大仏様と呼ばれているが、仏様の名前は、盧舎那仏で宇宙の真理を体得された釈迦如来の別名で、世界を照らす仏・ひかり輝く仏の意味。左手で宇宙の智慧を、右手に慈悲をあらわしながら、人々が思いやりの心でつながり、絆を深めることを願っておられる。
大仏様の向かって左には、木造の虚空蔵菩薩坐像、右には木造の如意輪観音坐像が、脇侍として配置されている。
大佛様を背後から拝して一順し、再び正面の大仏様と、相対した。沢山のご加護を戴いたような安らかな気持ちで丁寧に手を合わせて拝した。
春のように温かい風が、少し強く吹いて開かれた扉の幡が風を受けて揺れる。風は軒に納まって堂内には入ってこない。それだけに、小春日和の奈良は穏やかな時が流れる。
大仏殿から出て、大仏様から戴いた癒し、和み、パワーに包まれた余韻を纏って出口へ向かう。
東回廊の屋根の曲線が美しいたわみのように見える。