花鳥風月・・・気ままな写真日記

ようこそ、どんこの小部屋へ。ゆっくりくつろいでください。
日常を出来得れば自然と融合したいと思っています。
 

三池炭鉱の近代化遺産巡り(一)  熊本県荒尾市・福岡県大牟田市

2009-11-09 | 万田坑関係
 平成21年11月9日(月)

 「万田坑おもしろ講座」の7回目に半日かけて「三池炭鉱の近代化遺産」見学会が実施されました。見学会の視点は
1 江戸時代(藩営)から明治時代(官営)の三池炭鉱を偲ぶ
2 三井鉱山移管した後、坑口を結ぶ三池鉄道を骨格としてできた大牟田・荒尾の都市形成の痕跡を訪ねる
 というものでした。案内役は講座の世話役である万田坑ファン倶楽部の藤木さんです。
 今回は研修会場の万田炭鉱館を8:30出発、①荒尾二造変電所跡-②三池鉄道玉名線宮内駅跡-③三池港閘門(こうもん)-④旧長崎税関三池港税関支署-⑤旧三井港倶楽部見学までをレポートします。

 荒尾市内にある「荒尾二造変電所跡」です。「荒尾二造」とは「東京陸軍第二兵廠荒尾製造所」のことで戦時中広大な敷地で火薬を製造していた軍需工場です。旧制中学、旧制高女等の生徒達が動員されていました。各工場施設へ電気を送るための変電所でした。崖をくり抜いて建造されています。



 英数字は連合軍が押収した時の施設名・整理番号です。



 「玉名線宮内駅跡」。荒尾市にある大型テーマパーク・グリーンランドの西1キロ米にあります。炭坑従事者の通勤用や石炭運搬等に活躍しました。プラットホームがまだ残っています。この電車には一般の人も乗降することが出来ました。北側には炭住の宮内社宅がありました。



 荒尾市を離れて大牟田市西端の三池港に向かいます。三池港(1908~)は石炭積み出しのために建設されました。わが国唯一の閘門(こうもん)を持つ港です。干満の差が5.5米ある有明海で干潮時でも大型船が出入りが出来るような役目をしています。





 明治38年(1905)から百年以上経ってもまだ現役で活躍中の浮きクレーン・金剛丸です。動力は何と石炭なのです。



 三池港は開港場に指定され、通関の手続きのために税関が設置されていました。「旧長崎税関三池支署」(1988-1965)です。かなり傷んでいます。



 あの大惨事を起こした三川坑は完全に封鎖されていて見学の対象外です。「三井港倶楽部」へ着きました。詳しい歴史等についてはリンク先をご参照ください。



 玄関脇には三井鉱山育ての親・團琢磨の銅像が建立されています。



 正面玄関から入ります。



 豪華な応接間等です。私事ですがチョロ・ツーの親はここで結婚式を挙げました。





 この庭は一見の価値があります。



 次回は「藤本伝吾の墓と顕彰碑」「龍湖瀬戸坑跡」「大浦坑跡」「大牟田石炭産業科学館」等を紹介する予定です。
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万田坑彩々(いろいろ)・ふるさと詩集  【熊本県荒尾市】

2009-11-03 | 万田坑関係
 平成21年11月3日(火)

 このほど世界遺産応援stage・ふるさと詩集Vol.1として、荒尾総合文化センターで公演された創作ステージ「万田坑彩々」を紹介します。特別の許可を得て撮影したものです。主催は荒尾総合文化センター、文化庁、熊本県、熊本県地域文化芸術振興プラン実行委員会。共催は荒尾文化協会です。万田坑についてはこのサイトをご参照ください。
 26ページにわたる豪華な豪華なプログラムの表表紙と内部の一部です。


 
 開演前に行列が出来ていました。



 ロビーには絵画コーナーの他に写真や炭坑で使われた道具等の展示もありました。



 「万田坑イメージⅠ」ゲストのALEXに続きⅡは混声合唱団ARAOのふるさと合唱。地元出身のバリトン歌手・郷田明倫も賛助出演しました。



「万田坑イメージⅢ」『炭鉱レクイエム』・J,Nダンスクラシックです。炭坑社宅から去っていく少女の姿が叙情的に表現されていました。





 「万田坑イメージⅣ」・元炭坑マンの話は時間不足の感がしました。もっともっと炭坑の暮らしを聞きたかった!立ってるお二人は進行役です。



 地元に伝わる「長洲の嫁入り唄」や各種の炭坑節踊りで盛り上がりました。



 最後は炭坑節の総踊り、地元豊渕会社中が盛り立て役です。



 フィナーレ。ALEXのメンバー、郷田明倫さん、写真には写っていませんが荒尾出身シンガソングライター・関島秀樹さんも駆けつけてくれました。お偉いさん方の挨拶など一切ないスマートなステージでした。
 世界遺産本登録に向けて市民の熱も上がっています。
 最後は11月のポストカードです。



