日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

経験を活かすセカンドキャリア考

2012-09-30 19:14:50 | ビジネス
最近、就職をせずに大学卒業後直ぐに、「社会起業家」を目指す若者が増えているようだ。
彼らの多くは学生時代に、何らかのボランティアなどを経験し、その経験から「社会に貢献できる様な起業がしたい」という強い思いと熱意を持って、「社会起業家」を目指しているようだ。
そんな彼らの活動はとても素晴らしいモノだと思うし、私が20代だった頃に比べると随分しっかりとした考えを持っている、と感服する。

そんな彼らだが、足りない部分が多分にある。
それは「ビジネスの経験」という点だろう。
確かに様々なボランティア活動を通して、自分ができる社会貢献とは?と言うコトを考え抜いてチャレンジをしていると思う。
だが、残念なコトに「社会経験」とか「ビジネス経験」と言った点では、まだまだ不足している。
それは若いのだから仕方の無いコトだと思う。
逆に考えれば、そんな彼らの強い思いや熱意を上手にサポートするコトが、大切なのでは無いだろうか?

とすれば、その適任者は誰なのか?と考えると、思い浮かぶ人材がいる。
企業を定年退職し、年金生活まではまだ2,3年ある、と言う人たちだ。
社会的経験やビジネス経験が豊富、と言うだけでは無く、現役時代に築いた幅広い人脈という「資産」を持っている。
そんな退職者たちにとって、現役時代に培ってきた経験や人脈を活かす様な仕事がしたい!と考えているのではないだろうか?

世間では「天下り先の有無」が、その人の現役時代の活躍を判断する様な見方もある様だが、その様な価値観(?)をひとくくりにして見るコト自体、今という時代に即していない様な気がする。
むしろ「天下り先」を蹴って、新たなビジョンに挑戦する様な退職者たちが出てきてもおかしくないと、感じている。

とすれば、若く強い思いと情熱を持って「社会起業家」を目指す若者たちの良きアドバイザーやメンター、場合によってはビジネスサポート集団ができてもおかしくは無いと思う。
思うのだが、余りこのような「セカンドキャリア」を目指す人の話を聞くことが無い。
実際にはその様な活動をしている方たちがいらっしゃるのかも知れないのだが、社会のシステムとしてその様なモノが無い様な気がしている。

もし自治体などが「若い社会起業家と退職者のビジネスサポーター」とを結びつけるような、仲介をしたら、その地域はとてもユニークな産業が生まれるかも知れない。
例えば、先頃出会った「不揃い野菜を売って、子どもたちの就学サポート」をしている、若い社会起業家さんと、スーパーマーケットなどの経営に携わっていた退職者が出会えば、スーパーマーケットで販売している「お総菜」にその様な野菜が使われ、その収益がその地域の子どもたちの就学支援に繋がる、と言う可能性もある。

農家にとっても、出荷し難い少量の不揃い野菜を廃棄するコト無く安定的に売るコトができるし、スーパー側も安定的に安全な野菜を仕入れるコトができる上、地域に貢献できる。
その架け橋として、「若い社会起業家の活動+彼らをサポートする退職者の人脈」と言うモノがあっても良いのではないだろうか?
もちろん、生活者にとっても美味しい野菜でつくられたお総菜をリーズナブルに頂ける、と言うメリットもある。

そろそろ、そんな「セカンドキャリア」の作り方が、考えられる様になっても良いのではないだろうか?
そしてその様なつながりが、新しい社会のスタイルのひとつとなるかも知れないのだから。