日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

夏の節電はできたけど・・・

2012-09-08 18:34:00 | ビジネス
この夏(と言っても、8月までだが)の電力消費の結果が、出そろった様だ。
結果は新聞などでご存じの通り、「計画停電など実施するコトもなく終わった」。
昨年の様な企業の休日変更もなく終わったコトを考えると、生活者の節電意識が高まった結果かもしれない。

この結果から「原発はいらない」と言うのは、どうなのだろう?と、考えてしまう部分がある。
と言うのも、昨年・今年の電力供給をまかなう為に電力会社が実施した方法は、休眠中の老朽化した火力発電所を稼働させるコトだった。
稼働し始めた頃は、メンテナンスも不十分だっとも聞いている。
ご存じの通り、火力発電所を稼働させる為には原材料となる石油などの輸入が必要となる。
昨年から続く電力料金の値上げは、原材料によるもの。
それが直接的に、電気料金へと跳ね返ってきているコトは、ご存じだと思う。

それだけではない。
火力発電を稼働させるコトで発生するCOの排出量は、増えている。
COの削減というもう一つの時代の動きから考えると、火力発電を稼働させるコトは「環境問題」という視点では余り良いコトではない。
「フクシマ事故」が起きる前までは、当たり前の様に言われてきた「環境問題と火力発電」という関係が、スッポリ抜け落ちてしまっている。

確かに「フクシマ事故」は、「東日本大震災」の大津波を発端とした人災であり、その被害は未だに続いている。
そして、一端起きると収束するまでに多くの時間と費用が掛かるだけでは無く、なにより多くの人の生活を破綻させる危険性が高いのが「原発」である、と言うコトが判った。
その意味で「脱原発」と言う考えが、国民の一致した考えとなり大きなデモへと発展していった、と言う経過まではとても当たり前のことだと思うし、自然なコトだと思う。

その「フクシマ事故」に端を発した「日本全国節電の夏」だったからこそ、対目標をクリアしたからと言って、「節電ができた=原発はいらない」と言うコトに疑問を感じるのは上述した理由があるからだ。
大切なことは、老朽化した火力発電所まで稼働させた結果の電力供給の上で成り立った「節電の夏」だった、と言う事実をしっかり受け止めたうえでの「現実的なエネルギーのあり方」だと思う。

そのためにまず必要な論議となるのは「送発電の分離」というトコロから、始める必要があるのでは?
「我が家はソーラー発電をしているので、関係無い」という問題では無いはずだ。