カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

ホルンの音色が鹿を呼ぶ

2013年02月05日 | ☆ ふるさと・大和
私のカメラ目線は、ホルンを吹く鹿愛護会の青年のほうに向いている。 しかし見物の人たちの目線は森のほうにある。 そうだ。彼がホルンを吹くと鹿が走る出してくる方向を、予想してそこを狙っているのだ。

 

 

鹿寄せ見物の人たちが時間の経過とともに増えてくる。

子供たちの中から、ホルンを持ったお兄さんに、「何処から鹿だ出てくるの」 「鹿は 何頭くらいいるの」 「雄と、雌とどちらが多いの」etc その質問に丁寧に答えてやる。見ている人の中からは、笑いが起こる。 和やかな待ち時間である。

 

     

鹿寄せの時刻は10時とお知らせの立て札があったので、見学の人も、ホルンのお兄さんもその時刻まで待つ。

待っている間に、鹿に接する時の注意や公園にはゴミを絶対に捨てないようになど、鹿が食べ物と間違ってビニルの袋や、紙などの異物を食べたら、消化しないで病気の原因になることなど、分かりやすく話してくれる。 その間にも、近くにいた鹿たちがお兄さんの傍に集まってくるのは、もうすぐ始まるご馳走のことをちゃんと知っているのだろう。

 

  

10時きっちりに、お兄さんはホルンを吹き始めた。優しい音色が公園に響く。

 

      

ダッシュ! ダッシュ!(小さい画像をクリックして大きい画像でご覧ください)

待ってましたとばかりに、森の中のあちこちから走り出てくる。 その勢いは圧巻である。

みるみるホルンのお兄さんはシカの群れに囲まれてしまう。

 

   

ホルンを籠に持ち替えて、鹿の群れの中に、ぱぁ~と豆まきのように、撒くのはどんぐりだと説明してくれた。この日は丁度節分で、豆まきの日だったから、見物人の中から「どんぐり撒きだね」「福どんぐりだ」などの声がする。 どのしかも一斉に地面に撒かれたどんぐり拾いに夢中になって、頭を下げている。

  

一つの取り残しもなく鹿はどんぐりを綺麗に食べてしまう。「 毎日撒くどんぐりの量って多いでしょう。どうして集めるのですか。」 空になった籠を持ったお兄さんに訊ねた。「最初は近辺の人たちの協力で集めてもらっていたのですが、今では、全国各地から集めて送ってくれるのですよ。」とのこと。

奈良を訪れた人たちに愛され可愛がってもらうだけでなく、どんぐり集めの運動を広げてくれていることを知った。嬉しいことである。

    

 奈良市内では、鹿の保護活動に、職員として、あるいはボランティアとして、多くの人が善意の活動を繰り広げてくれている。 また公園案内ボランティアの黄色いパーカーの方が、奈良を訪れる人に深くこの地を知ってもらうための、案内ボランティアをしておられるのを、この日はあちこちで見かけた。 私も鹿愛護のための募金に小さな協力をさせてもらった。

募金箱と同じシールを戴いた。

 

   

鹿寄せが終わった浅茅が原には、まだ去りがたい人たちが、鹿と写真を撮ったりしてこの日の思い出を残していた。またこの中から、どんぐり集めの輪が広がってくるかもしれない。

 

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする