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ソニーがオリンパスと資本提携すると・・・

2012-09-25 20:03:38 | ビジネス
今日、オリンパスの粉飾決算についてのニュースが、各新聞社のWEBサイトに掲載されている。
この事件で、オリンパスの事業の柱は既にカメラでは無く光学医療機器である、と言うコトが知れ渡ってしまった。
そこに資本提携として手を上げたのが、ソニーや富士フイルムだった。

富士フイルムの場合、オリンパス同様光学医療機器を作っており、いわばライバル企業という関係。
一方ソニーは、映像技術の高さはあっても医療機器関係は作っていない。
富士フイルムとすれば、ライバル企業を吸収する又とない機会。
ソニーとすれば、不振のテレビ事業の技術を活かして、新規事業に乗り出す機会。
どちらにしても、オリンパスへの資本提携はとても魅力的だと言うコトが、よく分かる。

そして一番最初に手を上げた(?)ソニーとの資本提携がほぼ決まりそうだと言う。
とすれば、ソニーは単に不振のテレビ事業の技術を活かすだけなのか?と言う点が気になってきた。
と言うのも、日本の医療機器は世界でもトップクラスだと言われている。
ただし、それは内視鏡やマンモグラフィー、超音波など。
PETーCTやMRIと言った大掛かりな医療機器となると、海外の企業の独壇場のようなのだ。
過去私が検査で受けたPETーCT、マルチスライスCT、MRIなどは残念ながら日本の企業のものでは無かった。
もちろん、受診した医療機関が使用していた機器がたまたま日本製では無かった、と言うコトも考えられるのだが。

その様な状況を考えると、ソニーがオリンパスと提携してどのような医療機器を作り出すのか?と考えると、内視鏡手術の機器なのかな?と言う気がしている。
と言うのも、外科手術の場合「手術痕はなるべく小さく」というのが大きな流れとなっている、と感じるコトが多いからだ。
特に「ロボット手術」などは、これから主流になっていくのでは?と、言われている様だ。

ご存じの方もいらっしゃると思うのだが、「ロボット手術」というのは、手術担当外科医が患者の傍らに立ち手術をするのでは無く、患部の映像を見ながらロボットアームを操作して行う手術。
鮮明な映像も必要だし、ロボットの細かな動きが必要となる医療機器だとも言える。
その点、ソニーにはかつて「アイボ」と言う、犬型ロボットを作っていた経験があることを考えれば、手術用ロボットを作るコトは難しくても、ソニーの3D映像の技術を使ったシミュレーション用であれば、時間をかけずに作るコトは可能かも知れない。
また、オリンパスの持っている内視鏡の技術に映像が組み合わさるコトで、「難治がん」と呼ばれる早期発見が難しい、膵臓や胆管、肝臓などのがんの早期発見に役立つかも知れない。

違う技術が複合化され、効果を発揮するコトを「相乗効果」と呼ぶが、もしその様な事業展開になれば、日本の医療機器メーカー全体の海外での市場拡大が望めるかも知れない。
ただし、ソニーが本気でそう考えていればの話だが。