降、役員の任期を迎えた17の基金のうち、公募を行ったのは1つでした。

このため厚生労働省は、公募を徹底するよう9日付けで各基金に文書で要請したほか、今後は公募を行ったかどうか報告を求めるなどとしています。

厚生労働省によりますと、国民年金基金の資金の運用状況に今のところ問題はないとしていますが、選任の手続きを透明にすることで、基金の運営に対する信頼性を高めたいとしています。
.
2012年5月11日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 日本社会の仕組み改良 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4818/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
くにたみの生命財産を守るのは地方行政だけになってきた
 
新潟県知事“まず事故の責任を”
5月9日 17時27分 NHKニュース

 東京電力柏崎刈羽原子力発電所の来年度以降の運転再開などを盛り込んだ総合特別事業計画が、9日にも政府に認定される見通しであることについて、新潟県の泉田知事は「社内で誰も福島第一原発事故の責任を取っていないのに、運転再開はありえない」と述べ、柏崎刈羽原発の運転再開を前提とする東京電力の姿勢を批判しました。

東京電力は、政府が出資する原子力損害賠償支援機構と共にまとめた総合特別事業計画で、新潟県にある柏崎刈羽原発を来年度以降に運転再開することなどを盛り込み、9日にも政府に認定される見通しです。

これについて、新潟県の泉田知事は、9日の定例の会見で「事業計画に柏崎刈羽原発の運転再開を盛り込まないと融資を得られないので、やむをえなく盛り込んだのか、経済優先で盛り込んだのかで、対応は変わる」と述べました。

そのうえで、泉田知事は「経済優先で盛り込んだのであれば、福島第一原発の事故が人災であるという認識が東京電力にあるのかと言いたい。社内で誰も事故の責任を取っていないのに、運転再開はありえない」と述べ、柏崎刈羽原発の運転再開を前提とする東京電力の姿勢を批判しました。

☆3.11以降、中央官庁が実は国家全体のことを考えずに、官僚群の既得権益だけを維持するためにあることが、全面的に露呈したのは日本の長い歴史の中で初めてのことだ。

住民の生活に密着している県市町村レベルの行政責任者の中に、中央の官僚とは全く違う立ち位置、現実認識を持つ人が何人かいることがわかってそれが救いだ。
 
2012年5月11日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4813/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奈倉有里氏出演!『ロシア論』(2023年10月27日放送・前半無料パート部分)ゲスト:奈倉有里、出演:島田雅彦・白井聡、司会:ジョー横溝

2024年06月11日 | SNS・既存メディアからの引用記事

奈倉有里氏出演!『ロシア論』(2023年10月27日放送・前半無料パート部分)ゲスト:奈倉有里、出演:島田雅彦・白井聡、司会:ジョー横溝

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「没後15年 庄野潤三 展」が 神奈川近代文学館でスタート 8月4日まで。 「庄野潤三さんの小説を20代の頃からずっと読んできた」

2024年06月10日 | 音楽・絵画・映画・文芸

 

画展「没後15年 庄野潤三展――生きていることは、やっぱり懐しいことだな!」 | 神奈川近代文学館 (kanabun.or.jp)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「庄野潤三さんの小説を20代の頃からずっと読んできた」

作家とその作品と、それを読む人間にはどうも相性ということがあるような気がする。

 例えば村上春樹さんの作品は私には向いていないと言うか 読んでも面白いと思えない。ただ彼のエッセイは好きだ。

庄野潤三という人の作品には最初の一冊「明夫と良二」から彼の世界に没入してしまった

   庄野潤三という人と出会ったのは私の人生の中の大きな僥倖だと思っている。

庄野さんが書いた本との出会いのおかげで、私は社会生活と家庭生活の中で何とか精神のぐらつきを支えてもらってこれまで生きてこられたような気がする。

§ 庄野潤三さんはどういう作家だったか 2009922日配信 毎日新聞の訃報から

「静物」や「夕べの雲」など日常生活を静かな筆致で描き、「第三の新人」を代表する一人として活躍した作家。

1955年、平凡な暮らしにひそむ危機をとらえた「プールサイド小景」で芥川賞受賞。

詩情豊かに生活の細部を描いて、安岡章太郎氏や吉行淳之介、遠藤周作らとともに「第三の新人」と呼ばれた。

夫婦の亀裂を描いた「静物」(60年、新潮社文学賞)は戦後文学の名作に数えられる。その後も「夕べの雲」(65年、読売文学賞)、

「絵合せ」(71年、野間文芸賞)、「明夫と良二」(72年、毎日出版文化賞)など人生の機微を追求する家庭小説を書いた。

一方で「浮き燈台(とうだい)」「流れ藻」など見聞に基づいてストーリーを構成した作品も好評に迎えられた。

「ガンビア滞在記」(59年)、ロンドン紀行「陽気なクラウン・オフィス・ロウ」(84年)、

脳内出血後の記録「世をへだてて」など、随想にも秀作が多い。

90年代後半からは自身の日常生活を題材に「貝がらと海の音」「庭のつるばら」などを主要文芸誌に書き継ぎ、健在ぶりを示した。

それは06年3月刊行の「星に願いを」に至っている。

「庄野潤三全集」(全10巻・講談社)がある。

§ どういうような小説か

◎例えば「ザボンの花」

舞台は昭和三〇年代初頭の東京の郊外、小田急生田駅近くの丘陵地に建つポツンと一軒家。あたりは麦畑や雑木林が広がっている。

その家には数年前に大阪から越して来た若い夫婦と三人の子ども、そして一匹の犬が暮らしている。

そんな一家の日常生活スケッチがこの本の内容だ。

大阪から東京に引越した著者一家がどんなふうにして暮らしているかを、大阪のお母さんに知らせるつもりで書いたという。

山中に住むようになった家族の日常生活のあれこれ、子供たちそれぞれの学校の友達のエピソード、地元のお百姓との付き合いや買い物の店の事。

文章はたんたんとして特に山場もない。

◎大阪の兄から送られた庭木の話、庭に植えた植栽の育っていく経過の話、小田原に住む長女からくる毎年の誕生日祝いの手紙の内容、宝塚歌劇の観劇の話、

大阪にある両親・縁者の墓参りの話、

その折に泊まるグランドホテルと中にある竹葉亭で鰻を食べる話、友人とのたまの飲み会の話、奥さんと二人で食後に奥さんのピアノ演奏で合唱する話、

子供たちが森にしかける鳥のワナの話などが繰り返し繰り返し出てくる。

 

◎須賀敦子さんという人が『夕べの雲』をイタリア語に訳している。『夕べの雲』を訳した理由をこのように語っている:(中井教授の著作から引用)

