日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日本のメディアって、大丈夫?

2012-08-28 19:08:32 | 徒然
昨日、秋葉原にある「AKB劇場(?)」で前田敦子さんの、AKB48卒業ライブがあった。
いくらテレビがない我が家でも、新聞のテレビ欄を見るだけでメディアの注目度というか、熱狂度が伝わってきた。
NHKの夜9時からのニュースでも、取り上げる予定となっていた。
このライブ、実はテレビ中継だけではなくインターネットでも中継されていたらしい。
当然のコトながら、興味の無い私は見ていない。

それにしても、どうしてテレビだけでは無くインターネットなど新旧メディアがこぞって「AKB」を取り上げるのだろう?
とても不思議でならない。

ファンの心理として、「どこにでもいそうな『前田敦子』さん(を始めとする、「AKBのメンバー」)という、ごくごく普通の女の子を、応援するコトでトップアイドルに育てる」というトコロが、今までにない魅力である、と言うのはわかる。
だからこそ、「AKB」の姉妹グループのメンバーが突然脱退表明をしたコトで、怒り出すファンがいるのだろう。
「可愛がって、育てていたはずの自分(だけ)のアイドル」が、突然「アイドル辞めます」と言えば、それまで費やした時間と労力、お金がムダになってしまった!と思うのも、何となくわかる気がする。
立場は逆だが、突然はしごを登っていたら外された、と言う感覚なのだろう。

でも、メディアの立場は違うはずだ。
「総選挙」の時のメディアの騒ぎ方、はしゃぎっぷりにも驚き、違和感を覚えたが今回はそれ以上の違和感がある。
確かにコレまでも、人気アイドルグループの解散や、人気歌手の引退公演などがテレビ中継をされ、高視聴率だった、と言うコトはあった。
その一例が、「キャンディーズ」だったり「山口百恵」さんだろう。
ただ、「キャンディーズ」や「山口百恵」さんと、今回の「前田敦子」さんの卒業は、全く違う。
「キャンディーズ」や「山口百恵」さんたちの場合、「(芸能界の)引退」であって、ファンとすれば、「(彼女たちを)二度と見られない」と言うコトがあった。
ところが「前田敦子」さんの場合、引退では無くグループの卒業なのだ。
言い換えると、グループ活動からソロ活動に移る、と言うだけのこと。
活躍する場所が変わるかも知れないが、芸能界で活躍するコトには変わりないのだ。
にも関わらず、メディアがこぞって大騒ぎをする、と言うのは何故なのだろう?

何となくだが、「視聴率が取れる」というコトのような気がするのだ。
次々と話題を作りながら、世間の注目を浴びる様な仕掛けを作った秋元さんに乗せられ、メディアが騒ぐコトでより人気が出る・・・その繰り返しの果てが、この様な騒ぎになっているのでは?

そんなコトを考えていたら、フッと心配なコトを思い出した。
ここ数年、日本の家電メーカーが作り出してきた「テレビ」は、「薄型テレビ」が主流になるにつれ、「高画質・高音質」へと向かっていった。
行き着くところまで行き着くと、今度は3Dテレビへと移っていった。
そんな「高画質・高音質」のテレビで、視聴するのが「視聴率重視」の番組だとすると、「テレビ」という家電製品の持っている機能を十分活用できていないのでは?
「最新の製品」に似合うだけの番組が無い、と言うコトは「最新の製品で見る意味も無い」というコトにも繋がっている様にも思える。

そんなコトも気になる、日本のメディアのあり方だ。