メイン会場を出てから、この日の行く所は、「ひなめぐりマップ」を見て決めていた。それは上にある「ジャンボ雛のいる所」の2箇所である。どちらも町並みから離れている場所で、上子島は昨年も行ったので場所がわかっているが、清水谷は、今年初めて行くところであった。
はじめに目指したのは上子島。途中の家々のお雛様を目で楽しみながらの早足歩きで、やや上り坂になっている街道をせっせと歩いた。前日より10度も下がった寒の戻りなので悠長に歩いて入られなかった。植村家の長屋門は、いつ見ても美しいなぁと思うなまこ壁が続く。
「あと少し~~~」の案内板に励まされて、スタコラ・スタコラ。上子島の集落の素朴な立て札を見た頃から、風花のような白いものがちらつき出した。まさかの雪だった。風があるので衣服についた雪は、飛ばされていくが、えらい日になったものである。上着のフードでしっかりガードして、急いだ。
上子島元気広場に着いた頃には、ちらちら雪になっていてほっとした。元気広場の門には桜が咲いて出迎えてくれる。手作りプランターの木枠も、植えてある花も元気広場の住人の皆さんの手によるものだ。
上子島老人会の皆さんが結束してジャンボ雛の広場つくりに、当たられたのが同じ高齢者として、そのエネルギーを分けてもらったようで、嬉しい。
今年の干支の巳さんのジャンボなジャンボなお雛様だ。下に居る人影と比べても、その大きさが半端じゃないことが分かる。愛嬌のある巳さんのお雛様が出来上がるまでの過程は、老人会の元気さと協力のの日々が何日も続いただろうと、感心しながら眺めた。
町中の土佐町からかなり離れていたが、この日は運動公園でのウォーキングをせずに来たので、運動のつもりで、歩幅を大きくして、背筋を伸ばして、「寒さを吹っ飛ばして」知らない横道や、小路を歩いた。「お雛様展示中」の門先に立ててあるお知らせの番号などが、結構道標となった。
清水谷に着くまでにも、お雛様展示中の家があり、初めての所だけに、日本建築の家の美しさなど、歩きながら楽しむことができてよかった。
「絆広場」と名づけられた広場のお雛様は、今風の可愛いジャンボなお雛様だ。綺麗に彩色した着物に包まれている美男美女の背景には桜の花が開き、葉牡丹や、パンジー のプランターが足元を飾っている。清水谷地区の方々の絆がしっかりしていればこそ、このようにしてイベント参加ができるのだと、ここでもまた高取町の町興しに対する意気込みが見えるようであった。
この竹の生垣も、なかなか手が込んでいた。 訪れる人に焚き火のお接待をしていたおじさんが、この清水谷「高生神社」について話してくれた。この神社は、地区の氏神様で三社をお祀りしていて、大晦日の夜には、石段に灯籠をおき明かりをつけて、初詣の人をお迎えする幽玄な雰囲気の神社だそうだ。 そこの大絵馬を、この期間、「絆広場」のお雛様と共に訪れる人の幸せを願って、ここに掲げているとのことだった。
昨日訪れた上子島と清水谷のジャンボ雛が発信している、大事なことを、知らされたような気がした。
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