
小樽運河周辺を観光散策してJR小樽駅にたどり着く。運河界隈の人の流れも又駅に向かう。
北海道の100万都市札幌からの観光客が多い事を物語っている。駅の片隅にひっそり建つ。
石川啄木の歌碑である。若き啄木は職を求め、失意のままここ小樽にも足跡を残していた。
碑文:『子を負ひて 雪の吹き入る
停車場に
われ見送りし 妻の眉かな』(啄木)
解釈:冬の雪が容赦なく母子に吹きかかり今、あてのない仕事を探しに駅から旅立つ
私を見送る妻の悲しげな顔に心が痛む別れの日だ。
感想:なんと悲しくも、切ない短歌であろうかこの頃の啄木は小説家を目指していた。
しかし家の没落で職さえない。気丈夫に見送る妻を「妻の眉」と表現しているが
己が妻に寄添いたかったに違いない。豊かな現代ではこの様な歌は創られない。
参考#①石川啄木(哀惜の歌人)探訪紀行 ②JR北海道小樽駅エントランス