これからきくのは、エリーゼ・ノイマンのギターによる、ハ短調のリュート組曲(CARPE DIEM CD-16315)です。ノイマンはドイツのギター奏者で、2011年、バリオス国際ギター・コンクールでの最優秀賞など、複数のコンクール受賞歴のあるすぐれた奏者。録音(2017年)でもちいられているのはダニエル・フリーデリヒの1969年製のギターで、深みのある柔らかい響きが楽しめます。
これからきくのはアレッシオ・バックスのピアノによる、「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番」です。バックスは1977年生まれのイタリアのピアノ奏者。この演奏は「Bach Trancribed」(Signum Records SIGCD156)と題されたCDに収録されており、レオポルド・ゴドフスキー(1870年生まれのポーランドのピアノ奏者)の編曲版をもちいています。バックスのピアノはフーガ(第2楽章)やプレスト(第4楽章)など推進力があっておもしろいのですが、ゴドフスキーの編曲もおもしろいですね。アダージョ(第1楽章)でフーガの主題を引用するなど、自由すぎるぐらい。楽譜もすごいです。
これからきくのは、アンドリュー・ランジェルによる「アリアと変奏」(STEINWAY & SONS 30126)です。この変奏曲は感傷的な主題のアリアと10曲の変奏からなっており、「アンドレーアス・バッハ本」に所収。ランジェルは、1948年、シカゴ生まれのピアノ奏者で、バッハの録音も多数あります。ここでの演奏は即興性ゆたかで、とても楽しめるもの。変奏曲が収録されたランジェルの「A Bouquet of Bach」(2018年録音)は、くつろいできける、親しみやすいプログラム構成となっています。
復活節後第1日曜日にきくのは、ヘルムート・リリングたちによるカンタータ「死人の中より甦りしイエス・キリストを覚えよ」(Hänssler Classic CD 98.459)です。録音は1998年なので、リリングのカンタータ全集とはことなる音源ということになります。同カンタータは1724年4月16日に初演されており、歌唱部4声のほか、ホルン、フルート、2部のオーボエ・ダモーレ、2部のヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音という編成です。リリングの指揮のもと歌うのは、インゲボルク・ダンツほか3名の独唱者とゲヒンガー・カントライ。管弦楽はシュトゥットガルト・バッハ・コレギウムが担当しています。