一休和尚は、正月早々京の街中で酔い潰れていては凍え死んでしまいそうだが、子供の頃、元旦の朝、外へ出たら粉撒き屋のおじさんが、当時のコンクリート製ゴミ箱を背に、まるで切腹をし、正座のまま前にのめったように酔い潰れていた。死んでいるかと思った。粉撒き屋とは、各家を回って、くみ取り口に石灰の粉を撒いて、料金を貰う仕事である。 一休のそばに野犬はちょっとやりすぎかと思われるので、せめて子犬にしておこう。しゃれこうべを竹竿に掲げて正月に家を回られたら、さぞかし嫌がられたに違いなく、居留守を使ったり、中には酒を振る舞い追い出そうとする家もあったろう。 先日、陰影のない一休像の立体感を読み間違いに気付いて以来、ようやくイメージに近付いてきた。 寒山拾得といいながら、それ以外の物ばかり作っているのが、もしかすると、これら全てが寒山拾得に至るために必用な行程のような気がしてきた。だったら機が熟するまで待とう。