日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

100円ショップも脱中国?

2012-10-12 18:49:18 | ビジネス
今日、久しぶりに近所の100円ショップに出かけた。
お目当ての物は、品切れだったのだが売り場を歩いてみて、チョッとした変化に気づいた。
それは、製造国の変化だ。

ご存じの通り、100円ショップと言えば製造国の大半は中国。
ところが、最近はベトナム製などの表示も増えつつある。
そして今日、何気なく見つけた「クッキングシート」は、何とドイツ製だった。
このところのユーロ安と言うコトもあって、輸入が可能となったのかも知れないが、コレにはチョッと驚いた。

考えてみれば、デンマークの100円ショップこと「タイガー」がこの夏、日本に進出した。
100円ショップといっても、厳密には100円~1,000円くらいの値幅がある商品ラインナップとなっているのだが、その北欧らしいポップで、遊び心のあるカラフルなデザインで、大人気になっている。
もちろん、タイガーと我が家の近所の100円ショップとを比較するのは大間違いだが、タイガーの進出をきっかけに、従来の100円ショップも変わらざる得ないのかも知れない、と感じたのだった。

その傾向は既に現れていて、100円ショップの「ダイソー」や「キャンドゥ」のような、日用雑貨から文房具、キッチン用品もあればガーデニングやDIYなどの工具など幅広い品揃えをしているトコロや、「セリア」の様に若い主婦層を中心に考え、手芸用品やキッチン用品でもお菓子作りの道具などに力を入れているトコロもある。
とすれば、何でも中国で製造するコトが良い訳ではない、と言うトコロに行き着くのも自然なコトかも知れない。

アジアの中でも、エスニックな手工芸を得意とする国や地域があれば、日本でデザインなどの企画を作り、その国や地域で生産した方が特徴的で、チョッと変わった物ができるだろう。
むしろ、大量に仕入れるのではなく小ロット総て買い取りと言う条件で、仕入れ値を下げながら、コレまでとは違う商品を販売するコトも可能となるだろう。
当然だが、「売り切れごめん」というコトになるし、それが話題を呼び人気となるコトもあるだろう。
その「売り切れごめん」で人気を呼んだのが、「タイガー」でもあったのだ。

その様に考えると、今や100円ショップと言っても100円の商品ばかりでは無いし、むしろ「安価」だけを売りにできる時代でも無い、と言うコトかも知れない。
とすれば、人件費だけ安い生産国では無く、もっと違った付加価値できる要素のある国で、100円ショップに似合う物ができれば良い、と言うコトになる。
100円ショップの「脱中国」というのは、その様な事情も有るのかも知れない。