小林一茶という俳人は中々の苦労人。結婚は52歳が初婚である。信州の出は江戸で
は必ずしも持てたとも思われない。やはり、女性に縁遠かったのだろう。その奥手
が結婚の途端旺盛な性の営みだというのも面白い。その絶頂52歳の時の句作である。
句碑:俳諧寺に数基ある歌碑の一つ
『 おらが世や そこらの草も 餅になる 』 (一茶)
解釈:52歳まで苦労して、ようやく俳諧師という頂点に立ち、財産相続も一段落し、
何よりも28歳という24歳も若い妻を娶り草さえ餅に変える程の幸せの絶頂期。
なんともめでたい句である。将に一茶にとって「おらが春」を歌った句である。
映像:奥入瀬渓流センター前にある、大町桂月碑。肖像碑と並んで建っている。
大町桂月が十和田湖・奥入瀬渓流をどのように思っていたか良く分かる一文。
『 住まば日本(ひのもと) 遊ばば十和田
歩きや奥入瀬 三里半 』 (桂月 歌)
解説も何もいらない、十和田で遊ぶ、奥入瀬を歩く事が日本の景観の極みである
ことをこの文章で全国に紹介したのだ。以来、十和田湖は国内一流の景勝地とし
て多くの人々が訪れる事となる。今日の青森県の十和田観光の基礎を築いたのだ。
参照#①奥入瀬渓流トレッキング2019 ②大町桂月(酔仙人)探訪紀行
映像:向かって右のなだらかな山が斑尾山(まだらおやま)
小林一茶で有名な信濃町(柏原村)から眺めた北信五岳の一峰
一茶も又この景色をみたのだろうか。方や間近に黒姫山という
名峰がありながらこの遠方の穏やか峰も又ふるさとの山だろう。
記録:標高1,382m 成層火山 参照:黒姫山(信濃富士)
一説:唱歌「ふるさと」の「うさぎ追いし山」はこの山という説。