現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

チェロと尺八

2009-02-24 14:11:04 | 虚無僧日記
「おくりびと」で黒子の仕事にも光…納棺師らも喜びの声(読売新聞) - goo ニュース

「おくりびと」のアカデミー賞受賞で、納棺師にも光。
この映画は主演の本木雅弘さん自らが望んで、
制作にまで漕ぎ付けたとか。当初は企画をどこに
持ち込んでも断られ、15年越しに実現したという。
納棺師について、指先の動かし方も、遺族の方たち
からいかにきれいに見えるか研究したという。
なにごとも“心”。形の無い“心”をいかに美しく
形にして見せるか。

音楽も同じだ。主人公は元チェロリスト。本木氏は
チェロも特訓を積んだ。「最も人に優しく、美しく、
人間的なものを感じる」とは、世界的有名なチェロ
リスト、パプロ・カザルスの言葉。「おくりびと」でも
バックにチェロが流れる。

長管尺八はチェロに似た響きがある。出棺の時に
流すBGMとして、葬儀屋さん向けにCD『手向け』を
制作した。(1,500円)。これから売れるかな。

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「友の和」に掲載

2009-02-24 11:55:17 | 今後の予定
情報誌『友の和』の取材を受けた。入会金も冊子代
も無料で、8,000部ほど配布されているとのこと。
その3月号の巻頭に掲載されるようだ。

取材にみえた記者の方は、30代の女性。「虚無僧
について全く知らない」という。それでも、私の話を
聞いて要領よくまとめてくれた。その一部。

「虚無僧を目にした人の反応も様々だ。ありがたい
と手を合わせて布施くださる方。哀れんで喜捨され
る方。布施すればいいことあるかもとご利益を求め
られる方。反対に、軽蔑の眼差しで避けて通る方、
罵声を浴びせて唾を吐く方。殴りかかられたことも
ある。「人間も社会も様々、それを知るのも修行。
同じものでも、善と見る人、悪と見る人、二通りいる。
明も暗も心の内。心の持ちようひとつ。そのどちら
にもこだわらず、明にあっては明、暗にあっては暗
として生きる。すべてを受け入れる。それが虚無僧
として生きる私の道」

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パイパーズ

2009-02-24 11:53:30 | 今後の予定
管楽器の専門誌「パイパーズ」4月号にも掲載される。
こちらは、管楽器愛好者への情報誌だから、尺八の
管楽器としての性能、奏法、可能性などについてかなり
詳しく取材を受けた。

インタビュアーが尺八を指して「こちらの“楽器”は?」
と問いかけてくるのに、違和感を感じる。「尺八は尺八。
楽器などという賎しいものにはあらず」などと言って
みたくなるが、読者には理解されるだろうか。洋楽器から
みれば、音程も音量もままならぬ原始楽器だ。尺八界は、
長年、フルートに追いつけ追い越せで頑張ってきた。
そして今では、頑張らないで、フルートとは違う世界を
広げてきている。

洋楽は行き詰っている。素朴な尺八には、無限の可能性
がある。そのことが、活字でどこまで伝わることやら。

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アカデミー賞事前に洩れる

2009-02-24 11:34:04 | 社会問題
日本作品がダブル受賞=「おくりびと」に外国語映画賞-米アカデミー賞(時事通信) - goo ニュース

東海ラジオ リスナーの投稿 (麻生総理の嘆き)
「党はつみきのいえ 俺はおくられ人かぁ」
よく頭が回るものよと感心。
(おいらの駄作)
「オスかぁ メスかぁ 当ててみやしょう」

「みのもんた朝ズバッ」では、事前に受賞結果が
洩れて、発表前から「『おくりびと』が外国語
映画賞」と放送していた。見た人も多いだろうが、
この件について騒がれていないのが不思議。
事前にリークされたのは『風と共去りぬ』以来の
快挙? なのだが、犯人探しはするのか。