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万田坑特別公開(終章)  【熊本県荒尾市】

2009-10-13 | 万田坑関係
 平成21年10月13日(火)

 孫のチョロ・ツー(小5)との見学記終編です。孫はコンデジで、私は一眼レフで撮りました。万田坑近くには桜で有名な万田公園がありますが、今は立入禁止区域もありさびれています。右上に少し見えているのは削られた痕跡のある万田山です。



 チョロ・ツー撮影の第二竪坑櫓です。



 今は封鎖されていますが、当時の地下を通っていた「万田坑トンネル」です。このトンネルのお陰で遠回りが避けられ、一般市民にも喜ばれたそうです。



 石炭を運ぶ車は「炭函」(たんがん)と呼んでいました。【チョロ・ツー撮影】



 この日の見学者は400人を超えたそうです。



 敷地内にはかつて活躍したものが錆びついたまま残っています。



 選炭場跡から北側の大牟田市方面を眺めました。○で囲んだ櫓は宮原坑です。



 昔も彼岸花が咲いていたのでしょうか。【チョロ・ツー撮影】



 第二竪坑から坑内へ降りていく坑夫たちがいつも安全を祈願していた山の神です。今、甦ってくる万田坑の世界遺産への願いを聞き届けてくれることでしょう。
 次回の特別公開は今年の11月3日です。続編なのでコメント欄は閉じさせていただきました。ご了承ください。

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万田坑特別公開(その一)  【熊本県荒尾市】

2009-10-10 | 万田坑関係
 平成21年10月10日(土)

 荒尾市にある「万田坑(まんだこう)」の特別公開が先日ありました。珍しく野球が休みだったチョロ・ツーと見学にいってきました。今年1月、ユネスコ世界遺産暫定一覧に登録されました。今、世界遺産の指定に向けて盛り上がりを見せています。



 万田坑は旧三池炭坑の中でも優秀な炭坑の一つでした。1897年(明治30)に第一竪坑開削に着手して以来、1924年(大正12)には蒸気から電気への変換をし、1934年(昭和14)の最盛期を経て1951年(昭和26)に採炭中止まで活躍しました。
 補修工事がおわった第二竪坑と補修工事中の巻揚室です。【チョロ・ツー撮影】



 第二竪坑櫓は1908年(明治41)完成。人員昇降・排水排気の役目をしました。当時の技法や材料等を考慮して補修・改装されました。チョロ・ツーの背の高さと比較してみてください。



 第二竪坑口です。ガイドのKさんが分かりやすく説明してくれています。坑口の深さは274米ありました。今は埋め立てられています。



 坑口内の掲示と近くの炭坑電車のポイント。【チョロ・ツー撮影】


 
 第一竪坑櫓の巨大なコンクリートの基礎跡。ここに30,7米の櫓が建っていた。竪坑の深さは273米。坑口は今も開口している。水がたまり、小石を投げると、しばらくしてポチャンと音が聞こえる深さだ。



【このつづきはまた次回に。記載事項に訂正事項がある場合は補遺してまいります。なお「万田坑おもしろ講座」には楽しく、無欠席で参加しています。】

お知らせ:「創作ステージ 万田坑彩々」10月12日(月)13:30~
      荒尾総合文化センター 前売券1,000円(当日1,200円)
     「九州・山口の近代産業遺産群」世界遺産シンポジウム
      10月22日(木)14:0=17:00 東京プリンスホテル 入場無料
お近くの方はどうぞ。  
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「万田坑おもしろ講座」  (熊本県荒尾市)

2009-07-10 | 万田坑関係
 平成21年7月10日(金)

 万田坑とは荒尾市にあった三池炭鉱の優秀な炭鉱の名前です。1951年に閉坑しています。このほど「九州・山口の近代化産業群」のひとつとして、世界文化遺産候補になりました。市の広報に標題の「おもしろ講座」開催の記事が載っていたので応募しました。定員は20名です。
 会場は万田炭鉱館です。万田坑を模して作られています。



