第4855回でガラスの屋根を取り上げましたが、日本でも画期的な開発が進 んでいるようです。これも熱を利用するものですが、それで電気も起こせるそうです。
第2999回な どで集光式太陽電池で注目していたフレネル レンズを使うのだそうです。どう使うのか興味があるところです。
日刊工業 新聞より 2013年01月11日
理研など、太陽熱を効率回収できる熱電併給システムを考案-追尾装置不要
理化学研究所とダ・ビンチ(奈良県 大和高田市、東謙治社長、0745・23・1441)の研究チームは、朝夕の間に太陽光がどの角度にあって も効率的に太陽熱を回収できる熱電併給システムを考案した。コストがかさむ太陽光の追尾装置が不要になり、 安価な分散型電源として期待できる。2013年中に出力1キロワットの試作機を作り、14年に同10キロ ワットの実証システムの完成を目指す。
考案したシステムは、同 心円上の溝が刻まれたパネル型のフレネルレンズを立方体状に組み合わせ、その内部にアルミ合金でできた熱交換器 を置いた構造。熱交換器の下に水で満たした蓄熱タンクを設ける。
電気を取り出すときは、 蓄熱タンクの温水の熱エネルギーをロータリー熱エンジンに供給して発電する。理論的には変換効率は60%に達す るという。
この記事ではどうやるのかよくわかりませんでしたが、分かりやすい記事 がありました。リンク先には画像があります。これなら良く分かります。
タイナビニュースより 2013 年1月14日
理研とダ・ビン チ、「太陽の位置を気にしない」熱電併給システムを考案
太陽光の「熱」に着目
理化学研究所と株式会社ダ・ビンチは、2013年1月10日、朝日から夕陽まで、太陽光の光熱エネルギーを効率良く回 収して、発電と給湯ができる「熱電併給システム」を考案したことを発表しました。
今回考案されたシステムは、効率良くエネルギーを蓄えるために、太陽光の熱 エネルギー(光熱エネルギー)を、熱交換器を経由して温水で蓄熱し、その熱エネルギーを必要なときに取り出し て、発電や給湯できるところが、大きな特徴となっています。
また、太陽光からのエネルギーを回収するためには、太陽がどの位置にあって も対応できるように、同心円状に溝を刻んだパネル型の“フレネルレンズ”を採用して、そのパネルを立方体状に組 み合わせています。さらに、組み合わせた立方体の内部に、アルミ合金製の逆T字型「熱交換器」を置くことで、朝には東側側面、昼は上部面、夕方には西側側 面といった具合に、それぞれのレンズが受けた太陽光を立方体内部で反射させながら、どの方向からの光熱エネ ルギーも逃さない構造になっています。
そうして「熱交換器」に集められた熱エネルギーは、交換機の下に設けた蓄熱 タンク内で水を温め、温められた水が持つ熱エネルギーを、ダ・ビンチ社が開発した「ロータリー熱エンジン」に供 給し、発電が行われることになります。
つまり、このシステムでは、これまでのような“太陽を追いかける”装置や、 その装置を動かすモーター(駆動)を装備する必要がなくなり、システム全体の製作費用を大幅に抑えることが可能 になるわけです。
ちなみに、「ロータリー熱エンジン」自体は、水温が40度でも回転エネルギーを発生できることから、「保温」にかかるコストも低く 見積もることができるうえ、異なる装置で温められた水を発電用水に合流させたり、逆に発電後の温水を普段の 生活シーンのなかで利用することもでき、幅広い活用法も期待できそうです。
一般家庭10件分「10キロワッ ト」規模の実用化目指す
今後、両者は、地方自治体などと連携し、遊休地を利用した「中小規模」の分 散電源として活用を図っていく計画で、2013年中に、出力1キロワッ トの試作機を、また、2014年には、10キロワット規模の実証システムの完成を目指しているとのことで す。
小回りの効くシステムで、再生可能エネルギーを集め利用する。またひとつ、 知恵が新しい可能性をひらく技術を生み出すことになりそうです。
これも面白そうですね。発電がまさか熱を利用するとは思いませんでし た。この逆T字型「熱交換器」というのを太陽電池を利用して作ればこち らでも発電できそうな気がするのですが、やはり素人考えでしょうか。
いずれにしても、こうして従来ある技術を上手く利用すればもっと良いものができそうな気がします。やは りこういうところは日本の技術者に期待したいところです。
いろんなものが出てきますね!