「この小説は読んで以来ずっと私の頭を離れなかったし、読んだ時すぐにこの本をイタリア語に訳せたらと思った。この中には、日本の、ほんとうに一断面がある。

それは写真にも、映画にも表せない、日本のかおりのようなものであり、ほんとうであるがゆえに、日本だけでなく、世界中、どこでも理解する普遍性をもっている。」

神戸大学医学部名誉教授中井久夫さん(文化功労者)は、その著でこう述べている。

庄野潤三の日本語は明瞭で、骨格があり、肌がきめこまかく膩(あぶら)がのって、気品とユーモアがある。

(中略)庄野が身辺を描いてなお私小説というラベルを拒むのは須賀さんのエッセイと同じ理由ではないか。

主人公は決して自己主張せず、むしろ状況を照らしだす。それが須賀さんに翻訳への心躍りをさせた力の一つだったのではないか。

§ 簡単な経歴

大正10年生まれ 平成21年死去 享年 88

1921-2009)大阪(住吉区帝塚山)生れ。大阪外国語学校英語科を経て九州帝国大学法文学部卒。海軍に入隊後少尉に任官。米軍上陸に備え砲台を建設する。

戦後府立今宮中学校教諭、朝日放送本社に勤務し昭和28年東京支社に転勤。当初練馬区に住む。昭和364月、神奈川県川崎市生田に転居。

長女夏子は生田中学校2年に、長男龍也は生田小学校4年に転入。次男和也は西生田幼稚園に入園。それ以来亡くなるまで48年間生田の家で暮らした。

 § 何故好きになりずっと読み続けているのか

彼の本を読むと心が落ち着く。こういう生き方が実際にあるんだと知った。

自分の会社生活や母と同居が始まった家族生活の日々の軋轢や悩みが何となく客観視できて心の持ち方が変わるような気がした。

自分がつきあっている人のどんな方々より親しい一家が出来て、その日々の経過や変化を読むのが楽しい。

3人のお子さんの学校生活のさまざまなエピソードと、学校を終えて就職・結婚し孫が生まれてそんな暮らしをしていることも彼の小説で全部知っている。

彼は周囲の人を全員好ましい人として遇し、暖かく描いている。読むだけで気持ちがほっこりする。現実ではないかも知れないがあらまほしき世界だ。

人の眼や世間の評価を気にしない人生を送り、ごく身近な題材ながらその狭い世界を常に好奇心を持って虫の眼と鳥の目を持って生活をしている。

 だから、庄野さんの生きている姿や流儀に憧れを持った 

§ 庄野さんの作品が持つ深みはどこから来たか

結婚生活が始まって間もなく、長女が赤子のときに奥さんが服毒自殺を図ったようだ。幸い発見が早く死に至らなかった⇒作品「静物」。

それがあってからの庄野さんの生き方は変わり、それに伴って作品も変わって行ったように思う。家族を大切にし、付き合う人びとを慈しんで生きた。

自身の戦争体験を底に秘め 戦後の世の中に生きた一家の日々の普通の生活の積み重ねを細部をゆるがせにせず描き続けた。

 平凡に生きる生活の中にも深みはある。

§ 自分の人生や生活と真逆の人生や生活

◎同じ場所同じ家に48年間ずっと住んだ庄野さん

  生まれてから19回の転居を重ね、社会人になってからも6回住む家が変わった自分

◎家族の扇の要を自然体でやり妻と三人の子らと常に話をし、交流し家族の中心にいた庄野さん

  母子家庭で育ったような生活の自分は父親との関係は薄かった。進学先も就職先も一人で決めたほどだ。

§ 庄野潤三の交友関係

 伊東静雄、島尾敏雄、佐藤春夫、三好達治、阪田寛夫、吉行淳之介、安岡章太郎、井伏鱒二、河上徹太郎、実兄の庄野英二

同じ帝塚山学院の同級生である芥川賞作家の阪田寛夫の次女は宝塚スターだった大浦みずきだが、

彼女の芸名は庄野潤三が名付け親で、ずっと一家で大浦みずきを応援していた。了

    これまで読んできた難波や梅田などの古本屋巡りもして集めた庄野さんの本。

2018年2月神戸から東京都江戸川区への引っ越しに伴い保管スペースがなく少数を残して断捨離した。

 記録のため書影を撮影。

庄野潤三と村上春樹の庄野批判を書いた興味深いブログ⇒こちら。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

06月09日に目に留まったSNS・メディアの記事

2024年06月10日 | SNS・既存メディアからの引用記事

いずれも画像をクリックすると本文全文に飛びます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東日本大震災が起こった翌年の [ 2012年05月10日(木)の阿智胡地亭の非日乗ブログ ] 再掲載。

2024年06月10日 | 東日本大震災ブログ
2012年05月10日(木)
 
東電新社長 値上げ、再稼働 は従来路線変えず
 
東電新社長 値上げ、再稼働 譲らず
2012年5月9日 東京新聞朝刊

記者会見する東京電力の広瀬直己次期社長=8日、東京都千代田区内幸町の同本店で(坂本亜由理撮影)


 東京電力は八日、広瀬直己常務(59)が社長に、原子力損害賠償支援機構運営委員長の下河辺和彦氏(64)が会長に就く人事の内定を発表した。記者会見した広瀬氏は「身を切る合理化努力と値上げの必要性をしっかり説明し理解を求めていく」と話し、家庭向け電気料金の値上げに意欲を表明。原発の再稼働にも前向きな姿勢を示した。ただ、値上げと再稼働への反発は強く、両氏は困難な経営のかじ取りを迫られる。

 東電は今後の経営体制などを示す「総合特別事業計画」に七月から家庭向け電気料金の10%程度の値上げを盛り込んだ。ただ、四月から始まった企業向けの電気料金では、説明不足で値上げに同意しない企業が続出。家庭向けの値上げでも反発が起きるのは必至だ。

 広瀬氏は二〇一三年度中の柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に関しては「地元の意見を最大限尊重し、新潟県が求めている福島事故の検証をしっかりやる。正面から取り組み再稼働につなげたい」と話した。

 東電は七月にも一兆円の公的資金の資本注入を受け、国有化される見通し。国の再稼働に対する方針が定まらない中では原発再稼働は容易ではない。

 広瀬氏は昨年三月の東日本大震災以降、原発事故の被災者への賠償を担当してきた。東電内には社長就任について「誠実な姿勢が評価された」との見方もあるが、会見で広瀬氏は社長に選ばれた理由について「正直、よく分からない」と述べるにとどめた。

 広瀬氏は経営の最優先課題として「確実な賠償」を掲げた。しかし、多くの被災者から賠償の遅れを批判されており、社長就任で賠償が急速に進むとは考えにくい。

 一方、下河辺氏は会長、社長人事の内定の発表に先立ち、枝野幸男経済産業相に人事を報告。会談後、枝野氏は「これで事業計画の実施体制の骨格が固まった。早急に判断したい」と話し、九日にも事業計画を認定する考えを示した。
2012年5月10日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4804/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
原子力委員会事務局が時間稼ぎの手に出ている
 
核燃サイクル 再処理中断案を提示 政策判断先送りも
2012年5月8日 東京新聞夕刊

 原発の使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」政策の見直しをめぐり、国の原子力委員会事務局は八日、政策の判断を先送りしたり、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の操業を一時中断したりする「留保」の考え方を同委員会の小委員会に示した。

 東京電力福島第一原発事故を受け、今後の原発の稼働状況や高速増殖炉開発が不透明となったため。留保の期間などについて、委員からさまざまな意見が出たため、次回も議論を続けることにした。

 小委員会は使用済み燃料を全量再処理する方法や、再処理せず地中廃棄する方法、その中間案を検討しており、「留保」はこうした選択肢の決定自体を先送りする考え。

 事務局案によると、先送りの場合、六ケ所再処理工場では試験規模の運転にとどめ、技術的な問題の有無や、取り出したプルトニウムを各地の原発で燃料として使用できる見通しがあるかどうかを確認した上で、サイクル政策を決めるとしている。

 一時中断の場合は、先送りと同様の確認ができるまでの間、再処理を中断し、高レベル廃棄物のガラス固化試験だけを実施する。

 小委員会は、これまで公表してきた将来の原発依存度が35%、20%、0%の場合の再処理や地中廃棄の費用の試算に加え、原発の稼働年数を四十年とし新増設しない場合の15%を想定した試算も公表した。

 二〇三〇年までに発生した使用済み燃料を全量再処理する総事業費は一四・四兆円、地中廃棄では一〇・九兆~一一・六兆円となり、依存度35%、20%と同様、再処理より地中廃棄が安くなった。

☆風向きが変わるのを待つ。それでも予算の全額カットはないので関連組織は維持できる、というヨミだろう。
2012年5月10日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4802/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
地方の自主性が保証されていないので、震災復興が中央官庁の利権に浸食されている
 
災害時、政令市に権限を 仙台市長が法改正を提言へ
河北新報 2012年05月09日水曜日

 奥山恵美子仙台市長は8日の定例記者会見で、東日本大震災の教訓を踏まえ、災害対策基本法と災害救助法に大都市の役割を位置付けるよう求め、指定都市市長会で法改正の必要性を提言する考えを示した。

