家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

絆を書いた人

2012-09-22 09:00:08 | Weblog
今回の講師は今年の漢字で「絆」という文字を揮毫(きごう)した清水寺の貫主である森清範氏だ。

森清範氏は職を越えていろいろな場所で公演をされることが多い。

デパートの売り場で話をしたりフラメンコの後に講話をしたりすることもあり、たいへん話し辛かったという話題で、まずは我々の注目と笑いをとった。

枕草子や源氏物語、平家物語など古典文学にも登場する清水寺についての話をされた。

世界遺産登録された清水寺であるが新世界七不思議の候補に挙がり77箇所から21に絞られた中に入り最終的には選ばれなかったという事実を教えてくれた。

歴史的にも世界的にも、なんと規模の大きな内容の話が多いことだろう。

だが森清範氏は責任の重さなどのオーラを一切感じさせない。

552年の仏教伝来の前に神道が古来からの信仰としてあり日本人が、よその国の宗教を受け入れ、さらに神仏習合という形をとって両方を生かすという知恵を誉めた。

たしかに日本では宗教対立が一神教の世界に比べれば圧倒的に少ないように思える。

「死んでも魂はなくならない」というのは日本人の宗教観だという。

私も、そのように思っているし、それらが私を守ってくれているのだと想像する。

また、その魂が見ているから、いつでも恥じるようなことは出来ないと自己を戒めている。

森清範氏の話は流れるように進む。

何をメモすればよいのか分からないほど進行が円滑だ。

立派なことを自然に難しいことを平易に話してしまう。

オーラを消した姿こそ偉大なる宗教者という感じがした。