梅の花を見に行こうと友人が誘ってくれた。県内ではまだ十分開花していそうもないので、和歌山方面へ向かった。旧道のそのまた旧道を通って、街に出たのが海南だった。と同時に「温山荘」の案内が目に入った。「梅」が「庭園」へと気持ちの上で誘われるように、広大な庭園への魅力のほうが勝って、この日の目的地がここに決まった。
駐車場から温山荘へヨットハーバーを見ながら歩いた。 海のない県育ちの私は、海のある風景が好きである。よく琵琶湖方面へのドライブをするのも、広い湖を見るのが好きだからだといつも思う。 和歌山方面にしてよかったと海を見ながら気持ちが高揚する。
途中紅白の梅の木を見たのが唯一の観梅と言えるだろう。
新田翁の立派な銅像である。この方が長寿を全うされた年に、私はこの世に生を受けたのだと上の説明文を読んで、新田翁の後世に開放されたこの庭園に、どんなに多くの人の和みの場として心の癒しを与えられたことかと思うと同時に、私も確かにその1人なのだと、ありがたく思う。
受付で貰ったパンフレットの「心に響く日本庭園」というキャッチフレーズが私を惹きつけた。 昔、子供の頃家族旅行で、中学校の社会見学、在職中の児童の引率と他にも団体で、何度か訪れたことが、少しずつ蘇ってきた。
しかしそれは、「新田の別荘」という観念での見学に留まっていたようなきがする。
今日これから国指定の名勝・重要文化財の「温山荘園」を好きな時間好きな場所に立ち止まり、「潮入式池泉回遊庭園」を鑑賞しながら、いい時間を過ごすことにより、心豊かなひと時を持つことにわくわくする。( 次回に続く)
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