今日の昼食休憩は、神秘的で情熱的な「パッサカリア」で、瞑想的にすごします。この「パッサカリア」は、「ロザリオのソナタ」あるいは「ミステリー・ソナタ」と呼ばれる作品集に収められた、無伴奏ヴァイオリンための作品です。「ロザリオのソナタ」は、ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバーによる、ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集で、最後の曲、無伴奏の「パッサカリア」を含めて16曲で構成されています。この、バッハのシャコンヌの先駆的作品とでもいうべき「パッサカリア」を、コルダリアのワルター・レイターの演奏(Signum Records SIGCD021)でききます。なお、バッハがこの作品を知っていたか、ちょっと興味のあるところです。
少し時間ができたので、以前からきこうと思っていた、マラン・マレの「メリトン氏のトンボー」をきくことにします。トンボー(墓)とは追悼曲のことで、メリトン氏のためのものは、ヴィオール曲集第1巻の組曲第2番に収められています。この曲をきこうと思ったのは、「マタイ受難曲」第1曲の「基本楽想はマラン・マレの《メリトン氏のトンボー》からとられている」(『バッハ事典』)ためで、ほんとうは受難節にきく予定だったのですが、いまごろになってしまいました。演奏は、スージー・ナッパーとマーガレット・リトルのガンバ・デュオ、レ・ヴォワ・ユメーヌ(人間の声)です(CBC Records MVCD1082)。