明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



市川團十郎と成田山の縁は深い。経緯は書かないが、成田屋の由来でもある訳で、二代目團十郎が江戸で舞台上で不動明王を演じた。これが大評判となり、深川に深川不動堂という成田山新勝寺の別院が出来るきっかけになった。歌舞伎十八番の一つ『不動』となってもいる。しかしこれは團十郎が不動明王の扮装をしてただ舞台でじっとしているだけ、というもので、いくら江戸の華、歌舞伎界のトップ、市川團十郎といえど、ただじっとしているだけで、何故江戸っ子はそれほど熱狂したのか?まったく謎であった。 ところが先日テレビでマイケル・ジャクソンのパフォーマンスを観た。最初にやったムーンウォークがほんの短い距離だったのが意外だったが、究極のパフォーマンスとして紹介されていたのが、まったく動かないことだった。登場すると一分数十秒間ピクリともせず。ところが観客の熱狂は静まるどころか益々激しくなり、ただ立っているマイケルに失神者続出。せっかくの高いチケットだったろうに、というのは余計なお世話だが、それを観てすぐに思い出したのが團十郎の不動であった。なるほど、これはあり得る。あり得るぞと合点がいった。



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