 熊本市で15日に開かれる同市長会で、改正の論点を整理した原案を提示する。遅くとも7月下旬の次回市長会までに、国への意見書などの形でまとめたい考えだ。

 両法では政令市は市町村と同じ位置付けで、県との調整が必要になる。震災では市の人的・物的資源を仮設住宅整備や他都市からの支援受け入れなどに十分生かすことができず、課題を残した。

 奥山市長は(1)両法で大都市が果たすべき役割を明確化する(2)災害救助の費用を都道府県を通さずに国が直接交付する-といった制度、財源両面の改善が不可欠との認識を示した。

市長はまた、国主導で進む災害対策基本法の改正論議について「中央集権的な議論の場だけで見直されることに強い懸念を抱く」と強調した。「大都市の役割を明記することで県は大都市以外に多くの力を注げる。市町村にも十分にプラスになる」とも述べた。

 奥山市長は、指定都市市長会の災害復興部会長を務めている。
2012年5月10日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4807/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
「福島原発の廃炉担当省庁は経産省以外にしろ」 福島県知事
 
佐藤知事、廃炉の工程管理は「経産省以外で」
(2012年5月8日 福島民友ニュース)

 佐藤雄平知事は7日、県災害対策本部会議で、原発再稼働を推進する経済産業省資源エネルギー庁が東京電力福島第1原発1~4号機の廃炉工程表を管理していることについて「(経産省から分離、再編される)原子力安全・保安院に担ってほしい」と注文を付け、工程表の進行管理は経産省の所管から外すべきという見解を示した。

 会議には、廃炉の工程を説明するために資源エネ庁の担当者が初めて出席した。佐藤知事は担当者に対し「(廃炉に向けては)安全が求められる。資源エネ庁は原子力を推進する立場で(工程表を管理するのは)理解しにくい」と指摘。

また、担当者が廃炉に向けた安全性の確認は保安院と連携すると説明したことについて、「連携は非常に疑問に思っている。だからこのような指摘をしている」と苦言を呈した。

☆廃炉工事は超長期に渡る。そして工事の発注や金額は業者と所管官庁との下打ち合わせによる官主導談合になるだろう。発注権に伴う利権を、経産省が他省に渡すとは思えない。
2012年5月10日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4806/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
原子力ムラの拠り所の原発九基
 
再稼働狙う候補9基
2012年5月5日 東京新聞朝刊


 巨大津波が怖い太平洋側ではなく、格納容器の容量が大きい加圧水型軽水炉(PWR)で、運転年数が比較的少ない原発-。

 政府や電力会社が、再稼働を狙う原発のキーワードだ。しかし、事故時に前線基地となる免震施設や、ベント(排気)を迫られても放射性物質の放出を最小限にするフィルターの設置など重大事故が起きることを想定した対策はどこも十分には進んでいない。

 政府が再稼働の候補にしそうなのは、関西電力大飯3、4号機(福井県)のほか、高浜3、4号機(同)、四国電力伊方3号機(愛媛県)、九州電力玄海3、4号機(佐賀県)、川内1、2号機(鹿児島県)の九基。

 免震施設は、伊方で昨年十二月に運用を始めたが、ほかの原発は未設置。関電は「三、四年後に完成」、九州電力は「必要性は分かるが…」と完成時期さえ示さなかった。

 フィルターの検討状況も各社に聞いたが、判で押したように「検討中だが時期は未定」の回答ばかり。

 原子炉の熱は最終的には海に流す必要があり、その心臓部が海水ポンプ。これを守る防潮堤も重要だが、各社とも完成目標は一、二年後だ。

 こんな状況でも、電力各社は、再稼働を目指す考え。政府は時間のかかる対策は、期限付きで工程表に盛り込めば、再稼働を容認する方針だ。
2012年5月10日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4803/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
福島県川俣町 渡辺はま子さんの遺族が東電を提訴。
 
難続き自殺 東電提訴へ 川俣の遺族賠償請求
2012年05月09日水曜日 河北新報

 福島第1原発事故で避難し、自殺した福島県川俣町山木屋の養鶏場従業員渡辺はま子さん=当時(58)=の夫で無職幹夫さん(61)ら遺族4人が、東京電力に5190万円の損害賠償を求める訴えを18日に福島地裁に起こす。福島原発被害弁護団によると、原発事故関連の自殺者の遺族が東電に賠償請求訴訟を提起するのは初めて。

 訴えによると、はま子さんは昨年7月1日早朝、自宅近くのごみ焼き場でガソリンをかぶり、火を付けて自殺した。

 はま子さんは原発事故4日後の昨年3月15日、家族と共に福島市の親戚宅に身を寄せ、翌日から5日間、福島県磐梯町の町民体育館に避難した。その後、自宅に戻ったが、山木屋地区が計画的避難区域に指定され、6月12日に福島市のアパートに引っ越した。自宅には自殺前日に一時帰宅で戻っていた。

 避難生活は気詰まりがしてストレスがたまったという。長男(37)らと離れて暮らさざるを得ず、精神的に衰弱して睡眠障害に陥った。勤め先の養鶏場も閉鎖され、職を失った。遺書はなかったが、不自由な避難生活で心的負担が増してうつ病になり、自殺を選択したとしている。

 遺族側は損害賠償を求める通知書を東電に出した。東電は「自死に至った詳細な経緯が確認できない」として回答を留保したため、提訴に踏み切る。

 東電は「当社として承知しておらず、コメントは差し控える」と話している。
2012年5月10日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4805/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
「福島原発事故の責任をただす!告訴宣言」
 
 福島原発事故から1年を過ぎた今なお、事故は全く収束せず被害は拡大の一途をたどっています。美しい自然と豊かな生命をたたえたふるさと、何ものにも代え難い共同体を失った私たちは、地域社会の分断という重荷を背負い、いつ終わるともしれない苦難の中にいます。

 福島原発事故は、すでに日本の歴史上最大の企業犯罪となり、福島をはじめとする人々の生命・健康・財産に重大な被害を及ぼしました。原発に近い浜通りでは、原発事故のため救出活動ができないまま津波で亡くなった人、病院や福祉施設から避難する途中で亡くなった人、農業が壊滅し、悲観してみずから命を絶った農民がいます。

 このような事態を招いた責任は、「政・官・財・学・報」によって構成された腐敗と無責任の構造の中にあります。とりわけ、原発の危険を訴える市民の声を黙殺し、安全対策を全くしないまま、未曾有の事故が起きてなお「想定外の津波」のせいにして責任を逃れようとする東京電力、形だけのおざなりな「安全」審査で電力会社の無責任体制に加担してきた政府、そして住民の苦悩にまともに向き合わずに健康被害を過小評価し、被害者の自己責任に転嫁しようと動いている学者たちの責任は重大です。

それにもかかわらず、政府も東京電力も、根拠なく「安全」を吹聴した学者たちも誰一人処罰されるどころか捜査すら始まる気配がありません。日本が本当に法治国家かどうか、多くの人々が疑いを抱いています。

 生命や財産、日常生活、そして「健康で文化的な最低限度の生活」さえ奪われた今、すべての人々がそれを奪った者への怒りを込めて、彼らの責任を追及し、その罪を認めさせなければなりません。そのために、最も深刻な被害を受けている福島でまず私たちが立ち上がり、行動しなければなりません。告訴団を結成した理由もここにあります。

 私たちは、彼らに対する告訴を福島地検で行うことを決めました。自分たちも放射能汚染の中で被曝を強要されながら存在しなければならない矛盾、逃れられない厳しい現実を背負う福島の検察官こそ、被害者のひとりとして、子どもを持つ親として、この事故に真摯に向き合うべきだと考えるからです。

 私たちは、自分たちのためだけにこの闘いに踏み出すのではありません。日本政府は、あらゆる戦争、あらゆる公害、あらゆる事故や企業犯罪で、ことごとく加害者・企業の側に立ち、最も苦しめられている被害者を切り捨てるための役割を果たしてきました。

私たちの目標は、政府が弱者を守らず切り捨てていくあり方そのものを根源から問うこと、住民を守らない政府や自治体は高い代償を支払わなければならないという前例を作り出すことにあります。そのために私たちは、政府や企業の犯罪に苦しんでいるすべての人たちと連帯し、ともに闘っていきたいと思います。

