明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



法衣の色というのは色々決まりがあるようで、つい無難な色にしてしまう。しかし昔の頂相(禅宗の高僧の肖像画)を見ると、なかなか色彩に富んでいる。二十代の頃、深夜、ジャズのラジオ番組を聴きながら、架空のジャズマンに色を塗っていた。ちょうどその時、モダンジャズギターの開祖、チャーリー・クリスチャンが、飛行機から降りたった時の服装を説明していたが、モノクロ写真しか存在していない時代の人物ゆえチンドン屋か?と唖然として筆が止まった。私が作っているのが架空の人物だというのに、こんなことで良いのか?以来(多少)カラフルになった。制作中の昨年末に母が亡くなり、その二週間後に冠動脈の手術を受けた。まして実質的に新シリーズの一作目である。大覚禅師の遠くを見る目に、あるいは法衣の色に多少でも、私の何らかの想いが反映されていても良いのではないか。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )