家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

オープンハウス

2013-12-04 07:55:59 | Weblog
森町の作家たちを訪ねて歩くオープンハウスに毎年参加している。

今年は2軒だけ訪れた。

まずは藍染の古布を扱うアトリエだ。

毎年訪れる私たちを待っていてくれた。

昼食を済ませてからお邪魔したがチマキとなめこ汁をご馳走してくれた。

「今チマキを蒸しているから、もう少し」と言って火の加減を見る。

ヘッツイやとオクド呼ばれる昔ながらのカマドを使って釜で湯を沸かし、その上に蒸し器を起き十分な蒸気で蒸し上げる。

燃え盛るカマドの中の薪の火やモウモウと立ち上がる湯気が美味しさの証明にも思える。

熊笹の包みを開くとクリやシイタケの入った豪華なチマキだった。

昼食をとったばかりだというのに、まるで別腹という表現ができるように美味しく食べられる。

熱さをこらえて、かまわず口に放り込む。

ネットリしたもち米やホクホクの栗が懐かしい味にも感じられる。

笹の葉にこびり付いた飯を箸でそげ落として一粒も残さず食べた。

味噌仕立てのナメコ汁もナメコのツルッとした独特の感覚がありがたい。

作家と火鉢を4人で囲んでほっこりする。

まるで身内という感覚だ。

この1年間の出来事を私たちに話すことを楽しみにしているようだ。

長居をして次の場所に。

ここは、しょっちゅう出入りしている友人の陶芸家の家だ。

大きな堀ごたつに入り火鉢に左腕を乗せて彼と話していた。

お客さんが来て同じこたつに座った。

「こちらの方は有名な方ですか?」と私のことを指す。

私が友人を指差して「この人は陶芸家に見えますか?」と聞くと

「はい。見えます」という。

気分をよくした友人はふざけて「こちらはライターです」と紹介した。

「ああ。そうですか。なにか都会の物書きのようなオーラが出ています」という。

浜松に住む無職なのだが気分が悪いはずがない。

そろそろ失礼しますという彼女たちに私が「それではまた来年」というと「この時刻に」とノリの良い返事が戻ってきた。

作家のためのオープンハウスに来て自分勝手なことを言って少し反省しながらもニヤニヤして帰宅した。