カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

薔薇の香りの中で・至福の時

2005年05月21日 | ☆ ふるさと・大和


久しぶりに奈良市の靈山寺を訪れた。このお寺に初めてお参りしたのは、平成5年7月だった。
西国四十九薬師霊場の巡拝をこの年から始めた。第二番めの霊場である。その後何度かここに来ている。このお寺の薔薇園が、綺麗なので花のいい時期を見計らって訪れるのが楽しみである。
「人生の輪廻をテーマにした」といわれる1200坪の花園には、200種類2000株の薔薇が植えられている。花の期間も今頃から11月頃までと、見頃が長い。



参道を右に逸れて突き当りが薔薇園の入口である。
入った途端薔薇の甘い香りに包まれる。大山蓮華は「和」の香りだとすれば、薔薇は明らかに「洋」の香りだ。
香りに華やかさがあると思う。そしてその華やぎの中に不思議な安らぎがある。



淡い藤色の花が、今回一番好きだなぁと思った。
じっと見つめていると、ハチが開いた花の中に入っていった。
なかなか出て来ない。
きっと甘い蜜がたっぷりとあるに違いない。
顔を近づけると、微かに花の中から、羽音がする。
覗かれているのも知らぬげの作業か、食欲である。

気になっていた行事が一つ片付いたことの開放感もあり、薔薇の園で過ごす至福のときである。
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福神駅

2005年05月20日 | ☆ ふるさと・大和


近鉄吉野線に「福神」というおめでたい名前の駅がある。
この駅を通過して吉野へと通じて行く。
高取に行くためにここまで車を使い、阿部野橋行きの電車に乗って、壺阪山でおりた。

帰りこの駅で、ふと見上げた天井に、こんな燈が燈っていた。
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城下町・土佐

2005年05月19日 | ☆ ふるさと・大和

城跡で見かけ碑である。
土佐は、高取藩植村氏二万五千石に城下町である。さぞかし歌のように山全体が白く見えるくらい山城として立派な様相をしていたのだろう。



「土佐の石川さんで診てもろたら、直に治るで」子供の頃、できものが皮膚に出来たらこの言葉をよく耳にした。
四国の病院まで行くのだろうかと思ったことがあった。
今高取の城下町を歩いて、この医院のことだったのだと、思わずNさんと顔を見合わせた。門構えからこの医院の歴史を思う。


武家屋敷の長屋門も復元されている。

土佐の名の由来は、古代に「土佐の国」から移り来て住み着いた土地といわれている。(見学資料)

観光案内所、夢創館の裏手から中を見ると、懐かしい竈があった。
「へっついさん」と呼んでいたが、今PCで変換すると、竈と出てきたので驚いた。
ここでは、今も薪を入れて使うことがあると、居合わせた人が話してくれた。
城下町としての町筋をを、綺麗に復元し大事にしている町だ。

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犬猿の仲?

2005年05月18日 | ☆ ふるさと・大和


高取城の二の門外の道端に、愛嬌の良い顔をした猿が、ちょこんと座っている。
今、そこからやってきて「はい、お疲れさま」といった感じに座っている。
彫りも深く、風雨に晒されているような素振りは微塵もない。ところが、これは7世紀頃のものと推定されているらしい。飛鳥時代のお猿さんである。
高取城築城の折。石垣に転用するために、明日香から運ばれてきたと伝えられている。それが、石垣になってしまわずここにあるのが、このお猿さんの運命というか、徳であったのかも知れない。
丁度、このお猿さんの座っている場所から岡口門を出て明日香に降りる下り坂の道があるのも、もっともらしい話である。

この会に参加した仲間の中に一匹のわんちゃんがいた。「むぎちゃん」と呼んでいたように思う。
とても元気で、急な坂も上り下り、誰よりも力強く見えた。記念撮影はやはり犬猿仲。
むぎちゃんはそっぽを向いてしまった。
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高取城址・石垣・マムシソウ

2005年05月17日 | ☆ ふるさと・大和

今回の吉野路探訪会のコースは約8キロ。
そのうち上り2キロ、下り2キロが、山中の急なハイキング道と資料に書かれていた。
毎日のウォーキングが6キロなので、ややしんどいかなぁと覚悟。
急なハイキング道、これは、かなりしんどい思いをした。
参加者は大体似た年齢の仲間同士だ。
初めは賑やかに話し合いながら登っていたが、次第に無口になる。
スローペースになってくるが、皆がそうなのでマイペースを維持しながら、しんどさもまた楽しの気持ちはずっと続くのが不思議だった。


山道の所々の開けた場所に古い石垣がある。
その度に今石垣のみ残っている場所に築かれていた城の建物はどんなものだったか想像するのも楽しい。
石垣の上にめぐらされた土塀もあっただろう。


本丸に大小の天守閣を築き、多門を連ね櫓を建て典型的な山城を構築しながらも、平城の美観も整えた、要塞堅固な城であったとの資料や説明で、この山全体が立派な要塞であったことが、偲ばれる。
石垣しか残ってはいないけれど、幻のように自分の中に高取城を自由に描く。今、自分が険しい山中ににいるのが喜びになる。


石垣に添うように見たことのない草なのか、花なのか分からない植物を目にした。
道の反対側にも生えている。あたり一面に群生している。
近くにいた人に尋ねたが、皆「なんやろか」 「変な形やなぁ」言いながら余り気にすることなしに先に向かった。
帰って調べよう、そう思って茎も撮った。

花らしい付け根の部分は、灰色なのに、下に行くにつれて、白とグレーの斜め模様になっている。
なんだか不気味だ。
こんな特徴のある植物なら、きっと知っている人がいるだろうとそこを離れた。
砂防公園で、最後の休憩の時だった。
一人の男性が、「山で咲いていた花ね。あれは、マムシソウって名前ですよ」と教えてくれた。
皆より遅れて、草花にカメラを向けていた私に知らせてくれた親切が嬉しかった。

なるほど、蛇の鎌首をもたげたような形の花と縞々の茎。なんとなく不気味植物だった。
(切花 シラユキゲシ)



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