催眠が介入すると
膝の上においた手が上に上がったとしても
本人が、それに気がつかなかったり
自分の父親が有名人だと信じ込んだり、
青色のボールを赤色だと見てしまったり、
幽霊だって見せることは可能で、
五感情報が暗示の影響を受けてしまうのを
はっきりと確認することができます。
このような現象は、
私達の脳のポテンシャルを催眠で作為的に引き出しているに過ぎず、
催眠ほどあからさまに起きないにしても
私達の日常生活の中でも起こり得ることです。
私達は、すこぶる優秀な感知能力を持つ五感で捉えた
数多くの情報を脳に伝えますが、
私たちの脳は、
見るべきものだけを観て、
自分が観たいように見て
聞きたいものだけを聴き、
自分が聴きたいように聞き、
感じるべきものだけ感じ、
感じたいように感じます。
そして、それが客観的に見てどうであれ
本人にとっては、それが事実として認識され
記憶されます。
同窓会で、左側に座った同級生に
「あの時に君に助けてもらったことは
すごく感謝している。ありがとう。」
なんて感謝を言うと、
「それ俺だから。」
と、右側の同級生。
あの人に、両親に
あんな酷いことをされた、言われたという記憶も
真実は、違っていたなんてことは
心理療法の場では少なくはありません。
今後、もしです。私が事件の目撃者となり
証言を求められるようなことがあったとしても
とてもじゃないけれども
自分が見て記憶にとどめている情報の正確さに
自信を持てそうにありません。
だからといって、
自分の五感情報を全て疑ってしまうと
もう何がなんだかややこしくなって
生きづらくなってしまいます。
ですから、
自分の五感情報を信じるのと同時に
間違った時には間違ったことを認めるだけの
強さと言うのか、寛容さと言うのか、
自分への優しさと言うのか、
そんな気持ちを持つことが大切かなと思うのです。
そんなことに関連する面白い映像として
以前は、バスケットの映像をご紹介しましたが
今回は、また別の映像を発見したのでご紹介します。
「道を訪ねた人が途中で入れ替わったらどうなる?」を
試している映像です。
最初は、よく似た人が入れ替わっていますが、
予想以上に上手くいったので
製作者がどんどん調子に乗ってしまい
男性から女性に、さらには白人から黒人にと
尋ねている人が入れ替わっているのですが
尋ねられた人は、何も起きていないかのように
道を教えています。
こんな映像を見せられると
これだけ多くの人がそうなのだから
自分が同じ事をしでかしたとしても
自分を愚かだと責める必要などないことを
知ることが出来るのではないでしょうか。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計