 館内にはこのような展示コーナーが設けられ、往時を偲ぶことが出来ます。





 講座の日程です。

7 月5 日(日) 映画上映「三池―終わらない炭鉱(やま)の物語」
7 月19日(日)「万田坑を知ろう!」講師: 荒尾市教育委員会社会教育課
8 月9 日(日)「万田坑をめぐる世界遺産の動きと課題」講師: 熊本県教育庁文 化課世界遺産登録推進班
8 月23日(日)「万田坑と三池炭鉱の近代化遺産」講師: 大牟田・荒尾炭鉱のまちファンクラブ
9 月6 日(日)「万田坑と三池炭鉱の歴史」講師: 九州大学名誉教授・東定宣昌
9 月20日(日) 「観光ガイド術について」 講師: 未定
10 月4 日(日)現地研修「三池炭鉱のすべて」(マイクロバス利用)講師:大牟 田・荒尾 炭鉱のまちファンクラブ
10 月18日(日)現地実習「万田坑の特別公開とガイド体験」講師:万田坑ファ ン倶楽部(受講生はガイド体験をします)
 なお選択科目として7月20日(月)に「船と陸から見る三池港周辺の近代化遺産」があり参加することにした。

 現在、登録された万田坑第二竪坑などは補修工事中で、中には入ることが出来ません。



 以下の3枚は3年前に撮ったものです。



 古いトロッコも当時のままの姿を残していました。



 初日は「三池―終わらない炭鉱(やま)の物語」(熊谷博子監督)と言うドキュメンタリー映画を鑑賞しました。大牟田市・大牟田市石炭産業科学館の企画・制作です。熊谷監督の「自治体がまちの歴史と向き合い、記録映像を残すという、全国でもあまり例のない取り組み」だと述懐するような経過があります。
 その期待に応えた重みのある映画でした。



 三池炭鉱にはいわゆる負の遺産と言われる囚人労働、強制連行、争議、事故の問題がありますが、今までほとんど表面的にしか見てなかったものを改めて学び、近代産業を支えてきた歴史に迫ることが出来ればと思っています。

 市の広報をつぶさに読まずに応募したのですが、この講座は「万田坑の世界遺産登録を市民の力で応援するために・・・来年春からのガイドができる基本的な技術を身につけ・・・万田坑のガイドをやってみたいという初心者を対象」にしていると明記されているではありませんか。
 今更後には引けません。講座だけは続けますが、さて「後はどぎゃんなっときゃなろたい」(後はどうなるのでしょうよ。)
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万田坑山の神コンサート

2006-11-08 | 万田坑関係
 平成18年11月8日(水)

 5日の日曜日、市内の万田坑跡地の広場でコンサートがありました。
 万田坑は石炭全盛時代の三池炭坑の優秀な鉱山で、我が国最大規模の竪坑を備え、昭和26年まで採炭を続けていました。
 現在、第二竪坑、櫓、巻揚機室、倉庫・ポンプ室、安全燈室・浴室など多数の施設が保存され平成10年に国の重要文化財に指定、平成12年には炭坑施設としては初めて国史跡に指定されています。



 「炭鉱のまちファンクラブ」が音頭を取り、地元にこんなに素敵なものが遺されていることを広く知ってもらおうと、炭鉱遺産の新しい用途を企画し、文化庁からの委嘱事業の認定を受けて開催にこぎつけました。
 夏を思わせる暑い日差しの下、多くの観客が訪れました。

 隣県の大牟田高校の吹奏楽部の演奏でオープニングしました。



 地元の桜ゆりかご会の合唱は北原白秋の童謡を中心に組まれていました。その昔、与謝野鉄幹に連れられ南国を旅した若き詩人達の中に白秋もいました。この万田坑に立ち寄ったと言われています。一行はこの後、雲仙経由で天草へ向かいます。

 

 専修大学玉名高校の吹奏楽部によるマーチングで盛り上がりました。



 鹿児島から駆けつけたチェリーメイツ'99のジャズ演奏に惜しみない拍手を贈る観客です。

 

  この日は万田坑見学会も開かれ、ボランティアグループのガイドで押すな押すなの盛況でした。






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続・ああ、万田坑

2005-10-13 | 万田坑関係
 平成17年10月13日(木)

 また夏が戻ったようです。きのうは30度を超え、きょうも真っ青な空に暑い日差しが降り注いでいます。

 万田坑続編です。今なお威容を誇る第二竪坑です。



 錆びたトロッコは年月の経過を無言のうちに示しています。



 内部の機械です。この大きな歯車が地下へのエレベーターを動かしていました。

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ああ、万田坑

2005-10-12 | 万田坑関係
平成17年10月12日(水)

 きのうから県内各地から集まった6人で市内のホテルに宿泊、2日間、近辺の観光案内を私が引き受けました。

 わけても皆さんの関心を呼んだのが万田坑跡でした。



 日本最大規模の竪坑を持ち、明治から昭和にかけて我が国のエネルギー産業を支えた炭坑でした。

 現在残っている第二竪坑は平成10年に国重要文化財、平成12に国史跡に指定されています。「近代化遺産」として関係者の努力により蘇っています。

 
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