ついでにNHKでは「北朝鮮から貴重な極秘映像
流出」と、内容まで公開していた。こちらは、
関係者は厳しく処罰されることだろう。北朝鮮の
ことだ。人命にかかわるのではと心配。

英語嫌い

2009-02-24 10:57:47 | 社会問題
「やればやるほど英語嫌い」 小学校英語活動に異論続々(朝日新聞) - goo ニュース

「早くから英語教育をやればやるほど英語嫌いに
なる子が増える」という声はよく聞く。私も幼稚園
で英語を習って?いた。中学にはいって、いざ英語
なら任せてとばかり臨んだ最初の中間試験。70点
台ですごいショックを受けた。幼稚園では名詞は
大文字で書いていた気がする。それで単語の問題
はすべて大文字で書いて減点されたのだ。それ以来
ふてくされて大の英語嫌いになった。

子供には早くから英語を身につけさせようと、外国人
のホームステイを受け入れ、我家にはいつも外国人が
同居していたが、それで次女はすっかり外人嫌いに
なってしまった。大人の思惑通りにはいかんのだ。
ご用心ご、用心。

邦楽もそうだ。祖母が長唄三味線をやっていて、母は
三味線嫌いになった。そして私にはピアノを習わせたが、
私はピアノが大嫌いになって尺八なんぞに走ったのだ。
叔父は尺八の名手だったが、その子供たちは反発して
尺八なんぞ見向きもしないので、私は叔父に可愛がら
れたのである。

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異端と先導

2009-02-23 15:23:00 | 虚無僧日記
「未来をひらく福沢諭吉展」が3/8まで、東京国立
博物館で開催されている。テーマが「異端と先導」。
慶応義塾の創始者福沢諭吉は、早くから西欧の
文物に触れ、英語を学び、人々の啓蒙を行なった。
しかし明治政府からの誘いを受けず、異端と排斥
されることを恐れず、自分の信ずる道を貫いた。

同志社の新島襄も、幕末に密出国してアメリカに
渡り、古都京都で周囲の猛反対に抗せずキリスト
教を広め、まさに「百花の魁(さきがけ)」となった。

日本画家の加山又造も、西陣織の家に生まれ、
邪道と言われながらも、日本画の新しい世界を
築いた。

親鸞も、比叡山に抗して、浄土真宗を開いた。
普化も一休も異端者だ。

私の中にも“異端”の血が流れる。私は虚無僧界の
異端児だ。社会の“異端児”か?。でも「新しい
世界を開けるか? 」と問われれば自信がない。

「こういう異端児も居たんだ」で終わるか。
異端児は心も痛んだろうか。

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蓮如には5人の妻と27人の子供

2009-02-23 10:39:17 | 虚無僧日記

室町の頃、浄土真宗は仏光寺派が隆盛し、
本願寺派は衰退の極みにあった。その
本願寺派を再興したのが蓮如。

蓮如には、なんと5人の妻と27人もの子がいた。
男13人、女14人。5人の妻とは、妾ではなく、
すべて妻が亡くなっての再婚である。

最初の妻は7人の子を産み、32歳で死亡。
その妹が次の妻となり、10人の子供を産み、33歳で死亡。
三番目の妻は、先妻の子供を育てながら、娘1人を産み、
苦労の末、31歳で死亡。
四番目の妻は蓮如67歳の時で、2人の子供を産んですぐ死亡。
五番目の妻は蓮如72歳、妻は22歳。5人の子供を産む。
蓮如最後の子供は84歳の時。亡くなる前年まで、子供を
作っていた。
子供たちは各地に寺を建て、本願寺派の隆盛に寄与した。

そうかこの手があったか。今尺八界も二世三世が台頭して
いる。二世議員と同様だ。わが吸江流一路会を興すには
子作りだ。もう遅いか。ざんねん。




親鸞の妻

2009-02-23 09:34:50 | 虚無僧日記
2/23 中日新聞 五木寛之『親鸞』。

當麻(たいま)御前との情交に堕ちるかと思いきや、
直前で邪魔がはいった。しばらく登場しなかった
黒面法師(六波羅王子平四郎)が弓を射かけ、誤って
當麻御前に当たる。なんという悲劇。

五木・親鸞では、九条家に仕える紫野(しの)という
女性が、親鸞に近づいてきている。六角堂の100日
参籠に紫野も毎夜来て、影ながら親鸞の心を支えて
いた。その参籠の最中、親鸞は當麻御前に逢って、
情交に及ぶ寸前だった。同時に二人の女性を愛した
ことになる。いいのかな? まいいか、ありえること。

さて、親鸞に妻「恵信尼」が居たことは明らかだが、
いつどこでどういう経緯で結婚したかは判っていない
らしい。
吉川英治『親鸞』は、恵信尼は月の輪関白九条兼実の
娘玉日姫。五木『親鸞』では、まだこの先の展開は不明
だが、九条家に仕える三善家の娘紫野が本命のようだ。

親鸞は、後に越後に流されるが、この時、越後の豪族
三善氏の庇護の下にあったのではないか、妻はその
三善氏の娘ではないかというのが有力な説らしい。
上越市坂倉町は「えしんにのふるさと」を町起しにして、
立派な記念館が建てられている。

晩年、親鸞と恵信尼は別居している。当時は女の
家に男が通う妻訪い婚だからか。「親鸞には、二人
妻が居た。しかも同時期に」という説まである。
いやはや、悩み多い親鸞である。

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多田富雄と白州正子

2009-02-22 23:37:33 | 虚無僧日記
2/22 NHK ETV特集「もう一度会いたい」を見た。
東大教授で免疫学の権威だった多田富雄氏。
能にも造詣が深く、白州正子とも昵懇だった。
その白州正子が逝って10年。その白州正子に
「もう一度会いたい」と、新作能「花供養」を創り、
昨年暮12月26日公演されるまでのドキュメント
だった。

実は、多田氏、2005年にも NHK特集でとりあげ
られ大変な反響を呼んでいる。私も丁度見た。
免疫学の権威だったが、2001年に脳梗塞で倒れ、
下半身と右手と言葉を失った。一時は自殺も考え
たが、生かされてまだすることがあると、2005年、
原爆で亡くなった人たちの叫びを能でと、新作能
「原爆忌」を作り、公演するまでが、NHK特集で
放映されたのだ。
「すべてを失って、その奥にあるものが見えて
きた」と。当時、全財産を失って絶望にあった私。
まだ手も口も足も有る、と生きる力をもらったのだ。

2001年に脳梗塞で倒れて以来11年、NHKで特集
が放映されてから6年。まだまだ生かされて、する
ことがあるとは、すごいことだ。

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日本画の巨匠と挿絵画家

2009-02-22 21:45:45 | 虚無僧日記
昨日は「美の壺」で「伊東深水」を取り上げていた。
朝丘雪路の父、そして美人画で知られる日本画壇の
大御所。その描く線は、女性の柔らかな肌をも感じ
させる。

今日のNHKでは「安田靫彦」を。こちらは歴史画。
「物部守屋」の線は、針金のように力強い。

加山又造の線は太く、尾形光琳の様式美を真似、
西陣織の美術品としての技術を芸術にまで高めた。

挿絵画家、小林秀恒も紹介されていた。「怪人
二十面相」など、女を描けば、なまめかしい。
私は、挿絵画家、岩田専太郎の美人画が好きで
よく模写した。しかし、挿絵画と芸術作品は、
紙一重で、天と地の差がある。この隔てるものは
何なのか。

尺八もそうだ。歌謡曲、演歌、ポピュラーなんで
も吹けるが、虚無僧として吹く曲としては適さない。

「虚無僧の本曲は音楽なんて賎しいものではない」。
その言葉を否定しながら、今その言葉の意味を深く
考えている。
私は、古典本曲を伝承の通りには吹かない。それは
加山又造と同じだ。古典を現代に甦らせ得る、新しい
古典の様式を模索している。それが私の尺八だ。

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