 この国に生きるひとりひとりが尊敬され、大切にされる新しい価値観を若い人々や子どもたちに残せるように、手を取り合い、立ち向かっていきましょう。

2012.3.16
福島原発告訴団結成集会参加者一同

福島原発告訴団 HP
2012年5月10日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
今日の気になるネット情報 / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4808/
※ブログ
小沢元代表控訴 検察審査会制度の改正が必要
 
【社説】中日新聞  2012年5月10日

小沢元代表控訴 一審尊重の制度改正を

 一審無罪の小沢一郎民主党元代表を検察官役の指定弁護士が控訴するのは疑問だ。そもそも検察が起訴を断念した事件だ。一審無罪なら、その判断を尊重するよう検察審査会制度の改正を求めたい。

 新しい検察審制度で、小沢元代表が強制起訴されたのは、市民が「白か黒かを法廷で決着させたい」という結果だった。政治資金規正法違反の罪に問われたものの、一審判決は「故意や共謀は認められない」と判断している。

 つまり、「白」という決着はすでについているわけだ。検察が起訴する場合でも、一審が無罪なら、基本的に控訴すべきではないという考え方が法曹界にある。国家権力が強大な捜査権限をフルに用いて、有罪を証明できないならば、それ以上の権力行使は抑制するべきだという思想からだ。

 とくに小沢元代表の場合は、特捜検察が一人の政治家を長期間にわたり追い回し、起訴できなかった異様な事件である。ゼネコンからの巨額な闇献金を疑ったためだが、不発に終わった。見立て捜査そのものに政治的意図があったと勘繰られてもやむを得ない。

 小沢元代表はこの三年間、政治活動が実質的に制約を受けている。首相の座の可能性もあったことを考えると、本人ばかりでなく、選挙で支持した有権者の期待も踏みにじられたのと同然だ。

 新制度は従来、検察だけが独占していた起訴権限を市民にも広げる意味があり、評価する。だが、新制度ゆえに未整備な部分もある。検察官役の指定弁護士に一任される控訴判断はその典型例だ。検察でさえ、控訴は高検や最高検の上級庁と協議する。

 指定弁護士の独断で、小沢元代表をいつまでも刑事被告人の扱いにしてよいのか。「看過できない事実誤認」を理由とするが、検察審に提出された検察の捜査報告書などは虚偽の事実が記載されたものだ。どんな具体的な材料で一審判決を覆そうというのか。

 むしろ、「白か黒か」を判定した一審判決を尊重し、それを歯止めとする明文規定を設けるべきだ。最高裁も二月に、控訴審は一審の事実認定によほどの不合理がない限り、一審を尊重すべきだとする判断を示している。むろん被告が一審有罪の場合は、控訴するのは当然の権利だ。

 検察による不起訴、強制起訴による裁判で無罪なのに、「黒」だと際限なく後追いを続ける制度には手直しが急務である。
2012年5月10日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 可視化・検察・警察 / 日本社会の仕組み改良 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4819/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
小沢一郎議員は控訴審で有罪になっても不思議ではない判決(再掲載)
4月30日に掲載したエントリーですが再掲載します。
検察を守るために未来に大きな禍根を残した裁判所の判断

資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反に問われていた民主党の小沢一郎元代表に対し、東京地裁は26日、無罪を言い渡したが、その内容は検察を庇おうとするあまり矛盾に満ちたものとなった。

 また、検察を庇いつつも、「違法捜査による有罪」となる事態を避けるため、事実上犯罪事実を認定しながら、被告がその違法性を認識していなかったという理由のみでこれを無罪とした判決は、判例としても今後の刑事裁判に大きな影響を与える可能性がある。

 そもそも今回の裁判は、検察による虚偽の供述調書に基づいて検察審査会が起訴相当の議決を行っていたことが指摘されたために、裁判そのものの正当性が危ぶまれていた。被告側も裁判の無効を主張したが、判決では、仮に虚偽の調書が作成されていたとしても、それがどの程度検察審査会の議決に影響を与えたかは不明であるとの理由から、裁判そのものは有効と判断された。

 また、この裁判では、小沢氏の元秘書の石川知裕衆院議員に対する供述の強要が行われていたことが、石川氏の録音によって明らかになったため、小沢氏の関与を裏付けるかぎとされていた石川氏の供述の証拠採用を裁判所が却下するなど、検察捜査のあり方にも多くの疑問が呈されていた。判決ではこうした検察の問題に触れながらも、小沢氏の事件への関与は認定し、氏が単にその違法性を認識していなかった可能性があるとの理由から無罪判決を言い渡している。

 刑事裁判では被告ではなく、検察官が裁かれていると考えるのが近代法の大前提と言われる。そのため逮捕権、強制捜査権や公訴権など絶大な権力を持つ検察の捜査に僅かでも不合理な点や違法性があれば、被疑者に対する疑いがどれだけ濃厚であっても、裁判所は無罪を言い渡さなければならないと考えられている。

しかし、この日の判決で東京地裁は検察の捜査の問題点を厳しく指弾しながらも、裁判を有効とした上に、問題のある捜査によって立証されたとされる小沢氏の事件への関与も認定するなど、明らかに近代司法の原則に反する判断が下された。

 また、判決は小沢氏が秘書から虚偽の収支報告を行うとの報告を受け、それを了承していたことを認定しながらも、小沢氏がその違法性や細かい事実関係を把握していなかった可能性があるとの理由から無罪判決を下しているが、これでは犯罪行為を行ったものが、「違法とは知らなかった」と主張し、それが通れば、どんな犯罪でも無罪となってしまう可能性がある。判例としての今後の刑事裁判への影響は大きい。

 なお、石川議員に供述を強要した上に虚偽の供述調書を書き、この日の無罪判決に決定的な影響を与えたと見られる東京地検特捜部の田代政弘元検事に対し、検察は起訴を見送る方針であることが18日までに報道されている。田代氏は虚偽有印公文書作成容疑で告発されていた。

 今回の無罪判決の意味とその影響を、ジャーナリストの神保哲生と社会学者宮台真司が議論した。

動画はこちらから。

☆なんか釈然としない小沢判決。この分析を読んでそうかと胸に落ちた。

人事権を持つ司法村の最高権力者の顔を見上げるしかない担当裁判官たちが、矛盾だらけの判決文を作ってしまったようだ。

今や、検察はメディアの記事や世論調査を使って、控訴するための世論作りに必死のようにも見える。

検察当局も判断が難しい局面に追い込まれているのは間違いない。

それは国会議員136名が衆参両院議長に対して「検察審査会の実態調査を目的とする法務委員会秘密会の開催について」の要請を行っているなど、控訴した場合は「検察審査会」そのものを、三権の一つ立法権のもとに、「くにたみ」の代表である選挙によって選ばれた国会議員の調査を受けることになる可能性もある。

いずれにせよ本件は、いったん無理筋を作ってしまうと、ウソにウソを重ねていくしかないという典型的な例なのではないだろうか。

役所の掟:先輩官吏がやったことが例え誤謬であっても、後輩は先輩を立てて守り、先輩の顔を決してつぶしてはならない。

司法ムラの掟は菱の紋の世界よりも厳しいと聞く。

陸山会事件 控訴審へ 指定弁護士「無罪覆す自信」
2012年5月10日 東京新聞朝刊

記者会見する指定弁護士の(左から)村本道夫氏、大室俊三氏、山本健一氏=9日、東京・霞が関の司法記者クラブで(河口貞史撮影)

資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反の罪で強制起訴された小沢一郎民主党元代表(69)を無罪とした東京地裁判決を不服として、検察官役の指定弁護士は九日午後、東京高裁に控訴した。指定弁護士は「判決には看過しがたい事実誤認がある。無罪を覆せる相当程度の自信がある」と理由を説明。

