ケイの読書日記

個人が書く書評

創元クライム・クラブ「川に死体のある風景」

2011-01-22 14:02:20 | Weblog
 歌野晶午「玉川上水」
 黒田研二「水底の連鎖」
 大倉崇裕「捜索者」
 佳多山大地「この世でいちばん珍しい水死人」
 綾辻行人「悪霊憑き」
 有栖川有栖「桜川のオフェーリア」

 これら6篇が収められたアンソロジー。
 私が「川に死体のある風景」を思い浮かべると、ドブ川に浮かんだ腐乱死体になるが、皆さんがお書きになったのは、すごくきれいな水死体ですね。

 特に美しいのは、有栖川有栖「桜川のオフェーリア」
 信州の清流・桜川(架空の川)を流れ下る、美少女の水死体にまつわる謎。それを、江神部長と望月・織田・アリスが推理する。ちょうど『月光ゲーム』のすぐ後という設定なので、マリアはいない。

 『月光ゲーム』は駄作、という人もいるけど、私はなかなか優れた青春小説だと思うなぁ。
 作者の有栖川有栖と私は同世代なので、推理研の皆さんの学生生活が、懐かしい気がする。


 他、黒田研二、大倉崇裕、佳多山大地は今回はじめて読んだけど、大家たちと比べて遜色ないと思う。
 あまりなじみの無い作家の作品が読めるのが、アンソロジーのいいところだよね。

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