里山 取り組みなし
東十14 阿覧10勝4敗 ○上手投げ●旭南海9勝5敗 西十9
新十両のぼり調子の阿覧(あらん ロシア 185.0cm 139.2kg)
をぐらつかせた旭南海のいなしは強力だったが、阿覧も以外な相撲のうまさもあり、おしくも敗れた。
あす千秋楽、自己最多勝にならぶ10勝目をめざして、突き押し相撲の龍皇と対戦する。
あすの幕下は、6勝1敗、8人による優勝決定戦が行われる。
平成14年の名古屋場所13日目
それまで6勝の古市と旭南海が共に敗れたため
千秋楽に8人によるトーナメントが行われた記録がある。
きのうの名古屋場所13日目
6年ぶりの8人トーナメントが実現するためには、
この日、それまで、6勝の四ツ車と星風が、ともにやぶれることが条件だった。
←今場所前、宿舎で稽古を終えたある日の里山と山本山(つむぎさんのブログより)
そのふたりを破ったのが、ともに尾上部屋の里山と山本山だった。
まず里山が四ツ車をやぶり、十両土俵入りがあって山本山対星風戦でちょっとした異変があった。
この一番に勝てば幕下優勝と来場所の新十両の声もかかるモンゴル出身の星風(西幕下12)は闘志むき出しだった。
立合い、とんでもないタイミングで突っかけた星風が、山本山にひじ打ち。
しかも二度つづけてだからたまらない。
まだ腰もおろしていない山本山のあごをカチあげた。けんかのようだった。
放送席も「これはいけません」
解説の千田川さんも「何を考えているのかわかりませんね」
館内も異様なムードになった。
あからさまな挑発に、しかし山本山は、身動きひとつせずじっと耐えた。えらいぞ山本山、館内のお客様のほとんどが、そう思ったかもしれない。
「あからさまだからイライラしたけど、動じなかった」と山本山。
3度目の立合いで冷静に星風をつかまえ、相手に相撲をとらせず、234キロの巨体を生かして寄り切り、幕下筆頭の貫禄をしめした。
千田川さん「星風は温厚な山本山を怒らせただけだった」
なお、取組後に星風と師匠の尾車親方(元大関琴風)が、審判部を訪れて、立合いの態度について謝罪したという。
審判長を務めた、元横綱、貴乃花親方は「山本山の態度が立派だった」と褒めていたと報じられている。
これで同部屋の里山とともに幕下優勝に望みをつないだ山本山は「スタミナ勝負はキツイ」。
スタミナが切れたら里山の援護があるかも知れない。