小沢元代表の弁護団は「あれだけ審理をして無罪になったのに、さらに被告として裁判を続けることに違和感がある」と批判した。 

 元代表の裁判は、高裁で継続されることになり、政界での復権に影響しそうだ。控訴は指定弁護士三人一致の意見で、控訴審も三人で担当する。

 指定弁護士は東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、主任格の大室俊三弁護士は「判決は共謀が認められないとして無罪にした。証拠に照らしておかしい」と述べ、事実誤認があったと主張。

「既存の証拠でも判決の誤りは十分に指摘できる」と新証拠がなくても控訴審で有罪判決を得られる自信を見せつつ、必要に応じて補充捜査する考えも示した。控訴に伴う政治的な影響は「全く考えなかった。政治的圧力も私には無かった」と語った。

 小沢元代表の弁護団も会見し、主任弁護人の弘中惇一郎弁護士は「控訴審で新しい証拠が出るとは思えない。被告の政治的影響を全く無視した控訴なら問題。立場や影響を十分考慮すべきだ」と指摘。さらに「一審で無罪になった方をあえて引き続き被告という人権が侵害された場に置くというのは相当な理由が必要だ」と批判した。

 四月二十六日の地裁判決は、元代表が元秘書石川知裕衆院議員(38)から、土地取得を二〇〇五年に先送りして〇四年分の収支報告書に記載しない方針について報告を受け、了承したと認定した。

 しかし、石川議員が所有権移転の先送りに失敗したため元代表の叱責(しっせき)を恐れ、〇四年分の収支報告書に記載しなければ虚偽記入になることを報告しなかった可能性を指摘。「元代表に違法性の認識や故意があったとするには立証が不十分で、共謀を認めることはできない」とした。

 一方、一審では元特捜検事による虚偽捜査報告書問題が明らかになり、判決は特捜部の捜査を厳しく批判。弁護団は、この報告書が検察審査会の起訴議決を誘導した可能性があるとして公訴棄却を求めていた。
2012年5月10日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
今日の気になるネット情報 / 可視化・検察・警察 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4809/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
管理者が承認するまで表示されません
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

下総の国の住人Kさん夫妻の韓国ソウルの旅  その1/全4回    「民俗村で冬冬酒(ドンドンチュ)」

2024年06月09日 | 下総の国の住人Kさんの寄稿アルバム集

1966年4月に伊予の国新居浜の工場独身寮で初めて顔を合わせて以来の長い付き合いになる友人Kさんからソウル旅行の多彩な写真付きメールが届きました。

 Kさんは千葉県印旛郡栄町で生まれ育った生粋の下総人です。

Kさんは長く新居浜勤務でしたが、新居浜勤務を経て大阪勤務だった阿智胡地亭と東京の神田事務所にそれぞれが転勤になりまた顔を合わせるようになりました。

 Kさんのメール⇒「5年ぶりの海外旅行、8年ぶりのソウルへの旅を楽しみました。

目的は鉄原地区へのDMZツアー、民俗村で冬冬酒を飲む、青瓦台見学、広蔵市場で牛生肉を食べること。

 

ついた日の夕食はワタリガニの醤油漬(カンジャンケジャン)の店へ、小さな店だがほぼ満席だった。

翌朝はホテルを出て1909年から1936年に建築され現在も使用されている建物の写真を撮りながら干し鱈スープの店へ。

干し鱈スープは二日酔いに効くと言われる韓国料理で初めて食べた。胃に染み渡る。

古い建造物は旧明治座(1936年)/現明洞芸術劇場、丁子屋百貨店(1921年)/ロッテヤングプラザ、

京城電気本社(1928年)/韓国電力公社、朝鮮商業銀行(1909年)/ウリ銀行鐘路支店、京城府民館(1935年)

/ソウル市議会を見た。ソウル市内には他にも10棟くらいの古い建物が残されかつ使われている。

 明治座

丁子屋百貨店

京城電気本社

 朝鮮商業銀行

京城府民館

地下鉄で江南へ移動してバスで1時間ほどの水原の韓国民俗村へ。ソウル市内、高速道路もバス専用レーン

があるので渋滞知らず。パスポートを提示してシニア割引で入場できた。

ちょうど遠足シーズンで幼稚園児、小中学生の団体で村内は賑やかだった。

  1986年冬に知り合いから世界三大銘酒の一つという冬冬酒(ドンドンチュ)を進められここを訪れている。

昔からのドブロクの上澄みで伝統文化継承の目的で国立機関の民俗村だけで製造が認可されている酒だ。

今まで3回訪れているが前回は時間なくて飲めなかったのでもう一度飲みたくて訪れた。

村の奥の食堂市場で新緑、青空のもとネギ入り海鮮チヂミをあてにドンドンチュ、最高だった。

ゆっくりと民族、文化を再現した施設を見ながら公演場へ、民族衣装を着た演技が始まった。

まだ舞台に立てない若者団員が脇で声援を送りながら写真撮影に応じてくれた。

 民俗村にて

ソウル市内の戻り南大門市場へ、タチウオ横丁で名物タチウオの煮付けを食べた。

見た目は真っ赤だが全然辛くはない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

06月08日に目に留まったSNS・メディアの記事

2024年06月09日 | SNS・既存メディアからの引用記事

いずれも画像をクリックすると本文全文に飛びます。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東日本大震災が起こった翌年の [ 2012年05月09日(水)の阿智胡地亭の非日乗ブログ ] 再掲載。

2024年06月09日 | 東日本大震災ブログ
2012年05月09日(水)
 
人間の尊厳を踏みにじる。原発が事故を起こしたら。  南相馬市の高橋さんの言葉
 
子供たちを守りこの場所で生きていく

一部引用・・

また最近、私たちの仲間の、避難先での振る舞いに対する苦言を多方面からいただき心を痛めています。

自暴自棄になっているところにお金をもらっているがために、なおさら自分を見失っている。

その人たちがいろんな言動や振る舞いをすることで、どんどん地域の評判が落ちているのも事実です。

今、私たちがやらなければならないことのひとつはこの人間復興です。若者たちはこの点でも様々な取り組みを行っています。

 でも少し考えてみてください。あの時はみんな、バッグと携帯電話を握りしめて逃げたのです。避難なんてゆっくりしたものではなく、本当に逃げたのです。危ないから逃げた。すぐに戻ってくることができると思って。

 時間が経ち、もう帰ることができないのではないかという現実と直面した時、私たちは物事を考える力を失いました。

あるのは怒りだけ。補償金はそれをなだめるために渡されたお金、それは、家や家族、故郷を失った人にとっては、ある意味、見たくもないお金という一面を持っているのです。

だから使っちゃえと思う。お金をもらって喜んでいるわけではなく、お金が憎くてしかたがないのです。

敵(かたき)から「食えないんだろ」と渡されるお金。そのお金を建設的に使えると思いますか?

絶望と屈辱感、やり場のない怒りがいろんな言動に表れてしまっている人もいます。

 だからといって、そうしたお金の使い方や言動が許されるわけではありません。

 私自身もお金は渡されましたけど、その時はすごく悔しかった。おまけに「仮払い」だと言われる。領収書も出せと言われる。

そんなバカなことがありますか。甘えるなと言われるかもしれません。でもあれから1年経っても全く感情が収まらないのです。

全文はこちら
2012年5月9日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
今日の気になるネット情報 / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4690/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
電力需給中長期展望なく再稼働混迷 政府、原発の必要性示しきれず

(2012年5月6日午前9時34分)福井新聞
 
再稼働をめぐり地元でも関西でも反対、不安の声が強い理由の一つは、4月を予定していた原子力規制庁の発足の遅れにある。設置のための法案が国会に提出されているが、組織の独立性などをめぐる与野党の対立で審議すら始まっていない。

 規制組織が十分機能しない現状での国の再稼働要請に対し、福井県おおい町での住民説明会では「拙速」との批判を招き、京都、滋賀両府県知事の7項目の提言でも規制庁の早期設置を求めている。西川知事も規制庁設置までは「原子力安全委と保安院がしっかり原子力の安全に取り組んでもらわないと地元としては困る」と苦言を呈している。

