頂相は大体きょくろくという背もたれのある椅子に座っており、脱いだ中国風の沓が台の上に置いてあり、だいたい斜め45度を向いている。禅宗でも黄檗宗の隠元禅師などは真正面を向いている。その辺りの事情が知りたいところである。沓も今の寺で用いられる沓とは趣が違うようだが、絵画として描かれているので参考になる。 陰影を排除した手法を始めたことは、結果的に、寒山拾得を入り口として、信仰心に欠ける私を鎌倉や室町時代の高僧制作に誘導することになった。作家シリーズから、このモチーフへの移行は、他にどんなストーリーも考えられない。水木しげるの漫画で、奇妙なものに出会った少年が、今のはなんだったんだろう?などと、うっそうと描き込まれた山道をぶつぶついいながら歩いてる、そんな場面がたまらなく好きだが、今朝の私は寝床の中でそんな感じであった。