奄美 海風blog

写真。植物や本 ネットで映画感想。相撲見てツイート
04年4月~14年11月ブログ人
トップへはタイトルをクリック

『琉球の蝶』―ツマグロヒョウモンの北進と擬態の謎にせまる (単行本)

2010年06月15日 | 本と雑誌

101615_book_ryukyu_no_cho 今、奄美名瀬の赤崎公園で、よく見かける蝶は、ツマグロヒョウモン。

琉球の蝶、ツマグロヒョウモンが、著者の住む名古屋でも普通に見られるようになったのは、ナゼか?地球温暖化のせいか?

←表紙のイラストがきれい。ツマグロヒョウモンのメスが鏡台の前で化粧をしている。意味深長。

ドラマチックなだけに、誤解も多い生物の擬態。進化論のダーウィンも誤解した。

ツマグロヒョウモンは、メスのしかもその一部だけが擬態する。それはナゼか。ダーウィンの性淘汰説でも説明できない。

ツマグロヒョウモンのメスは、カバマダラという毒蝶をモデルにしたベーツ氏擬態種とされるが、カバマダラは、九州南部が生息域の北限で、名古屋にはいない。

それでは名古屋のツマグロヒョウモンはどうして生き延びられるのか?

謎解きを完全に正しく理解するのは素人には困難の思われるが、擬態の学問的理論ばかりでなく、著者の研究に対する熱意、楽しさや、研究の厳しさ、研究論文が認められる大変さといったことなど、研究者の世界のいわば舞台裏といったことまで伝わってきておもしろい。

105ページ で2940円と割高だが、それだけの価値はある本だろうと思う。「琉球の蝶」というタイトル自体もナゾめいているのかも知れない。

琉球の蝶―ツマグロヒョウモンの北進と擬態の謎にせまる (単行本)
伊藤 嘉昭 (著)

単行本: 105ページ
出版社: 東海大学出版会 (2009/12)

発売日: 2009/12

100615_tsumaguro_hyomon_1

↑ ツマグロヒョウモン メス 今朝奄美市名瀬赤崎公園にて

奄美ではメスは確かにオスより動きが遅い。

100615_tsumaguro_hyomon_2

↑ ツマグロヒョウモン メス 

↑ 2010年05月30日 ? 鹿児島県 奄美市名瀬赤崎公園 ヤマモモの木で交尾しているツマグロヒョウモン。翅の裏はオスもメスと同じに見える? 

ビデオ後半はアオスジアゲハ


グンバイヒルガオ(軍配昼顔) 雨降り花 満開

2010年06月15日 | 植物

100615_beach_morning_glory_2

100615_beach_morning_glory_1

100615_beach_morning_glory_3

100615_beach_morning_glory_4

↓ 砂地を這い、数メートルに伸びた茎の最前線。先端から2~3節目から出ている葉は、軍配の半分だけ。

100615_beach_morning_glory_5

100615_beach_morning_glory_6

和名 グンバイヒルガオ(軍配昼顔)葉が軍配に似ているため

学名 Ipomoea pes-caprae、「ヤギの足」を意味し、和名同様に葉の形から
英名 Seaside morning glory , Beach morning glory)昼なのにmorning とはこれいかに。

沖縄方言で「アミフィーバナ」雨降り花

または「ハマカンダー」 浜のイモの意か?さつまいもに似てなくもない。サツマイモ属である。そのためアリモドキゾウムシの宿主植物となることから、日本本土への植物体の持ち込みは検疫によって禁止されている。

ナス目 
ヒルガオ科
サツマイモ属

分布

世界中の熱帯から亜熱帯の、主に海岸に広く分布する。
日本では鹿児島県から沖縄県の海岸
種子は海水に浮き、海流に乗って分布を広げる典型的な海浜植物。
種子は黒潮に乗り日本本土へも到達し、まれに発芽するが、冬の低温に晒され枯死する。