 安全性とは別に「必要性」についても、政府は十分に説明し切れていない。今夏「非常に厳しいレベルの電力不足に直面する」(牧野聖修経済産業副大臣)はずの関西が、節電や計画停電を心配する以前に、需給見通しに疑問を呈するという構図だ。

 先の説明会でおおい町の女性は「立地地域が悪いように言われている」と語り、原発の電力を消費してきながら再稼働に反発する関西への不満をあらわにした。

 さらに、短期的な需給にとどまらず、中長期的にどの程度の電力を原子力でまかなうか、政府の方向性が定まっていないことで、議論は拡散。再稼働の必要性をどこに見いだすか、国と福井県の認識はずれている。関西圏の主張も、再稼働問題と将来の脱原発依存が混線している。

 政府は「やや短期の大飯3、4号機の稼働と、長期の脱原発依存の話は少しフェーズ(局面)が違う」(今井尚哉資源エネルギー庁次長)との考え。一方で、夏をめどに進めるエネルギー基本計画見直しでは、2030年の発電電力量に占める原子力の割合をめぐり議論百出で、着地点は見えていない。

 県は将来的な産業やエネルギーの基本にかかわる問題としてとらえるべきだとの姿勢。地元に協力を求めた政府自らが再稼働の必要性を説明しきれず腰砕けになり「はしごを外されかねない」とも警戒する。先の枝野経産相との会談で西川知事は「ぶれることなく国民の理解を得るよう努めていただきたい」とくぎを刺した。
2012年5月9日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4800/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
再稼働への関西理解は取れない 
 
再稼働への関西理解、行き詰まり 政府との議論は平行線

(2012年5月8日午前7時40分)福井新聞

大飯3、4号機再稼働に対する関西の主な動き

関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に慎重な姿勢を崩さない関西圏。再稼働への理解を得るよう福井県から努力を求められた政府は1日、京都府と滋賀県に新たな安全基準や再稼働の必要性を再度説明したが、議論は平行線をたどり「デッドロック(行き詰まり)」(山田啓二京都府知事)は続く。政府は今後も説明を続ける構えだが、局面打開の兆しは見えないままだ。(西脇和宏)

 ■素人のやりとり

 「最終的な(再稼働の)基準にどうして原子力安全委員会が関与しないのか」。1日の再説明で京都府側は、再稼働に対する原子力安全委の関与を強く意識していた。

 再説明に先立つ4月27日、山田知事は記者会見で「素人の大臣や副大臣が『安全です』というのは違和感があるし、無理がある。素人同士のやりとりでは行き詰まってしまう」と指摘。原子力安全委による安全性確認を求めた。

 政府は1日の再説明で「安全基準の基礎となる緊急対策、ストレステスト(安全評価)、30項目(の安全対策)は専門家が議論し、原子力安全委員会へも報告し確認している」との説明に終始。同委員会にあらためて意見を求めることは否定した。しかし、府側は2次評価の実施も含め、不安をぬぐうには同委員会の新たな見解が必要―と納得していない。

 政府が前回、設置を検討するとした事故時の対策拠点「オフサイトセンター」の位置付けをめぐっても、1日の「必ずしも箱物というものではない」との政府の説明に、府側は「トーンが落ちた印象」と批判した。

 ■問われる覚悟

 京都、滋賀両府県はともに、独自に原発の安全性を判断しようと専門家による組織を設け、会合を開いた。

 滋賀県が設置した原子力防災専門委員会の1日の初会合では、石橋克彦神戸大名誉教授(地震学)が「断層型の地震でも大きな津波は起こり得る。(大飯原発のような)入り組んだ地形だと跳ね返って津波が高まる可能性は十分ある」と指摘。政府の安全基準では不十分で、原発の設計そのものを見直すべきだと主張した。

 ほかにも「過酷事故が起きた場合の住民避難の実効性が見えてこない」「地域防災計画が機能することを確認しないと、再稼働は難しいのではないか」と防災体制の面から早期の再稼働に疑問を投げる意見も出た。

 政府は京都府から“宿題”を持ち帰った形で「速やかに整理して何回でもお伺いしたい」という状態。滋賀県も「政府はいささか拙速と思われる対応。県として一定の見解をまとめたい」(嘉田由紀子知事)として、委員会を今後も複数回開く見通しだ。

 また、大阪府と大阪市の府市統合本部エネルギー戦略会議は、今夏の電力需給の検証中。原発が再稼働しなければ2010年夏並みの猛暑だった場合、一定の節電をしても16・3%の供給不足になるとの関電の説明に対し、早急に電力需給計画を練り直すよう要求。関電は5月中旬をめどに見直し案を提示する予定だ。

 西川知事は4月24日の記者会見で「政府がしっかり説明して物事を収めることが大事」と述べ、政府が責任を持って対応するよう強く求めた。しかし、電力関係者は「京都や滋賀は早期の対応が難しい課題を投げている。このままずるずるいく可能性もある」と漏らし、政府が納得させるのも容易ではない。

 「本来、再稼働と電力需給は関係なかったはずなのに、政府が同じレールに乗せたから、話がおかしくなった」と中堅県議。福井県幹部は「本当に再稼働させたいなら、政府がどこかで腹をくくることも必要だ」と話している。
2012年5月9日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4799/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
毎日新聞の世論調査:大飯原発の再稼働「反対」は63%
 
本社世論調査:大飯原発の再稼働「反対」は63%
毎日新聞 2012年05月08日 

 毎日新聞は5、6の両日、全国世論調査を実施した。定期検査で停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働について「反対」は63%を占め、「賛成」(31%)を大きく上回った。稼働する原発がなくなり、今夏に電気の使用が制限された場合、「我慢できる」と答えた人が74%に達しており、原発再稼働を急ぐ政府に対し、民意の「脱原発依存」志向が強まっている。

 一方、再稼働の要請にあたり、政府が4月にまとめた安全性に関する新たな判断基準について、「信用しない」と答えた人が77%に上った。「信用する」は16%に過ぎず、政府の手続きに対する不信感が、原発再稼働への根強い反対につながっている構図が浮き彫りになった。

 今夏の電力使用制限への意識を地域別にみると、最も電力需給が逼迫(ひっぱく)すると予想される近畿圏で、61%が「我慢できる」と回答。また、昨夏に節電対策に取り組んだ関東圏で79%を占めるなど、他のすべての地域で「我慢できる」が7割を超えている。

.
2012年5月9日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4797/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
大阪府・市エネルギー戦略会議:節電策検討など政府に要望

毎日新聞 2012年05月07日 22時21分

 大阪府・市のエネルギー戦略会議(座長=植田和弘・京大教授)は7日、電力需給問題について話し合う政府の需給検証委員会に対し、節電策を西日本全体で検討することなど3項目を求める申し入れ書を提出した。

 申し入れ書は、最も深刻な電力不足が予想されている関西だけの節電策ではなく、西日本全体の需給を基にした節電策を実施するよう要望。西日本の電力6社(中部、関西、北陸、中国、四国、九州)が連携して安定供給を確保する枠組みを国が主導するよう求めた。

 また、東京電力管内で昨年実施されたような一律なものではなく、企業や市民の負担が大きくならないよう電力需要に合わせて電気料金を上げるなど市場メカニズムを活用した節電策や揚水発電の増強を提案。自家発電の電力を売買する市場を拡充することも求めた。【茶谷亮】
2012年5月9日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4798/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
参院選挙制度改革 具体案作成急ぐ
 
5月7日 4時28分 NHKニュース

 参議院の選挙制度改革を巡って、民主党は、近く、1票の格差の是正策や定数の削減を盛り込んだ具体案を、各会派が参加する協議会に示したいとしており、作成作業を急ぐことにしています。

参議院の選挙制度について、最高裁判所の判決で、1票の格差を是正するよう求められていることを踏まえ、各会派の実務者による協議会では、来年の参議院選挙から是正するためには、今の国会で関係する法案を成立させる必要があるという認識で一致しています。

そして、協議会の座長を務める民主党の一川参議院幹事長は、来月21日の今の国会の会期末まで、およそ1か月半となったことを踏まえ、近く、1票の格差の是正策や定数の削減を盛り込んだ具体案を協議会に示したいとしており、作成作業を急ぐことにしています。

