今日きくのは、アガタ・マリア・ラーツが2021年に録音した「Echo of Bach」(Solo Musica SM 439)から、無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番です。ラーツは1985年、ポーランド生まれのんのヴァイオリン奏者、作曲家(名義はクララ・ジャズ)。アルバムはバッハのパルティータ第2番を中心に、前半にクララ・ジャズとパウル・フォン・ヴェストホフ、そして後半にクサヴィエ・ダイヤーとウジェーヌ・イザイの曲というとても興味深い構成です。
使用楽器はジャン・バプティスト・ヴィヨーム(1844年)のヴァイオリン。プロダクション映像だとヴェストホフはバロック弓での演奏ですが、バッハではモダン弓かもしれません。アルバム劈頭のイントロダクションはピッチカートのシャコンヌ(チャッコーナ)にヴォカリーズというもので、ラーツが言及しているヘルガ・テーネの説(シャコンヌにコラール「キリストは死の縄目につながれたり」が織り込まれている)を想起させます。