日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「謝らない」という戦術

2006-06-11 10:42:46 | 徒然
男子高校生が、エレベーターの誤作動で亡くなった事件から1週間くらい経っただろうか?
その間、事故を起こしたエレベーターメーカーでの事故が、いくつも発覚している。
その多くが、学校などの公共施設や公団住宅などに設置されていることが分かってきた。
その理由が、日本のメーカーよりも安いということのようだ。
昨年11月に発覚した耐震偽装問題で、マンションを販売した会社社長は「経済設計(=安く建てる)のどこが悪い!!」と、開き直ったような発言をしていた。
一連の問題マンションやビジネスホテルのエレベーターは、今回事故を起こした「シンドラー社」製を使っていなかったのか?と、心配になった。
とにかく、他社に比べ安いのだから「経済設計」にはもってこいの、製品だと思われるからだ。

事故とは別に、製造会社の日本支社をはじめスイス本社の社長まで一貫して「謝罪」をしていないことが、日本の生活者に不快感を与えている。
でも、「欧米の企業が事故時点で謝罪する」というのを、私は見たことがないようにおもうのだが・・・。
何も欧米だけではなく、お隣の「俺様真ん中主義」の大国も自分の非を認めるよりも、相手の不備・不手際などを突いて「謝らない」という印象がある。
おそらく「(自分達の国か国際的な)法律で裁判をして、負けたら謝る」ということ、なのだろう。

「謝罪=非を認めること」は、法廷戦術として最初から負けるというを意味していて、それが企業(や国)に損益を与えると考えているのだろう。
であれば、このような相手にどうすればいいのか?
やはり日本だけではなく、世界を味方につけ「あなた達の間違い」をデータや第三者的視点を突きつけることだと思う。
ただ、ビジネスの現場では「クレーム処理は、顧客満足に影響を与える」と言うのは、常識。
「私のミスではありません」という態度でいれば、市場=生活者から嫌われるだけのこと。
次へのビジネスチャンスも、内的イノベーションを起こす機会も失うだけなのだ。

そういえば・・・「謝らない」という点では、フランス大会以降チケット販売でトラブルを起こすFIFAも、謝らない組織ですね。
そもそも、一般発売よりも関係者チケットの枚数のほうが多いというのが、問題なんだと思うんだけど・・・。