ただ、改革の方向性について、民主党と自民党が、都道府県を単位とした現在の選挙区制を、原則、維持して、1票の格差の是正を優先すべきだとしているのに対し、公明党やみんなの党などは、抜本的な制度改革を主張しており、意見の取りまとめは難航することも予想されます。
.
2012年5月9日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 日本社会の仕組み改良 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4795/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
原子力規制庁法案審議入りをすすめるしかないノダ
 
首相 原子力規制庁法案審議入りを
5月7日 13時36分 NHKニュース

野田総理大臣は民主党の城島国会対策委員長と会談し、原子力規制庁を設置するための法案について、「審議も始まっていないことを危惧している」と述べ、速やかに審議に入るよう指示しました。

この中で、野田総理大臣は原子力規制庁について、「本来は4月1日に発足させる予定だったが、いまだに設置されていない。法案の審議が始まっていないことを危惧している」と述べ、原子力規制庁を設置するための法案の審議に速やかに入るよう指示しました。

これに対して、民主党の城島国会対策委員長は「自民・公明両党と、実務者間での協議を急ぎ、早期の審議入りを呼びかけたい」と述べました。

また、社会保障と税の一体改革に関連する法案について、城島氏は、8日から3日間に分けて衆議院本会議で趣旨説明と質疑を行うことを説明したうえで、今月16日から始まる特別委員会の審議では、最初の2日間、野田総理大臣に出席を求めることになるという見通しを伝え、野田総理大臣も了承しました。
2012年5月9日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4796/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
沖縄県民の望んだ姿か 「復帰40年」問う企画展
 
2012年5月8日 大阪日日新聞

 沖縄が日本へ復帰し今年で40年を迎え、大阪市浪速区のリバティおおさか(大阪人権博物館)で、企画展「沖縄復帰40年 1972年5月15日・沖縄」が開かれている。戦後の沖縄の様子を知ることができる貴重な史料が展示されている。6月3日まで。

 沖縄にある米軍の普天間基地移設問題が一向に好転しない中、現在の状況が沖縄県民の望んだ復帰の姿かどうかを一緒に考えてもらおうと、同博物館が5月15日の復帰の日に先立ち企画した。

 会場は、米軍支配下の沖縄▽関西の復帰運動▽復帰と「密約」▽復帰後の沖縄-の4部で構成。米軍の心理作戦部隊によって沖縄の住民向けに作られたという沖縄の歴史文化を紹介する月刊誌「守礼の光」や、沖縄返還協定にからむ「西山事件」の調査報告書など数多くの貴重な史料が展示されている。

 復帰当日のある新聞には「復帰で沖縄はほんとにすくわれるだろうか。沖縄には日本復帰で平和になりたいという強い強いねがいがある。日本の人々よ、それに答えて沖縄を平和な県にしてほしい」との小学生のコメントも。

 学生時代に沖縄の歴史などを研究していたという神戸市の会社員、深谷智美さん(27)は「関西でも沖縄復帰に関わる動きがあったことに驚いた。もう一度勉強したくなってきた」と話していた。
2012年5月9日 | 記事へ | コメント(1) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 日本社会の仕組み改良 / 世界と日本 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4801/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
沖縄日本復帰40年、沖縄県宜野湾市の高校で基地問題の授業
 
沖縄 復帰と基地について考える授業
5月8日 13時28分 NHKニュース

 沖縄が日本に復帰して今月15日で40年になるのを前に、沖縄県宜野湾市の高校で、復帰やアメリカ軍の基地問題について考える授業が行われました。

この授業は、アメリカ軍普天間基地を抱える宜野湾市にある県立宜野湾高校が、沖縄が日本に復帰するまでの歴史について知ってもらおうと開きました。

全校生徒およそ700人が参加し、沖縄の歴史を研究している沖縄大学の新城俊昭客員教授が、終戦後、アメリカ軍基地が設置された経緯などを紹介しました。

この中で新城教授は、アメリカ軍が強制的に土地を接収して建設した基地もあり、こうした基地建設への反発も復帰運動への弾みになったと説明しました。
最後に新城教授は「基地のない沖縄を目指して復帰運動をしたが、政府は沖縄の気持ちを受け入れなかった。過去を学ぶことは今の現状をどうすべきかにつながるので、しっかりと勉強してほしい」と呼びかけました。

授業のあと3年の男子生徒は「自分たちが、これまでの沖縄の人たちの思いを受け継ぎ、次につなげていかないといけないと感じた」と話していました。
2012年5月9日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 日本社会の仕組み改良 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4794/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小学校の運動会は5月だ。 小学生たちの喧騒を聞き ダンスやリレーの躍動を見るのは楽しい。

2024年06月08日 | 身辺あれこれ

 小学校に通う孫たちはとうとう二人だけになったが 5月のある土曜日 通っている小学校の校庭へ応援に出かけた。

暑さ対策で校庭での家族そろってのお弁当タイムもなく 午前中だけの短縮運動会だけど、

応援団に今年も入って大声を張り上げている孫の姿や小学生たちを見ているとこちらも心が躍る。

去年は長年の伝統を継いで応援団は裸足で活動していたが、都内の小学校の校庭で釘が多く出たので通達が出たらしく

今年は裸足姿は見ることが出来なくて残念だった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【日米メディアの「大谷報道」の決定的な違い】米国紙 大谷番記者を経験・志村朋哉/日本メディアが演出する現地の大谷旋風/米国が評価 大谷翔平の身体能力とデータ野球【PIVOT TALK】

2024年06月08日 | SNS・既存メディアからの引用記事

【日米メディアの「大谷報道」の決定的な違い】米国紙 大谷番記者を経験・志村朋哉/日本メディアが演出する現地の大谷旋風/米国が評価 大谷翔平の身体能力とデータ野球【PIVOT TALK】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

06月07日に目に留まったSNS・メディアの記事

2024年06月08日 | SNS・既存メディアからの引用記事

いずれも画像をクリックすると本文全文に飛びます。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東日本大震災が起こった翌年の [ 2012年05月08日(火)の阿智胡地亭の非日乗ブログ ] 再掲載。

2024年06月08日 | 東日本大震災ブログ
2012年05月08日(火)
 
内田樹の「原発ゼロ元年の年頭にあたり 」

一部引用・・

原発再稼働が国益増大に必須の所以を教えてあげようという人がいたら、私は素直にその言葉に耳を傾けるだろう。

そして、その話に説得力があれば、私は意見を変えるにやぶさかではない。

でも、誰も「そういう話」をしてくれない。

「再稼働反対なんて、バカかお前は」という言い方ばかりされて、さっぱり説得されるチャンスに恵まれないのである。

ごく短期的に見れば、原発再稼働は国益増大にプラスであるように見える。
電力不足も起こらないし、エネルギー安保も担保できるし、企業の海外流出も防げる。ばんばんざいである。
でも、すこし長期的に考えると、原発は国益にマイナスである。
すでに私たちは国土の一部を半永久的に失った。
福島の事故の終熄までにどれほどの国民が苦しみに耐えなければならないのか、どれほど国費を投じなければならないのか、まだわからない。

一説には200兆円という。
使用済み核燃料の処理費用も天文学的な額にのぼる。
これらは「原発のつくりだす電力料金」に加算されるべきものであり、それを考えると、原発は「長期的にはきわめて費用対効果の悪いテクノロジー」だということになる。

だから、原発を「損得」で考える場合に「支払期限」をどこに設定するかで、結論が変わってくる。
「この夏の電力不足は待ったなしだ」とか「このままでは国内の製造業は壊滅する」というようなタイプの「この」という指示形容詞を多用する言説は総じて「短期決算」型の損得に固着している。

その切実さを私は理解できないわけではない。
だが、短期的にはメリットがあるが、長期的にはメリットのない選択肢をリコメンドする人々は「長期的なデメリット」についての言及を忌避する傾向がある。

