日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

スポーツと愛国心

2006-06-22 18:52:01 | 徒然
先日のエントリ「変なナショナリズム」に、コメントを下さった久保田啓さん、ありがとうございました。

クロアチア戦後、渋谷で大騒ぎをしていた若い人たちについては「騒ぎたい」だけが目的だと思います。
W杯だろうが、WBCだろうが、関係ないと思います。
そこに、ナショナリズムといえるほどのモノがあるのか?といえば、疑問です。
ただ、十日町のクロアチア応援に抗議をした人たちの一部は、『日本人なら他国を応援するとは、何事か!』的な感じを受けました。
どうやら若い女性が多かったようですが、雰囲気に流されて「右へならへ」という感じが嫌なのです。

私が感じた「嫌な感じ」は、他の方にもあったようだ。
毎日新聞のWEBサイトにある「発信箱」に、理系白書ブログの元村記者が「愛国心」というテーマで書いている。
「アウシュビッツ」を知らない大学生というのは驚くが、大学受験で関係のない現代世界史などは、勉強していないのだろう。
だからだろうか?先日のクロアチア戦会場となったニュルンベルグという街についても、知らない「自称:日本代表ファン」が多かったのではないだろうか?
トラックバックを下さったマーケティング千日回峰行之記さんが指摘しているが、ナチ党最大の党大会が開かれた場所でもある。
この時の映像を撮ったのは、レニ・リーフェンシュタール。
ベルリンオリンピックの記録映画「オリンピア」も撮った、女性監督として知られている。
これらの映像は、その後ドイツ国内だけではなく周辺諸国の若者達が、ナチ党へと傾倒していくきっかけとなったともいわれている。 
ゲッペルスの演出も凄いモノがあり、今でもその手法を使う「あゆ」のライブなどは、ある種の「あゆ党」の党大会的要素を含んでいるのかも知れない。

スポーツは「愛国心」を煽るのに、便利なモノなのかも知れない。
今の日本では、「スポーツに乗じて、騒ぎたい」若者が殆どなのだと思う。
ただ、「騒ぎたい」雰囲気を利用して「自分達にとって都合の良い『愛国心』」を作ろうとしている人たちもいるような、嫌な雰囲気を感じ取る感覚も必要な気がする。