この部屋でも何度も書きましたが常に右肩上がりの売り上げと利益を追求する予算を立てる企業のやり方にどうにも馴染めなかった私にとって企業というものはどうにも居心地の悪いものでした。
何でだろうとおもっていましたが、なるほどと思える説がありました。
前衆議院議員小野晋也の「在野の政治家イラ短日記」の小野さんが書かれている月刊 OAK・TREE7月号の「本物志向とは何か」の中にありました。
…略
今、多くの経営者が、経営活動の目標を問われれば、売上高や利益を最大化すると答えがちである。しかし、この考え方は既にずいぶん以前に、ピーター・ドラッカー氏が誤りだと喝破しているように、相互に奪い合う関係を作ってしまい、結局は人々を不幸にする考え方になりがちである。つまり、企業がその利益を最大化しようとすれば、取引業者の納入価格を極限まで叩いてみたり、従業員のコストを低くおさえたりしがちである。それでは、企業の利益は膨らんでも、周りの人々は不幸になってしまう。
ドラッカー氏は、「企業活動の目的は、新たな顧客の創造である」と語り、新しい顧客の喜びや満足感を作り上げることによって、その活動が正当化されるのだと主張するのである。この論を広く経済活動全体に展開するならば、この世に存在するすべての人、すべての資源というものを最大限に活用し、それぞれの存在の価値を高め、輝かせていく活動をうみだしてゆくということではないか。それによってこそ、経済活動は、人々にとって真に有用なものとなり、広く支持されるものとなってくるに違いない。…以下略
ドラッカーさんの本も読んだことありますが読んだだけで何にも頭に入ってなかったようでこんなことを言っていたのは全く知りませんでした。
トヨタの一社繁栄にどうしても違和感がぬぐえなかった私が常日頃これこそ企業のあるべき姿と考えていた事です。
これは第3336回、第3437回で取り上げた日本を支える「いい会社」の本「日本でいちばん大切にしたい会社」 が取上げている企業そのものです。
その「第一部会社は誰のために?」の中で、会社には「五人に対する使命と責任がある」として大事な順番に挙げています。
- 社員とその家族を幸せにする
- 外注先・下請企業の社員を幸せにする
- 顧客を幸せにする
- 地域社会を幸せにし、活性化させる
- 自然に生まれる株主の幸せ
株主第一のアメリカから来たグローバル企業の考え方と全く逆の順番と言えるのじゃないでしょうか。
この本に取上げられているような企業で働いてみたかったし、そんな会社を作ってみたかったものです。
今更ながらこんな事を言ってること自体が情けないですが今からでも機会があれば挑戦してみたくなります。
夢の又夢!