英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

公立中高一貫校への道

2013年11月16日 | 公立中高一貫校受検
長野県で2校目となる公立中高一貫校、諏訪清陵高校附属中学校の志願受付が締め切られました。定員80名に対して427名の志願者、約5.34倍です。

はたして、この倍率を高いと解釈していいのか?私はそうは思いません。なぜなら、今回の志願者は、以下の3タイプに分けられると考えるからです。

①数年前から公立中高一貫校を目標とし、受検勉強にも本気で取り組んできた家庭。
(ちなみに、公立中高一貫校入試は“受験”ではなく“受検”と言います)

②公立中高一貫校を目標としてきたが、軽く考えていて、学校の宿題+α程度の勉強で過ごしてきた家庭。

③「もしかしたら受かるかも」「合格したらラッキー」「ダメ元」など、親のエゴで受検させて、子どもも何となく受検してしまう家庭。

それぞれで家庭と書いたのは意味があります。なぜなら、公立中高一貫校の適正検査で問われるのは、論理的思考力の育成を含めた、親から子への働きかけや姿勢です。その姿勢は一朝一夕に身につくものではありませんし、知識の詰め込みだけで対応できるものでもありません。それまでの12年の人生で物事にどのように接し、何を感じ、そして、それを他人にどのように伝えられるかが問われるのです。

このようなことから、公立中高一貫校の適性検査問題は甘くありません。②と③は間違いなく不合格となりますので、①の中での勝負となります。もちろん確実なデータを入手することは不可能ですので飽くまでも推測ですが、志願者427名中、①に該当するのは150名前後ではないかと思います。とすると、実質倍率は2倍と考えてもいいのではないでしょうか。

①の場合、親子で将来や進路について話し合いができているでしょうから、仮に不合格となってもフォローは容易です。問題は②と③です。不合格の原因は、公立中高一貫校に対する親子の認識の甘さ、つまり、子どもの進路や勉強に関する親子間のコミュニケーション不足です。そうなると、フォローが難しくなります。

「母さんが受けろって言うから受けたのに、ダメだったじゃん!」

地元の中学に言って頑張ればいいだけのことですが、子どもはそう簡単に切り替えることはできません。親子関係にも亀裂が生じる可能性があり、これからの勉強に対する意欲も弱くなってしまう可能性があります。

諏訪清陵高校附属中学は初の適性検査であり、興味本位出願が多いと思われます。今後、公立中高一貫校の入試の厳しさと、理想論だけでは通用しないということが浸透していくと思われるので、来年度以降、倍率は少しずつ下がるでしょう。

今年の入試日は12月7日。受検生の健闘を祈るとともに、適性検査の出題内容や受検生の動向などを注視していきたいと思います。
写真は長男が4歳の時に訪れた東大・本郷キャンパス。長男も2年後に公立中高一貫校受検を考えています。勉学に対する意識付けは、親子のコミュニケーションを通して、早期からの働きかけが大切と思う今日この頃です。


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