「私が勧めるこの選択肢は、短期的には利があるが、長期的には利がない。でも、短期で損失を計上した場合、わが社は倒産するので、そもそも『長期的メリット』について語ることさえできなくなるであろう」と会社経営者が言うのは筋が通っている。
そういうルールでゲームをしているからである。

全文はこちら

2012年5月8日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
今日の気になるネット情報 / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4793/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
奇妙な関電・政府の試算
 
画面の2段階クリックで記事は拡大します。
 
 
2012年5月8日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4792/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
政府の需給検証委員会は電力会社申告通りの方向
 
夏の電力 供給増踏み込まず 需給検証委 各社の申告通り
2012年5月8日 東京新聞朝刊

 政府は七日、電力会社の今夏の需給見通しに疑問の声が多いことを受け、申し立てが妥当かどうかを点検する需給検証委員会(委員長・石田勝之内閣府副大臣)の第四回会合を開いた。

 電力各社の想定では、全国で六十六万キロワット(0・4%)の電力が不足するとしているが、検証委の事務局は節電などによって電力の最大需要を抑えれば、猛暑の場合でも全国で0・1%の供給余力が生まれるとの試算を示した。

 検証委事務局は、電力会社の想定に比べ節電で十五万キロワット、大口契約の企業に電気使用を抑えてもらう「随時調整契約」によって七十万キロワットの計八十五万キロワットの需要を減らせると見込んだ。ただ、供給力は夜間の余剰電力でくみ上げた水で発電する揚水発電によって七万キロワットを積み増せると指摘したにとどまり、現時点では電力会社の「言い値」から大きく踏み込んでいない。

 専門家として会合に出席した「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長は、揚水発電や再生可能エネルギーを活用して供給力をさらに増やせると主張している。

 議論を経て検証委は十日にも、今夏の需給見通しの最終報告をまとめる。

 藤村修官房長官は七日午後の記者会見で、来週にも関係閣僚の会合を開き、今夏に家庭や企業に求める節電計画の数値目標を示す考えを述べた。

 今回、検証委事務局は、電力の不足幅が16・3%だと申告していた関西電力に対し、より多くの節電効果などを見込むことで14・9%まで縮小できると指摘した。このほか、北海道、東北、九州の各電力も随時調整契約によって、需要を抑えられると見積もった。

 一方、電力各社は非常時の予備として最低3%の供給余力を確保したい考え。このため事務局の試算でも、北海道と関西、四国、九州の各電力は、夏のピーク時に電力不足に陥る恐れがあると説明している。
2012年5月8日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4791/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
 
電力会社の反対でつぶれたサハリンガスパイプライン計画
 
サハリンガスパイプライン構想、痛恨の挫折
日本経済新聞 編集委員 村田和彦
公開日時(1/3ページ) 2012/5/5

 福島第1原発事故後の原発の稼働停止で、電力各社は発電用天然ガスの確保に血まなこになっている。天然ガスの国際価格は日本勢のなりふりかまわない調達で高騰。夏の需要期には高いお金を払っても数量が確保できるか危ぶまれる状況だ。終わりの見えない混乱が続くなか、痛恨事としてのしかかるのは10年余り前の「サハリンガスパイプライン構想」の挫折だ。

 北海道の真北に位置するロシアのサハリン島一帯は東アジア最大の天然ガス田が眠ることで知られる。ロシアはソビエト連邦時代の1970年代から国際石油資本(メジャー)や日本の商社などと共同で開発を本格化し、トップを切ったサハリン島北東の海底開発プロジェクトはサハリン1(ワン)と呼ばれた。

 コンソーシアム(共同体)は何度かのメンバー変更があったが、最終的に日本政府系のサハリン石油開発協力(SODECO)、伊藤忠商事、丸紅、米エクソンモービルなどが事業にあたった。

 冬には流氷に閉ざされる厳しい自然との闘いになったが、資源探索は相次ぎ成功。天然ガス田は15兆立方フィートと世界有数の埋蔵量を確認、良質の原油も見つかった。ロシアの取り分などを除きコンソーシアムがはじいた天然ガスの日本への供給量は年間約750万トン以上。これは震災前の2010年度に日本が輸入した天然ガスの1割強に相当する。しかも30年以上にわたって供給が可能な見通しで関係者の期待が膨らんだ。

 サハリン1がもう一つ画期的だったのは日本で初めてパイプラインを使って天然ガスを輸入する計画を打ち出した点だ。
 
日本の天然ガス輸入はガスを氷点下162度以下に冷やした液化天然ガス(LNG)を特殊なタンカーで運ぶ方法に頼っている。天然ガスは輸送距離が4000キロ以下ならパイプラインを敷設した方がコストが安く、それ以上ならLNG船で運んだ方が有利といわれる。従来の日本の天然ガスの輸入先はアラスカ、中東などの遠隔地や、多くの国の領海をまたぐためパイプラインの敷設が容易でない場所が大半だった。

 一方、サハリン1から首都圏まではわずか約2000キロ。販売を担当するエクソンモービルは当然パイプラインを選択し事業調査を実施した。2001年6月、都内で記者会見を開いて日本海岸か太平洋岸のいずれかの海底にパイプラインを引いて08年に天然ガスの供給を開始すると発表した。

 しかし、プロジェクトは実現しなかった。最大の需要家と想定していた東京電力をはじめとする電力各社が購入に動かなかったためだ。

 経産省、電力業界は一体となって原子力発電所の建設を推進しており、天然ガスの優先度が低いと考えていたのが理由の一つだ。使用済み核燃料の処理費や廃炉費用などを甘く見積もり「天然ガスの発電コストは原子力の1.2倍」といった試算がまかり通っていた。

 さらに、構想が実現しなかった理由について、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の石井彰・客員上席研究員は当時の電力・ガス市場自由化の議論があると解説する。「パイプラインができれば途中で簡単に支線を引ける。そこに新規参入企業が発電所を造るのを既存の電力会社が嫌った」という。

 実際、米エネルギー大手だったエンロン(その後経営破綻)はサハリンの天然ガスパイプラインから燃料を調達し青森県に大規模な発電所を建設する構想を打ち出していた。

 一方、LNGの場合、特別な船と陸揚げ・貯蔵施設が必要なうえ、輸出国と20~30年の契約を結ぶのが一般的だ。既存の電力・ガス会社が燃料を囲い込むのは容易で新規参入の呼び水になるのを防げる。

震災後、これが電力会社にとって裏目に出た。長期契約中心で設備が限られるLNGはスポット品が少なく、震災後に突然発生した需要に十分対応できない。LNGタンカーの不足も追い打ちをかけた。LNGのスポット(随時契約)価格は震災後に2倍近くに高騰し過去最高値を付ける。

LNGタンカーも世界で不足している

 パイプラインによる調達手段の多様化が進んでいれば、数量の確保に加えLNGの輸入価格の交渉力も強まったはずだ。割高なLNGを減らしてパイプラインからの調達を増やしたり、パイプラインの割安なガス価格を引き合いに交渉したりすることができるためだ。

 サハリン1のパイプライン計画が頓挫した後、東京電力は三井物産や三菱商事が参画するサハリン2プロジェクトの天然ガスをLNGで調達する。日本政府もロシアが計画するウラジオストクのLNG輸出プロジェクトに協力するなど日本勢は輸送距離が短いにもかかわらず、LNGによる天然ガスの調達に傾斜し続けている。

 エクソンモービルは日本向けの販売が行き詰まったあと、中国向けのパイプラインによる販売を模索したが、条件が折り合わず交渉は進展していないもよう。

 JOGMECの石井氏は「エクソンモービルの販売先は再び宙に浮いている。震災による環境の激変を考えれば、日本向けのパイプライン構想が息を吹き返す可能性はある」とみる。

 その場合、業界の利害を優先しがちな電力会社に任せて失敗した前回の経験を生かし、国がエネルギー安全保障の視点に立って国策として事業を進めるのが必須条件になりそうだ。   
 
2012年5月8日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
新聞・テレビ・雑誌から / 東日本大震災・原発 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei/trackback/4790/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする