ケイの読書日記

個人が書く書評

岸本葉子「ふつうでない時をふつうに生きる」 中央公論新社

2021-10-15 14:29:27 | 岸本葉子
 この本には、コロナ感染が拡大し始めてからのエッセイを収めてある。岸本さんは文筆業だから、さほど関係ないのではと思ったが、そんなワケは無く、打ち合わせはすべてリモートに、講演のような仕事はすべてキャンセルor延期になったようだ。

 岸本さんは、もともとパソコンで仕事をしているが、コロナ禍でその比重が大きくなり、しかもパソコンが古いので色々不具合がおこる。
 ある日は、インターネットの接続が出来ないので原稿が送れない。仕方ない。FAXで送ろうとしたら,FAXも不通。サポートセンターに連絡すると、回線は異常ない(ホント?)と言うのでFAXを買い替えた。でも繋がらない。(オイ!FAXの代金はどうしてくれる?)どうも建物全体のひかり回線に関する装置の不具合らしい。
 ということは…マンションの他の部屋の住人もパソコンやFAXが繋がらないの?

 本当に苦労しているなぁ。分かるわぁ。私も大した仕事量じゃないけど、インターネットに接続できないと、本当に困る。何にも出来ない。
 デジタルネイティブより上の世代の私たちのほとんどが、こんなふうじゃない?

 あとがきは2020年11月。比較的、この頃は感染は落ち着いていた時では。つまり、2021年の夏ごろの第5波については書かれていない。第5波はすごかった。倍々ゲームのように感染者が増えていって、救急車を呼んでも搬送先の病院が見つからない。どこの病院もコロナ病棟はいっぱいで入院できないので、自宅療養者が爆発的に増えて、しかもその人たちが自宅で亡くなっているというニュースが流れる。
 地方都市に住んでいる私も、いったいこの先どうなっちゃの?とすごく不安だった。その時の話は、このエッセイ集には入ってないけど、岸本さんのことだ。次の本には入れるのだろう。読むのが楽しみです。
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