ちょっと時間があいたので、YouTube - Broadcast Yourselfにあげられている気になる動画をまとめて鑑賞しました。知人から「どうなの」と問われたエマニュエル・アイム Emmanuelle Haïm と、ル・コンセール・ダストレエ Le Concert d'Astrée の演奏会で、まず鑑賞したのがアイムと酒井淳によるBWV1029。つぎにリサ・ラーションとル・コンセール・ダストレエとのBWV209です。ほかにも、BWV202、BWV1039などが、同じ演奏会で披露されたようです。
アイムは、ケネス・ギルバートにチェンバロを学び、アンドレ・イゾワールにオルガンを学んだ才媛。クリストフ・ルセやウィリアム・クリスティーのアンサンブルで通奏低音奏者として参加し経験をつんで、いまはみずから結成したル・コンセール・ダストレエと活動しています。知人の「どうなの」も、「美人の女性指揮らしいけど、じっさいの演奏はどうなの」ということらしく、アイムを語るときは、どうしても、「女性」だとか「美人」だとかの形容からはじまってしまいます。もっとも本人は迷惑でしょうが……。
さて、じっさいの演奏ですが、BWV1029にしても、BWV209にしても、とても熱気のあるものでした。アイムはチェンバロやオルガンを弾きつつ、体をおおきくゆすり、表情も豊かに指揮していています。演奏にあたって強い感情表出をもとめているようですが、力みのようなものはあまり感じさせません。ヴィオラ・ダ・ガンバの酒井淳とのBWV1029では、チェンバロ奏者としてのアイムの力量をみることができます。その演奏はしなやかなもので、アイムの集中力の高さを感じさせるものでした。
※ここに掲載していましたYouTubeへのリンクは削除しました。投稿者のアカウントが削除されたためです。
BWV209では、なんといってもアレクシス・コセンコのフルートがみごと。ラーションの歌唱もいいのですが、イタリア語のBWV209よりは、ドイツ語のBWV202(結婚カンタータ)のほうが力みがなく自在な感じで、ラーションにはBWV202のほうが相性がよいようです。相性といえば、アイムのバッハ、世俗的な作品をならべたこの演奏会は、とても楽しいものでしたが、アイムの志向からすると、ヘンデルのほうが相性がよさそうです。なので、希望としてはもっとヘンデルを、という感じです。
※ここに掲載していましたYouTubeへのリンクは削除しました。投稿者のアカウントが削除されたためです。