日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

住まいを自由にする

2012-08-02 19:08:55 | ビジネス
連日の猛暑である。
そんな暑さを避け、朝早く散歩に出かけたり夜夕涼みがてら近所を歩いたりすると、意外なコトに気づく。
それは、「空き家や空き室」となっているトコロが多くなってきている、と言うコト。
元々転勤族が多く居住する地域なので、季節的な空き家・空き室が目立つと言うコトはこれまでにもあった。
ただ、最近それが目立つ様な気がするのだ。
もちろん、新築のマンションなども建てられてはいるのだが、築年数が10年を超した様な物件になると、空き室が目立つ様な気がするのだ。

それだけでは無い。
以前から住んでいらっしゃる方のお宅であっても、以前は2階に明かりが点っていたのに、ここ数年点るコトが無い。
おそらく、2階に子ども部屋があり、お子さんが成長され独立された為に、明かりが点らなくなったのだろう。

「家は一生に一度の買い物」と言われているのに、その時々の家族構成や生活スタイルにあわせるコトができない「高額な買い物」という気がしてくる。
まして、戸建ての場合住宅ローンを払い終えた頃、子どもが独立をし空き部屋ができてしまう。
また、日本の戸建て住宅の寿命と住宅ローンの返済期間とほぼ同じ、と言う状況に有る。

最近社会的問題となりつつあるのが、「空き家」だという。
家主が高齢化し老人ホームなどへ転居した後、空き家になったまま放置されていたり、家主自身が亡くなったりした後、誰も住まなくなった物件が地方だけでは無く都市部でも目立つ様になってきている、と言う。
そんな「空き家」が有るコトで、地域の治安が悪くなる傾向が有ると言う。

そもそも「家は一生の買い物」というのに、その価格が高すぎるのが日本の住宅事情という気がする。
今の様な経済状況で、新築物件であれば4千万クラスのマンションを購入するコト自体、経済的リスクと考える人がいてもおかしくないと思う。
とすれば、現在ある空き家や集合住宅の空き室を、もっと上手に活用したほうが良いと考える人がいるのでは?
そのためには、可動性の高い間取りに造り替える必要が有るだろうし、「住む人の生活に柔軟に対応できる家づくり」と言う発想も必要になってくるのでは?
極端な発想だが、水回りだけをキチンと整備し、後は住む人の自由な間取り構成ができる、と言う様な考えの住宅だ。
もちろん、間取りを決めるためのアドバイスは必要だと思うが、退去する時にはまっさらな何も無い空間に戻る、と言う様なイメージだ。

「新しい」モノは住宅に限らず、ワクワクするモノがあり、一度人の手の入ったモノは何となく抵抗感が有る。
それは、以前持っていた人の感触があるからだろう。
また、以前から有るコミュニティーに新参者が入る、と言う抵抗感も有るかも知れない。
だからこそ、空き家や空き室が目立つ様な地域では、コレまでとは違うコミュニティーづくりをする必要が有ると思う。
「地域の再生」というコトが言われて久しいが、「人が居る」コトが「再生の第一歩」であり、そのためにも「住宅を流通させる」という発想が、これからは必要な気がする。