日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日本(の経済)はどこへ行くのだろう?

2012-08-31 20:00:40 | アラカルト
シャープが大幅なリストラ策を打ち出したのは、今年の初夏の頃だっただろうか?
ほぼ同じ頃、パナソニックもリストラ策を打ち出した様な記憶がある。
この夏、日本の家電業界から出てきたニュースは、テレビなどの事業分野からの撤退だった。
この傾向は、何もテレビに限ったコトでは無い。
夏モデルの携帯電話などを見ても、日本勢の勢いは感じられない。

家電と言っても、何もテレビや携帯電話などの液晶部門だけでは無く、白物家電と呼ばれる分野もあるので「日本の家電メーカーが元気が無い」と言い切れるモノでは無いと思う。
それでも、「日本の家電メーカー全体に元気が無い」と感じてしまうのは、テレビなどが生活に密着し愛着があるからだろう。
もう一つ理由があるとすれば、家電製品そのものが日本の経済発展に大きく関与してきた、と言う点があるのではないだろうか。
事実上の倒産となったエルピーダメモリに代表される、「日本製半導体」も同じだろう。

それら「日本経済の牽引産業」が、危機的状況になりつつある(と言う雰囲気がある)。
今更その理由を書き連ねても、意味が無いと思うしご存じの方ばかりだと思う。
ただ、戦後の日本経済を引っ張ってきた産業の停滞、と言うニュースは、心理的経済の停滞を呼び起こすのでは?と、心配をしている。

問題は「何故、日本の企業が世界で通用しなくなったのか?」というコトだ。
「旧来のモノづくり=製品作り発想」に、とらわれすぎたからなのか?
携帯電話からスマートフォンという、新しい分野を創り出したアップルのiPhoneは、発売当初「我が社でも作れる技術」と話す日本のIT製品を作る企業のトップは多かった。
しかし、今ではその「作れるはずの技術を持っている日本企業」が惨敗状態。
明暗を分けたのは、一体何だったのか?
「情報」という目に見えないモノを、アイコンというカタチでわかりやすくしたコトだろうか?
優れたデザインと、直感的でわかりやすい操作性だろうか?

おそらく、その様なトコロでは無いと思う。
今の日本企業に漂う閉塞感は、アップルにあって自分たちに無いモノを探す力の無いコトなのでは?
違う言い方をすると、企業そのものが内向きになり「挑戦的なアイディア」よりも「確実に売れる商品作り中心」になったコトや、「挑戦的アイディア」を出す力のある若年層の雇用を抑制し続け、若い人たちも「確実性」という過去のデータにとらわれる思考と指向になっていたと言う点があるのでは?
「過去のデータ」でモノが作れる時代では無い、と言うコトは企業自身が一番判っているはずだ。
しかし、判っていながら今一歩が踏み出せない、踏み出すリスクが怖い、と言うのが日本の現状なのだろう。
何となく、「決められない日本・決められない企業」が、経済面での回復を遅らせているのかも知れない。