明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昔一度書いた思い出である。妹がアメリカから子供二人を連れて帰っている、というので食事でもしよう、と実家に帰ったら空気が重い。息子二人が妹に叱られ泣いており、妹は叱り疲れている。すると母が私に小声で「◯美(妹)はちょっとうるさ過ぎるのよ。」といった。私は耳を疑った。なぜなら私が幼い頃、母に叱られ泣いていると、祖母が「◯子(母)はちょっとうるさ過ぎるんだよ。」といったのを覚えていたからである。私を笑わすために母と妹が仕掛けたギャグにしては、オチまで40年かかっている。 独学、無手勝流の大変さが身に染みていたある日、博物館に出かけた。古代から現代まで、父から子、師匠から弟子、先生から生徒、精神及び技術が学ばれ受け継がれて来たはずが、現代作品が過去の作品より優れているとは限らず、むしろ逆だったりしている。こんな調子なら、独学だろうと構うこたぁねぇや。気持ちを新たにした私であった。それはともかく。 結局、いくら歴史を重ねても、人間は懲りずに同じ事を繰り返す。ため息の日々である。



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