日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

マスクも進化する

2012-10-13 19:28:22 | トレンド
ここ2、3日、朝晩は急に冷え込む様になってきた。
寒くなると、やはり風邪などが流行する。
ドラッグストアーの商品棚も、すっかり秋から冬向けの商品が目立つようになった。
最近はマスクなどは通年商品という扱いのようだが、それでも入荷量が随分増え、商品もバラエティーに富むようになった感がある。

数年前のマスクのトレンド(?)は「ぬれマスク」だった。
私も冬場愛用しているのだが、のどが乾燥しないのでなかなか良い、と感じている。
その後、「マスク」とはいうものの形状は「マスク」ではない、直接鼻に挿入しウィルスや花粉の侵入を防ぐタイプ、鼻に薬剤を塗るタイプなど、イロイロな形状のマスクが登場している。
形状では無いが、マスクにスプレーをすると除菌をし抗菌効果がアップする、と言う補助的商品も昨年あたりから発売される様になってきた。
他にも睡眠時ののどの乾燥を防ぐ「おやすみマスク」という、商品もある。

そんな「マスク」の商品棚で、全く新しいタイプの「マスク」を見かけた。
鼻に薬剤を塗ったり、直接鼻に挿入するタイプでは無い。
「ネームホルダー型エアーマスク」という商品だ。
今や企業だけでは無く、何らかの団体に属している方であれば「ネームホルダー」は、必携だろう。
「ネームホルダー」が無ければ職場に入るコトすらできない、と言うのが現状ではないだろうか?
その「ネームホルダー」に、薬剤の入った「サシェ」を入れ自分の周囲の空間を除菌・抗菌するという、コレまでとは全く違った発想の商品。
持続期間も約2ヶ月、と使い捨てマスクを毎日ゴミとして捨てていたコトを考えると、エコでもある(価格としては、割高感はあるが)。
何より「マスクをする」という、不便さが無い。
日頃眼鏡をかけている方(私もそうなのだが)にとっては、「眼鏡が曇る」という煩わしさが無い、と言うのは大きな魅力だと思う。

その様に考えると、時代というか生活の変化によって、随分変わってきた様な気がする。
「ガーゼマスク」は未だに健在だが、「ガーゼマスク」をしている人は余り見かけ無いのでは?
おそらく主流となっているのは「サージカルマスク」と呼ばれる、医療用として作られた不織布のマスクだと思う。
それも、女性向けにパステルカラーのものや、眼鏡が曇らない工夫がされていたりする様になってきた。
しかし、「マスク」そのものが目立ってしまうし、女性の場合お化粧などの関係もあり、余りしたくない、と言うニーズがあった。
それが「鼻に直接薬剤を塗る」とか「直接鼻に入れる・ノーズマスク」という、「マスクのようでマスクでは無い」という、タイプのものが生まれたのだとおもう。
使用感や薬剤を塗る手間などもあり、現在一般的になっている「サージカルマスク」より、ヒットはしなかったようだが。
そして働く人の必携となった「ネームホルダー」に装着する、と言う形へと進化した。

「ネームホルダー」がこれほどまでに「必携」とならなければ、おそらくこの様な商品は生まれなかっただろう。
そう考えると「たかがマスク。されどマスク」。
社会や生活の変化が、商品の形状を変え進化させるのだと感じるのだった。