日々是マーケティング

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誘致失敗工業団地のメガソーラーに思う

2012-08-30 19:22:27 | ビジネス
昨日、ソフトバンクの孫さんが昨年発表した、「電田PROJECT」第一号地の発表があった。
私の実家がある、鳥取県米子市だ。
計画地となった場所は、40年以上前似計画され造成された「工業団地」。
誘致に失敗をし、野ざらしになっていた場所だ。
おそらく、全国にはこの様な「誘致に失敗をした工業団地予定地」が、たくさんあるコトだろう。
その中で、米子が選ばれたのはやや驚きがあった。
ただ、米子市自体は人口減少が深刻なだけではなく、経済的にもとても厳しい状況にある、と言うのは帰省する度に感じていたことだ。
もしかしたら、人口が少ないので、メガソーラーなどの建設に伴う住民交渉などの問題が少ない、と判断されたのかも知れないが・・・。

都市における人口の減少、特に若年層の減少はその都市の活力を大きく損ねる。
米子市の場合、ある特定企業への依存度が高かった為、その特定企業の移転が地域経済に大きなダメージを与えたと聞いている。
企業の移転は、その企業で働く人が他の地域へ移り住むと言うだけでは無い。
働く人とその家族が、他の地域へ移り住む、と言うコトだ。
この移転で、米子市の人口の約1万人が減ったと言う。
東京のような大都市での1万人の減少と、元々過疎化が進んでいた地域での1万人の減少とでは、地域経済に与える影響は全く違う。
それだけでは無く、ある特定企業に対する依存度が高ければ高い程、その様な企業の移転はその地域に大きな経済的ダメージを与える。
その様な状況が、ここ10年以上続いているのが今の米子市の状況なのだ。

そこへ話題の「メガソーラーの建設」と言うコトで、何となく浮き足立っている様な感があるのだが、大切なことは「メガソーラーの建設」ではなく、「メガソーラー発電によって、どのような経済振興策ができるのか?」というコトだと思う。
今の状況では「売電による収益に期待」というコトだけで、売電価格の見直しなどでその期待する収益が得られなくなった場合、どうするのだろう?

孫さんの「電田PROJECT」に共感をし、いくつもの自治体が手を上げた。
自然エネルギーを中心とした「循環型地域づくり」というのは、新しい地方のあり方だと思うが、そこに必要なコトは「それらを使った新しい産業の創造」なのではないだろうか?
実家がある米子だからこそ、そのような視点が無いコトを心配をしている。