面白いが、かなりアンフェアな作品。どのくらいアンフェアかと言えば、綾辻行人の『どんと橋おちた』の次くらい。『どんと~』を読んだときは、こんなんアリかよーーーと文句たらたらだった。
でも、筒井康隆は優しい。この作中にはヒントがいっぱい。あれ!? おかしいな?と違和感を覚え、前のページを読み直すことも多い。だいたい、推理小説作家がミスリードするのは当たり前なんだ。
ロートレック荘2階平面図が載っている。どの部屋に誰が割り当てられたかの記載があるが、みな、姓か名前で書いてあるのに、フルネームで書かれてあるのが大きなヒント。それに、別荘番の金造の呼びかけ。人々の容貌についての記述…。ヒントはいっぱいある。
途中で「あれ? これってひょっとしたら…」と考える人も多いと思う。
ロートレックの作品があちこちに飾られている瀟洒な洋館に、才気あふれる青年たちや美しい娘たちが招待される。優雅な夏の終わりのヴァカンスが始まったが、2発の銃弾が惨劇の始まりを告げる。1人、また1人と、美女が殺される。いったい、なぜ?
明治30年代から90年くらい後という事なので、平成になるかならないかという時代設定ではないか?
でも、それにしては、ずいぶんクラシックな雰囲気が漂う。美しい令嬢たちをスリーヴァージンズと呼ぶのも古臭いし、それに、こんな素晴らしい別荘を所有する実業家の一人娘が、女子短大卒というのも、時代に合わないんじゃないか?
昭和9年生まれの筒井先生は、いくら良家の出身でも、女は短大卒で十分という考え方なのかな?
ところどころにロートレックの絵やポスターが挿んであって、それの説明を、小説内の登場人物がしているので、とても楽しい。ロートレックといえば、ムーランルージュや女優さんのポスターで有名だけど、結構、油彩画も描いているんだね。
でも、筒井康隆は優しい。この作中にはヒントがいっぱい。あれ!? おかしいな?と違和感を覚え、前のページを読み直すことも多い。だいたい、推理小説作家がミスリードするのは当たり前なんだ。
ロートレック荘2階平面図が載っている。どの部屋に誰が割り当てられたかの記載があるが、みな、姓か名前で書いてあるのに、フルネームで書かれてあるのが大きなヒント。それに、別荘番の金造の呼びかけ。人々の容貌についての記述…。ヒントはいっぱいある。
途中で「あれ? これってひょっとしたら…」と考える人も多いと思う。
ロートレックの作品があちこちに飾られている瀟洒な洋館に、才気あふれる青年たちや美しい娘たちが招待される。優雅な夏の終わりのヴァカンスが始まったが、2発の銃弾が惨劇の始まりを告げる。1人、また1人と、美女が殺される。いったい、なぜ?
明治30年代から90年くらい後という事なので、平成になるかならないかという時代設定ではないか?
でも、それにしては、ずいぶんクラシックな雰囲気が漂う。美しい令嬢たちをスリーヴァージンズと呼ぶのも古臭いし、それに、こんな素晴らしい別荘を所有する実業家の一人娘が、女子短大卒というのも、時代に合わないんじゃないか?
昭和9年生まれの筒井先生は、いくら良家の出身でも、女は短大卒で十分という考え方なのかな?
ところどころにロートレックの絵やポスターが挿んであって、それの説明を、小説内の登場人物がしているので、とても楽しい。ロートレックといえば、ムーランルージュや女優さんのポスターで有名だけど、結構、油彩画も描いているんだね。
読んだ時にはそれほど感銘は受けなかった気がしたんですが、よく考えたらボクが去年読んだうちの日本物ミステリのベストにしてました!(笑) やはりそれなりによく出来てるんでしょうねー。
倉知淳の『星降り山荘の殺人』だっけ。あの犯人像も、なるほど、うまく引っ掛けるなと感心しましたよ。