夏椿 (別名 紗羅の木)と風鈴のコラボ。
夏椿は花が小さいけれど、真っ白で、よく見ると花弁にフリルのような、ぎざぎざがある可愛くて清楚な感じの花である。
おふさ観音本堂裏の、亀の池の傍に今を盛りと夏椿の花が木の葉の間から、顔を見せている。木の幹はサルスベリの木の幹のように、すべすべしている。根元には5弁の花弁をつけたまま落花している多くの花を見かける。
朝に開花し、夕方には落花する一日花である。その儚さゆえに寺院などで、大切に育てられているのだろうか。
夏椿は別名、「沙羅の木(しゃらのき)」と呼ばれているが、お釈迦様が亡くなったときに、 近くに生えていたことで有名な「沙羅双樹」は、全く別の熱帯樹のことで 「沙羅双樹」は 日本の風土では育たない。私は熱帯樹の沙羅双樹を、滋賀県草津市の水生植物園の温室で、全く偶然だったが、見る機会を得たことがあった。
「今、沙羅双樹の花がさいています、」とロビーのカウンターに書いてあったので、初めてそれを見た。ハラハラとお釈迦様の涅槃の上にいかにも散り落ちる感じの花だった。何度もこの温室には行っているが、それが一回きりだった。
季節の花300によると、なぜ夏椿を「沙羅双樹」と呼ぶようになったかについて面白いことが書かれている。
なぜ夏椿がこの「沙羅双樹」に間違われたのか・・・。
昔、ある僧侶が、「仏教にゆかりのある沙羅双樹の樹は、日本にもきっとあるはず」 と、山に入っていろいろ探したところ、 夏椿の木を見て「これが沙羅双樹だ♪」と思い込み、それを広めたため、との説がある(ちなみに、釈迦が悟りを 開いたことで有名な木は 「インド菩提樹」)
それで、間違えないように、夏椿は別名を「紗羅の木」としたとのことである。
撮影をしたのは昨日(7月1日)だったが、ここに咲いている清楚な夏椿は、もうすでに庭に落ち、また今日の新しい命の花が次々と、見頃となっておふさ観音の本堂裏で訪れる人を迎えていることだろう。
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