日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

大切なコトは、公表するコトと・・・

2012-09-11 21:43:16 | アラカルト
東京電力の「フクシマ事故」の事故当時のビデオ公開が暫く前に行われた。
メディアなどで大々的に報道されたので、そのニュース映像をご覧になられた方も多いと思う。
私もニュース映像をネットで一部見たのだが、映像を見るだけでは何が何だか判らない、と言うのが素直な感想だった。

「ビデオを公開する」と言うコトは、東京電力側としては大英断だったようだがこの様な中途半端な公開では、ますます疑心暗鬼というか不信感をつのらせるだけになってしまった様な気がする。

その理由は、音声が公表されていないと言う点が大きいのだが、何よりも東京電力そのものがこのビデオの公開を渋っていたと言う点で、東京電力の「フクシマ事故」に対する考えがあらわになってしまったと思っている。
それが「原発に対する不安を高めた」という部分でもあると思うし、その自覚が東京電力側に無かった、と言う事実も重いと感じている。

そんな反省を踏まえてか、東京電力が「原子力事故検証チーム」を新設すると言うニュースがあった。
東電、原発事故検証チームを新設(紹介記事は中日新聞)
この様な東京電力の姿勢をみると、本気で「フクシマ事故」を解明したいのかな?と言う印象を受けるのだが、それよりも大切なことは「検証結果を公表する」と言うコトだと思う。

それだけでは無く、「検証結果に基づく責任の取り方」というコトのほうがもっと重要だと思う。
例えば、郵政民営化後、日本通運との合併企業「JPエクスプレス」が発足したが、発足がお中元シーズン真っ盛りだったため、相当の遅延や紛失、商品の傷みなどが発生した。
「相当現場が混乱をした」と言うのは荷物を受け取る側として理解できるのだが、そのコトについて当時のトップだった西川さんをはじめとする人たちは、誰ひとり問題の解決・検証を行うこと無く、責任も取らずに退任をしてしまった。
結果として、それまで順調に推移していた「ゆうパック」の企業取扱量が減り、大幅な赤字が現在でも続いている。
それは、企業のトップが誰ひとり「ご迷惑をおかけしました」というコトも言わず退任したような企業に、荷物を預けるコトなどできない、と考える生活者や企業からのメッセージなのだと思う。

事故調査・検証チームを作る、と言うのはとても重要なコトだと思う。
しかしその調査報告が公開され、その内容に応じた企業と企業トップの責任の取り方が、とても重要なのだ。
社会のインフラを支える地域独占企業だからこそ、その様な企業姿勢が厳しく求められるはずなのだ。
企業のトップというのは、それだけ責任が重いと言うだけでは無く、責任の取り方ひとつでその後の企業に与える影響のほうが大きいく、それは退任をしたからと言って逃れるコトはできない、と言う程のものだと自覚をして欲しいと思う。